歓声の中へ
野球、サッカー等を中心にした総合スポーツコラムです。
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2007/6/27
「【大学野球】監督の役割とは――「体育会」を考える(5)」
野球
専修の野球部が、揺れている。
いや厳密には、野球部そのものは揺れてはいないかもしれない。周囲がひどく騒然としているのだ。理由は簡単、この春のリーグ戦で、1部で勝ち点を1つも取れないまま入替戦でも連敗(しかも完敗)し、たった1シーズンで2部に再降格になったからである。長谷高監督の手腕が問われても不思議はない。
この東都創設時のオリジナルメンバー、栄えある第1回優勝校、そして東都最多の31回優勝を誇る日本学生球界の名門中の名門は、89年春に今のところ最後の優勝を遂げた後、その2年後の91年春から3期連続最下位と低迷、翌92年春の入れ替え戦では、ついに耐え切れずに2部に降格した。その後2部でもぱっとしなかったが95年秋についに2部優勝、そのまま入替戦も突破して1部昇格、さらに98年には2期連続の2位にまで躍進した。ところが翌年春に2部降格になるやまたも2部に定着、途中02年春には駒沢を蹴落として1部に返り咲くも秋には返り討ちにされ、さらに翌03年秋には2部でも最下位となり、3部との入替戦に望むという屈辱を味わっている。
この不振を受けて04年に就任したのが、現在の長谷高監督だ。監督は専大OBで、いすゞ自動車野球部に入り活躍していたが、同部の休止もあって、30代の青年監督として専大野球部に赴任したのである。
だが1部の壁は、いや2部の壁すらも、そう簡単に破れるものではなかった。長谷高監督が就任したその年こそ春秋連続2部優勝を遂げたが、いずれも入替戦で敗退。秋の対東洋2回戦では大差をつけられた上で永井(現・楽天)を投入され、息の根を止められるという屈辱的な試合も経験した。翌05年には入替戦にすら出れなかったが、ついに昨年秋の入替戦で日大に連勝し、1部に再昇格したのである。すでに1部経験者は現役部員の中にはいなかったが、長谷川(現・ソフトバンク)や松本(現・読売)といった強打者がその力を存分に発揮しての昇格だった。「名門の逆襲」とサポーターは大いに盛り上がり、誰もが18年ぶりの1部優勝に向けて意気上がった、その矢先の再降格である。この失望は大きかった。
専大を応援する電子掲示板では、監督の解任論と擁護論が渦巻いた。就任3年半・7シーズン目が終了。この間2部優勝3回、内1部昇格1回。1部最下位1回、即降格。この成績に対し、あなたはどのようにお考えだろうか。断言するが、プロなら間違いなく長谷高監督は「休養」に追い込まれているはずだ。3年半かけてプロで言うAクラスにすら入れないのだから、話にならない。そして選手はアマチュアでも、長谷高監督自身はこれで給料をもらっている、すなわちプロなのだ。プロである以上結果がすべて。その結果を出せなかった以上、退任すべきなのではないだろうか。
もちろんプロと学生野球は単純に比較はできないし、毎年選手が入れ替わるチームで、常勝軍団を作れという方が無理なのはわかっている。現に國學院の竹田監督は、96年に監督に就任したが、06年の1部昇格まで、丸10年かかっている。その意味では、現時点で長谷高監督に結果を求めるのは酷という見方もできよう。だが竹田監督の場合は、それまで高校野球の監督として、東北高校と仙台育英で甲子園出場が春夏合わせて27年間で27回。しかも東北の監督に就任した68年には、もうその夏にチームを甲子園に導いている。神宮大会優勝2回。プロに進んだ教え子は佐々木主浩、渡辺俊介ら多数。こうした実績に加え、技術的のみならず人間的にも選手を育てることに定評のある名監督なのだ。たとえ時間はかかっても、安心してチームを任せられる。それに対して長谷高監督は監督経験なし。そして今のところ上記の実績しか挙げていない。これからどんな名監督に成長するかわからないにしても、名門の野球部を託すには、このギャンブルは危険すぎる。もちろん東北高校には元々いい選手が揃っていたのかもしれないが、それを言うなら専大の野球部は他校もうらやむ「甲子園軍団」であり、人材の宝庫なのだ。毎年のようにプロ選手を輩出していることからも、それは裏付けられよう。補強には専門のGMを置き、それこそ國學院あたりよりはるかに多くの逸材が入学している。それで成績が出せないというのは、どういうことなのだろうか。
