日本でも人気のムーミン。
でもヨーロッパで「ムーミン」といえば、コミックス。
ふーん……?
そんな切り口の一冊だ。
私のムーミンとの出会いは、カルピスまんが劇場のアニメ。
私の世代としては、平均的だろう。
でもその後も、あの谷や森が忘れられず、
フィンランドやスウェーデンの森を見に行ったことから、
私のムーミン体験はさらに広がった。
トーベ・ヤンソン描くところのムーミンに出会い、
遅ればせながら児童文学のムーミンシリーズと出会った。
登場人物で好きなのは、やっぱりスナフキン。
彼は、陽光の下、水辺に日がな一日腰を下ろし、自分が生きていることをじっくりと味わうことが何よりも好き。
そして、ママ。
ママはたくさんの責任を果たすその最中でさえ、自由でのびのびとしていた。彼女は大きな代償を払って手にした孤独を、どれほど人々に囲まれていても手放さなかった。周囲から自分を切り離すのではなく、いっさい影響をこうむらないことによって。
作品のなかでは、最終作の『ムーミン谷の十一月』が好き。
旅や芸術、孤独、老い、不安を扱った一連のシリーズだが、
最終作の制作ノートには「夢が現実よりも現実的であることを語りたい」記されていたという。
写真は、イギリスの子どもたちに宛てられたムーミンママ自筆の手紙。