「これって、どうやって飲んだらいいんですか?」
「お飲みになってみられますか?」
手にとった小さな包みについて尋ねると、そう答えがあり、勧められるまま、窓辺の席に腰掛けた。
「こちらは、雲南の小沱茶と言って、固めたプーアル茶です。こんな風に割ってから急須に入れます。くせのあるお茶ですから、何度か洗うような感じで煎れた後に飲まれるといいですよ。今までプーアル茶を飲まれたことはありますか?」
店員は手際よくお茶の包みを開き、二つに割ると急須に入れながらそう尋ねてきた。
急須の底にあたったお茶が、カチンとかわいらしい音を立てた。
「お土産で貰ったティーバックのならありますけど、すごく土臭いお茶ですよね…」
あまりにも正直に答えてしまって、一瞬シマッタと思ったけれど、彼女は笑いながら
「そうそう、そうなんですよ…」
と、いかにもおかしそうに言うので、私も少し笑ってしまった。
「少し薄めに煎れましたので、どうぞ。熱いのでお気をつけて」
テーブルに漂っている香りは、確かにあの土臭い感じだったが、器に注がれたお茶は少しオレンジっぽい色をしていて、今まで飲んだプーアル茶よりも鮮やかな色をしていた。
冷ましながらそっと口をつけると、思ったよりすんなりと喉を通っていく。
確かにあの独特の感じはするが、どちらかというと濃い紅茶のような甘い感じが残る。
「あれ…、美味しい?」
今までプーアル茶がこんなに美味しいなどと思ったことはなかったので、正直びっくりしてしまった。
自分で2杯目を注ぎながら、癖になると言うのはこういうことなんだろうかと思った。
しばらく様子を眺めていた店員が
「あの…、普段お茶をあまり飲まれない方は、急に沢山飲まれないほうがいいですよ…」
と心配そうに声をかけてくる頃には、すでに5杯目を飲んでいた。
あわてて時計を見ると、すでに1時間近くここでそのお茶を飲んでいたことになる。
お茶は最初の味からほとんど変わることがなく、まだまだいくらでも飲めそうだったが、確かに自分でも少し飲みすぎたような気がする。
それでも懲りずに、そのお茶を30個買って家路についた。
ちょっと買いすぎたかな?とも思ったが、保存も難しくないそうだし、可愛くラッピングしてプレゼントにしても喜ばれそうだ。
余計なお世話かもしれないけど、このお茶の美味しさを教えてあげたい人が沢山いる。
まずは、家で帰宅を待っている両親に飲ませてあげることにしよう

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