今夜、豊島園のユナイティッド・シネマで「おくりびと」を鑑賞しました。
館内の椅子が大きくて体が疲れませんでした。2時間以上あるのに時間の流れを感じない地味だけどいい映画でした。悲しい暗い主題を優しいユーモアをまじえて観客に伝えています。
山崎努を初めとするベテラン俳優勢が作品に印象と深みを与え、この納棺師と言う職務に対しての世間のラベリングと人の最後を扱うということの尊厳さを表していました。
現在は死を遠ざけ、忌み嫌うケガレの風潮が強いので、「死体」に着物を着させ、お化粧をし、清拭する仕事を差別するセリフがいくつか出てきます。核家族が増え、単身独居の高齢者や障害を持つ人々が増えた今、その孤独死にも焦点を当てています。都会の人間が
「生と死」を見る機会から遠ざけられていると言う事実もです。
しかし映画はとても静かに、時に美しく山形の庄内平野を舞台に思想的に展開していきます。自然と自分の最後はどうだろう?と思えてくる。きっと、私たち誰もが必ず経験せざる得ない終わりのない世界です。その循環している生命をいろいろな役者たちがそれぞれに演じている。ゆるやかに、しかし始終ずっと胸の熱さが止まりませんでした。「死せる存在」について考えてみたい方にお薦めです。
