もう10年少し前になります。
入院中の私をディーラーの営業マンが見舞いを兼ねて営業にやって来ました。
担当者が交代して挨拶を兼ねてという理由でした。
そして以前からアリストが欲しいと言っていたのを前任者から聞いていたのでしょう。
「じゃあ、オプション適当に入れて見積り作っといて」
そして退院したその日にまたやって来ました。
結構良い価格でした。
「じゃあ、この価格になるんだったら買ってやるよ」
営業マンは営業所に帰って所長と相談の上OKを取ってきました。
約束だから買うことにしました。
納車まで約1ヵ月半掛かりました。
その車が3ヶ月を目前にして盗難にあったのです。
当日は仕事を終えて飲みに出かけました。
もちろん彼女と一緒です。
いつものスナックを出て途中で帝○ホテル大阪に立ち寄りました。
彼女の友人も一緒だったのでバーに行こうということになったのです。
そして帰途に着きました。
翌日は直行の予定でしたので彼女の家に泊めてもらいました。
もちろん家人は知りません。
いつもどおり車の中で寝ていると思っています。
翌日は彼女は休みだったので一緒に現地に行くつもりでした。
翌朝、駐車場に行ってなんかおかしいなと思いました。
乗って帰ったはずの車が見当たらないのです。
「酔ってどこかに置いてきたのかな」と思ったほどです。
彼女も同じ思いでした。
それから付近を探し回ってやっぱりないと納得しました。
そして盗難に会ったのだとやっと理解できました。
もう頭の中は整理が付きません。
これが彼女の住宅でなかったらそんなにパニックになることはなかったでしょう。
あとは派出所に届けるしかありませんでした。
派出所は留守でしたので所内にある電話で事情を話しました。
「すぐに派出所に戻ります」と係りの人から言われて待つしかありません。
その間に自宅に電話を入れました。
どう言い訳しようかと焦りましたが事実は隠しようがありません。
嘘を並べてもすぐに判ってしまうでしょう。
「今日直行の予定だったから彼女の家に泊めてもらった、今派出所」
ただそれだけを告げました。
「はい」とだけ答えて妻はそれ以上の詮索はしませんでした。
9時になって会社に電話を入れることにしました。
「車、盗難にあって警察に来ています。今日は休みます」と。

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