人材というなら、最悪の話がある。たとえば現在2年生の湯本五十六投手(藤代)だ。彼の甲子園での快投を覚えておられるファンの方も多いと思う。高校野球狂の神奈川のH君など「彼は専修に行ったんですか! それは大きな戦力になることでしょう。スタミナもあるし、必ず先発の軸になりますよ!」と絶賛するほどだった。事実、湯本は入学した春のリーグ戦で快刀乱麻のリリーフエースぶりを見せてくれた。加えて、同期の山田章裕投手(佐久長聖)は昨秋の2部優勝の立役者・最優秀投手である。その2人が今年どうなったか。湯本――対東洋2回戦で5回2/3を投げて四死球6・自責点2。対青山2回戦では2回で四死球3・自責点3。対亜大3回戦では1/3回しか持たずに四死球3・自責点3。山田――対東洋4回戦で5回2/3を投げ四死球3・自責点2。 対亜大3回戦では2回2/3で四死球4・自責点3。とりわけこの対亜大3回戦は4投手で15四死球(15安打されたのも同じ。ちなみに「本物」の被安打は8。計23!)というとんでもない乱調ぶりで、スコアにして1−10という「公開処刑」とも言うべき屈辱的大敗だった。
そんなこともあり、結局シーズンを終えて、チームは平均得点3.57(長谷川・松本が抜けて懸念された打線だが、1部でこの数字は悪くない。完封負けは1つもなし。ちなみに優勝した東洋でも3.33だ)に対して、チーム防御率は4.9! 東洋の1.98と比較するまでもなく投壊ぶりは明らかであり、これでは勝てと言う方が無理というものだろう。
湯本も山田も、甲子園の星とも言うべき投手だった。それがどうして、こんな月並みな投手に成り下がってしまったのか。打たれるのは、まだ仕方ない。問題は四死球を連発して自滅していくことだ。だからストライクを置こうとしてまた打たれる。悪循環だ。いや彼らだけではない。今年ケガから復帰し、佐藤元基(山梨学院大附)や三浦雄己(東邦)、あるいは長谷川俊(高陽東)を差し置いてエースに抜擢された土本恭平(土岐商)も、完投はできるがコントロールは悪い。リリーフに抜擢されることの多かった橋本裕貴(専大玉名)はもっと悪い。さらに彼らは登板できるだけまだましで、専大では上級生になればなるほど成績が悪くなったり、登板機会を失う投手が毎年のように出ている。去年の西村(現・王子製紙)や阿部もそうだし、その前の深沢や田中もそうだ。最後までエースを張り通した投手となれば、02年の江草(現・阪神)・加納(現・松下電器)まで遡らなくてはならない(ただし、この時はまだ堀田前監督時代だった)。大学に入って厳しい練習を積み、コントロールが良くなるならわかるが、どうしてこうも揃いも揃って悪くなるのか。専大野球部はもはや投手の墓場と言うしかなく、その責任は挙げて依田投手コーチにある。監督以上に、退任すべき人物であると思う。
そんなわけで監督解任・続投様々な意見がネット上では出されていたが、それも一応収束しかかった先日、野球部若手OBとおぼしき人物から、こんな書き込みがあった。専大の野球部には旧態依然たる不文律があり、合宿所では下級生は上級生の衣類の洗濯をしたり、さまざまな雑用をこなさなければならず、たとえば洗濯物のたたみ方が悪い、決められた一人称を使わない等の理由にならない理由で殴られることすらあるというのである。それに対してこれもOBとおぼしき人物から確かにきつかった、自分の時は霜が降りたグラウンドに正座させられ膝を痛めた選手が出た、などといった書き込みが寄せられた。裏を取ったわけではないが、もしこれが本当なら(あくまで「本当なら」)「あきれた」の一言である。もちろん組織である以上先輩−後輩の礼儀は必要だし、下級生である以上そんな中での修行も必要だ。あの斉藤佑樹だって、起こし番や風呂掃除をやっている。だが早稲田の場合、それは誰かがやらねばならない当然の職務分掌であり、それを1年生の中で平等に、交代でやっているだけの話だ。専修のいじめ同然の嫌がらせや私用押し付け、無意味なルールを守らせること等とは訳が違う。
