先日、比企郷土の書家、松崎春川の遺墨回顧展を拝見したが、その図録に都幾川町は都幾山慈光寺の「慈光寺経」の補写経奉納式(昭和39年)についての記事が記載されていた。都幾山という山があるのは知っていたが、その山中にある慈光寺のことは初めて知った。聞くところによると天台宗別院として中古は関東武家の信仰を多く集めた名刹であったらしい。またここにある『法華経』は厳島神社の『平家納経』、鉄舟寺の『久能寺経』とともに日本三大荘厳経の一つとして国宝に指定されているという。その昔、栄華を極めた古刹を是非見たいと思い、いつもの様にトレイルにて。

参道からは枝先をほのかな春色に染めた桜並木が続く。

急坂の林道兼参道を300mほど上がると程なく慈光寺に着く。

う〜む。何処となく願文を想わせるようななかなか善い書だ。史峰とあるが大沢史峰氏かなぁ。彫りは比企の名匠金子玄石氏。比企の名刹の額の多くがこの名匠の手によるようだ。

威厳に満ちた観音堂。この裏手から都幾山への藪道が上がっている。

登山道も整備されておらず、山名の表示も無いと、ネットに載ってたのでパウチっ子でプレートを作って持参し、梢に引っ掛けてきた。
今まで色々な山を登ってきたが、これほどつまらない山頂を持つ山も珍しい。
これではよほどの物好きしか登らないないだろう…標高460mほど。

山すじに沿って開かれたダートの林道の途中。ぽっかりと木々が切開かれた部分から。
こういう風景の中にいたくてまた登ってしまうのだ。山に。