ヒグマに思う  林とこころ

去る16日、静川のログハウスで小さなミーティングをしていた午前11時過ぎ、

別の用事で来ていたNPOの女性会員が「今、クマが林道を横切った」と少し

慌てて戻ってきました。その瞬間、「とうとう身近な人たちに目撃か」という

感慨が起きました。


わたしが勇払原野に関わり始めてからの約半世紀近く、ヒグマの話は時々出ては

忘れられ、時には猟友会が出たとニュースになったりしました。勇払原野の一部の

沼ノ端界隈が新たに住宅団地になり、携帯電話が普及するようになってからは

より頻繁に穂と目につき通報が容易になったことなども背景に、このところ

ヒグマ情報は益々多くなっています。苫東のなかですら、耳を澄ませば年に数回、

ほぼ確実にヒグマ情報が聞こえてきます


ここで深く考えてみたいことは、勇払原野を移動するヒグマは、その「十分な

緑地面積」のせいか、ニアミスによる殺傷事件などはなく、被害といえば

ミツバチの巣箱と試験栽培の農地ぐらいで、人の対応で回避できるものです。

緑地の在り方次第ではヒグマと共生できる、いや「現状では共生せざるを得ない」

というべきですが、残念ながら勇払原野におけるヒグマとの共生は、取り組みと

して光を浴びることはまだなさそうです。


写真は今から20年近く前、苫東で捕獲されテレメーターを取り付けられて、

地域の科学的なヒグマ移動情報を発信したヒグマ「トラジロウ」です。

ヒグマを捕獲することは比較的簡単なので、個人的には、苫東にやってくる

ヒグマのすべてに発信機を取り付け、移動情報を管理する方法があると思います。

これはすでに知床で試みられたはずですが、専門家はその情報をどう利用するのか、

これも大変難しい事情があると言います。しかし野生動物が移動する都市近傍でも

リスク管理と生き物との共生を探る実験としてぜひ考えてほしい地域テーマだろう

と密かに思っています。

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雑木林&庭づくり研究室
http://hayashi-kokoro.com
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土地土地の林の管理方式  林とこころ

6,7年前から、将来、大木になりそうな樹木に印をつけてみている。作業個所では

その樹木の周りを透かしている。将来木施業と呼ばれる方法と似ているけれども、

苫東ではそれがちょっと違う。


大木になると倒れるのである。火山灰で根が浅くしか張れないから、

大きくなって風当たりがよくなった順に倒れるのだ。近く、土地の所有者の

緑地検討委員会で、森林管理の提案をしてほしいというリクエストがあり、

そこでわたしは「苫東方式」という、長年ここの林を見て、いくらか実践し、

感じてきたことを簡単にまとめたこのワーディングでお話ししようと思う。

しずかにゆっくり付き合ってたどり着いた言葉で、ここに合う方法、いや

考え方である。もちろん、国内以外、あちこちの森づくりを見てのことだが、

意外とシンプルなことで言わば「倒れる前に伐って利用する」という抜き切り

である。


浜田久美子さんが『スイス林業と日本の森林~近自然森づくり~』という新刊で、

スイスの近自然森づくりを紹介しているが、苫東方式はこれに近い。収穫が

そのまま手入れになる、という優勢間伐である。皆伐を原則としてしないで

持続させるという課題を持つ苫東の保全緑地と周辺では、まず風倒木、掛かり木、

ツルなどに絡まれたケガレチ的林をまず改良の除間伐をしてきた。気持ちの

良い林への一歩だ。次のステップとして、これから風倒木予備軍を切るのである。


少しずつ折に触れやってきたが、根返りの兆候を見つけるためには林を

よく歩かなければならない。大木をマークし、倒れそうな木を見つけるのだ。

このためもあってわたしは林を目指してきた。他人の林だが、コモンズ林

という側面を持つ林の、決して多くないファンのひとりだと任じている。

残念ではあるけれどもよく言われるほどには、林を歩くのを趣味にする人はいない。


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