昭和だか大正だか知らないが、そんな前世紀の狂気じみた不文律が踏襲されているなら、そんなチームが強くなるわけがない。そんなことを知ったなら、有望な選手が入部するわけがない。チームワークが取れるわけがない(専大のスタンドにいる2軍選手の応援の仕方が良くないということがよく掲示板上で指摘されるが、それも納得である。日ごろ自分たちに嫌がらせをしている上級生の応援など、下級生が本気でするわけがないではないか)。第一これは、憲法はもとより、きわめて重大な学則違反だ。学則第1条に示された「旧い権威や強力に対してあくまで批判的であることを精神とし、人間の値打ちを尊重する平和的な良心と民主的な訓練を身につけた若い日本人を創造すること」に、真っ向から反しているではないか。
だがこれも、断じて監督の責任だ。監督がチーム作りの責任者・管理者である以上、こんな事態を知らなかったとしたら監督不行き届きになるし、知っていて改めようとしないのであれば、するべき仕事をしていないことになるからだ。いや監督自身OBとして、そうした不文律のもと、古典的体育会名物の「1年奴隷、2年雑用、3年人間、4年神様」という序列を潜り抜け、「それで当然」と思っているのかもしれないが。
もはやこうなれば、断じて監督を変えるしかない。その際にはOBにこだわらず、かつて法政のラグビー部を根本から立て直した武村監督のような、正に「技術的のみならず人間的にも選手を育てること」のできる人物を探さねばならない。もしもそれができないのなら、少なくともこんなナンセンスな不文律が改まらないのなら、私は野球という競技を心から愛する者として、あえてこう言わねばならないだろう。
「高校球児諸君、専大野球部には行くな」
専修のみならず、将来の日本球界の、野球日本代表の宝をつぶされるようなことは、絶対に看過できないからである。
関連記事:
http://green.ap.teacup.com/applet/ikuta/20060303/archive
東都
専修
投稿者: 生田正博
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2007/6/23
「【サッカー】三ツ沢薄暮」
サッカー
17時試合開始。この時間を中途半端だと思う方もおられるかもしれないが、この時期の夕方は何とも言えないものがある。個人的には晴れた日の夕方というのはもっとも好きな時間帯だ。できれば山あいの温泉地で露天風呂などに浸かりながらか、どこか南の島のビーチで夕焼けを眺めたいものである。日本のスタジアムでこの時間帯がもっとも美しいのは、間違いなく山形県営NDスタジアムだろう。バックスタンドのすぐ後ろに山が迫り、その上空がオレンジ色に変わって行く様は、つい試合を忘れて見とれてしまいそうになる。
あるいは晴れた日の夕方は、ちょうど去年の今頃開かれたドイツでのW杯を思い出させる。もっともドイツでは、夕焼けなど夜の9時を過ぎないと見れないのだが。あの灼熱の太陽が照らすゲルゼンキルヘンのスタジアムは、一生忘れることはないだろう。
さて、山形もドイツもいいのだが、三ツ沢公園もまあまあだ。この時期金がなくて遠出できないというのはあるが、やはりホームゲームは見逃すわけにはいかない。しかも今日の相手は同期にJ1に昇格した柏レイソルである。もっとも向こうは古豪・日立製作所の流れを汲む超名門だから「同期」というのはあまりにもおこがましいのだが、それにしても負けるわけにはいかない。
ところが試合は、前半で決まってしまった。現在のフリエのサッカーは、選手がボックスを作って守り、攻める。ボールを持った相手をボックスで囲み、ボールを奪うとそのボックス内ですばやくパス交換して、そこに次の選手が新たなボックスを作るようにからみ、攻め込んで行くサッカーだ。高木監督が現役時代、代表監督のオフトがやろうとして完成できなかったサッカー――あの時はトライアングルまではできたがボックスには至らなかった――と言えるかもしれない。ちょっとフリューゲルス時代の加茂監督のゾーンプレスに似ているが、複数の選手が寄っていく加茂プレスではなく、個々の強さが要求される。それをベテラン小村からユース代表のスター候補生・太田までがきっちりこなすことによって「ハマナチオ」と呼ばれる強固な守備が出来上がったのだ。去年はこの「負けないサッカー」でJ2を勝ち抜き、見事J1に昇格したのである。
一方の柏は、JSL末期はイングランド・スタイルのチームだったが、カレッカのいたJ加盟当時はブラジル式のポゼッション・フットボールを展開していた。しかし今や、速いパスをつなぐ、完全な欧州型のチームになっている。この揺さぶり攻撃が、ハマナチオをぶち破った。
ボックスで攻めるフリエは、当然守備にも攻撃にもそれなりの人数を裂くため、運動量が要求される。だが攻撃で前がかりになると、ボックス攻撃に人数を取られるため、当然守備が手薄になるのは必定だ。柏は、そこを突いたのである。早いパスで左右にゆさぶり、そうかと思うと一気に縦へ。アタッカンテはオフサイドぎりぎりの位置に構え、同時に3人、多い時は4人が攻め上がる。フリエの選手は戻りきれない。極端に人がいなくなることはないのだが、ボックスで数的優位を作れなければ、ハマナチオは機能しない。かくして前半38分にサイドから崩されて、若き帰化選手李忠成に叩き込まれた。そして反撃の態勢を整える間もなく、43分に佐藤由紀彦に、44分に再び李に決められた。3点すべてレフトからのクロスだった。
後半、高木監督に言わせれば「崖っぷちで行くしかない状況になって、息を吹き返した」。太陽が沈んだ三ツ沢の丘で、太陽軍団相手に攻めまくる。13分、今度は逆にフリエがレフトからのクロスに山田が飛び込んだ! ゴール! さらに38分、またもレフトからのクロスに難波! 高い打点のヘッドが炸裂した。2−3、あと1点、いやあと2点! 沸き返るゴール裏――。
だが、そこまでだった。後半37分に李に代わって入ったドゥンビアの動きが嫌らしい。再三オフサイドをとられるものの、アフリカ人らしい長い手足と身体能力、そしてスピードを生かし、前線で盛んに動き回っている。そして42分、フリエの守備ラインの裏へ出たボールを、この褐色のハンターは見逃さなかった。トップスピードで追いつき、GK菅野の飛び出しをいなしてゴール! 2−4! フリエに残された時間は、もはやロスタイムだけだった。
またしても敗戦。そしてまたしても最下位。「勝つために、ここに来た」はずが、いっこうに勝てない。某大学リーグの某チームを思わせる戦いぶりだが、それでも大分と千葉も敗れたため、降格脱出圏には相変わらず2ゲーム差ではある。しかも次節はその千葉とホームで対戦。まだまだシーズンはこれからである。
私の大好きな夏の夕方、試合内容自体は面白かったし、ビールもうまかった。暑い季節をさらに熱くするため、次節は前期最後の勝利を期待したいものだ。
J
横浜FC
投稿者: 生田正博
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2007/6/19
「【大学野球】早稲田、全国制覇」
野球
関連記事:
http://green.ap.teacup.com/applet/ikuta/20070525/archive
神奈川の高校野球ファンのH君は、最近大学野球に興味を持ち出したらしい。原因はやはり斉藤である。もっとも現役選手であり、野球に造詣が深い彼のこと、そのへんのミーハーとはわけが違う。私もそうだが斉藤の能力や技術、あるいはクレヴァーな投球術を買っているのだ。そして去年の甲子園以来、早稲田を応援している。
「今日は午後休んで、大学選手権の早稲田大対九州国際大を見に行きました。結果は2−1で早稲田の勝利。正直1回を見ただけで早稲田の勝利は確信しました。先発の松下が制球、キレ共に素晴らしく、相手の打者は当てるのが精一杯でした。しかし、それに対して早大打線が打てなかったです。九州の投手陣はあまり制球がよくなく、球速も130km/h台なのに打ちあぐねる事が多く、早稲田らしくない感じでした。カギは1番上本で、彼が出塁した時は必ずチャンスにつながり、出ないとチャンスは作れませんでした。得点の2点は共に上本が先頭で出塁したのがきっかけです。
好投の松下は6回まで1安打。7回から疲れでヒットや四球で出塁を許しますが、ゲッツー等で切り抜け、2塁は踏ませませんでした。9回にヒット、死球で1死12塁で斎藤がウォーミングアップ開始。打者加藤はライトへ大きいライナーで、2走タッチアップで2死13塁。ここで斎藤が大歓声と共にマウンドへ。打者松山は2球連続ストライク後の球を打ち、打球はレフトフェンス直撃。3塁ランナー楽々生還、1塁ランナーも3塁を回り、ヘッドスライディングでホームへ。しかし、ナイス返球でタッチアウト。この回は、あのピンチで斉藤に投げさせるよりは、松下に疲れが見えていたので、頭から斉藤で行くべきでした。特に4連戦になるトーナメント戦では無理に完封させる必要はないので、個人的には球数から考えて、7回で代えて8回1イニング、9回1イニングと、計3人投げさせても良かったかとも思います。これはトーナメント戦の舞台に投手を慣れさせることにもなります。また、2球続いたストライクの後に、さらにストライクを投げさせた細山田のリードには疑問。明らかに外すことが必要だった場面と考えます。
最初は早稲田のコールド勝ちもあるかもしれないと思いましたが、甘くは無かったです。逆に非常にヒヤヒヤしたゲームでしたが、それにしても内容は点差以上に早稲田が圧勝でした。打線が気になりますが、決勝に進むだけの力はあるでしょう。特に須田を温存しての勝利。また次からはホーム神宮ですから、早稲田が有利になります。
それにしても電光掲示板の表記がW対K。応援団も『Kには負けられない!』としきりに言っていました。非常に面白かったです。今後の躍進を期待します」
この詳細なレポートからも、彼がいかに大学野球に関心を持ち始めたかがわかる。私は、こんな人が増えれば、それだけでスポーツは成功だと思う。特に今年で56回を数えるこのインカレ、これだけ野球が盛んな世界最強の国で、今まであまりにも注目されずに来たのではないか。すでに20年見ている私からすれば、面白い試合も多々あるのに人気がないなんて「もったいない」の一言だ。関係者は、もっと斉藤に感謝した方がいい。
さて、その斉藤、準決勝の対創価戦には先発で出場した。例によって学生席の6ブロックを埋め尽くす創価の大応援団。口の悪い友人が「軍歌のようだ」と憎まれ口を叩く独特の学生歌。斉藤はそれでも「曲名は知らないが、ノリのいい曲があった」と、敵の声援を逆に自分のものにしてしまった。この、大舞台にも動じないハートの強さこそが、斉藤の強みだ。結果は、初回に先制されるも、すぐにその裏に追いつき、さらに打者11人を送る猛攻で6点をあげた早稲田の圧勝。斎藤は2回以降無安打に抑え、松下、須田の継投で創価を「スミ1」に抑え、結局10点を奪って5年ぶりに決勝進出を決めた。斉藤はそれでも初回の1失点を「コントロールミス」と課題に挙げるなど、あくまで前向きな姿勢を崩さない。
「決勝は東海対早稲田になりましたね。個人的には東海には、市川、岩崎、高山等、東海大相模出身者が数多くいるので、気分は複雑です」
と、神奈川の高校野球ファンのH君は言う。なるほど、確かに相模と言えば神奈川の星である。今まで甲子園で神奈川の代表を応援し続けてきたH君にしてみれば複雑な心境だろう。
「ただそんな東海に珍しく横浜高校出身者がいます。今日も一番を打った荒波翔です。一年の夏の大会からあの横浜のセンターでレギュラーとして出続けていました。ロッテの成瀬と同期です。早稲田の上本も良いですが、荒波もかなり足が速く、打撃も良い。
その荒波がなぜ東海大なのか。横浜と相模は神奈川の永遠のライバルで、その相手校の系列大学であり、相模の選手が多い中にわざわざなぜ入ったのか。高校時代あの縦縞のユニフォームをライバル視していたと思ったのですが。謎が多いのですが、その心意気が個人的には益々気に入りました。明日はぜひ注目して見てください。
それにしても、木曜に150球も投げた松下をなぜ準決勝で登板させ、3イニングも投げさせたのか。しかも須田まで。斎藤の後、あの点差ではは松下、須田は温存で他の投手をつぎ込むべき。申し訳ないですが、4連戦のトーナメントを勝ち抜く起用ではないですね」
H君の指摘通り、松下・須田は温存しておくべきだったと、私も思う。トーナメントでは、肉体以上に、精神が消耗すると言われる。特に決勝の先発が予想された須田は、休ませておくべきではなかったか。だが一方東海も、頼りになる投手は小松崎1枚。しかも早稲田の打線は、この大会に入ってさらに爆発力を増している。早稲田が連投の小松崎を打ち込むのは、はっきり言って時間の問題だった。だから決勝の見所は、荒波を始めとした東海打線が早稲田の投手をいかに打ち崩し、打撃戦に持ち込めるかにあったのである。
蓋を開けてみると、結局は予想通り、早稲田打線の勝ちであった。初回に1死1・3塁から4番田中がレフトへ犠牲フライと、絵に描いたような先制点。4回には5番小野塚のセンターオーバーの2ランホームランと、勝負は序盤で決まったのである。東海も6回に2死1・2塁から市川が三遊間を破り1点を返し、連投の斉藤を引きずりおろしたまでは良かったが、この後にはこの大会に入って調子を上げた松下が控えていた。彼は後続を断ち切ると、後は楽々とセーブ達成。7回に1点を追加した早稲田が、33年ぶりの日本一を達成した。
結局、準決勝の松下・須田の登板は、好調を維持させるための「慣らし」だったのかもしれない。応武監督の真意はわからないが、短期決戦ではそういう野球もありうるだろう。はっきりいえることは、はっきりいえることは、早稲田というチームは、まるで甲子園の高校球児のように、全国大会の大舞台で最後まで成長を続けたということである。そして斉藤は学生JAPANへ。世界最強の日本野球は、また1つ逸材を手に入れたようだ。
早稲田
大学選手権
斉藤佑樹
投稿者: 生田正博
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2007/6/18
「お知らせ」
野球
野球の大学選手権を観戦してきました。
ゲームレポートは「オーマイニュース」をご覧ください。
なお明日、当サイトに於いても別のストーリーを掲載予定です。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070618/12242
投稿者: 生田正博
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2007/6/12
「【陸上競技】インカレ・熱い戦い」
スポーツ
土曜日から、気にはなっていた。
東都大学野球入替戦で神宮に行く途中に通る国立競技場。そこで開かれている第76回日本学生陸上競技対校選手権大会――。ボールゲームフリークの私は陸上にはさほど関心はない(というより、これ以上魂売り渡したら魂がなくなってしまう)(笑)のだが、何と言ってもインカレだ。日本学生の最高峰を決める戦いだ。いずれは見ておきたいものだ。
……てなことを考えていると、幸か不幸か日曜日の入替戦は2回降雨コールドゲーム。一気にヒマになった私は(本当はヒマでも何でもない。何と言っても実習中であり、教材研究をしなければならない。しかしそんなことは、スタジアムの前ではもはや別世界の話である)迷うことなく観戦を決めた。チケットは、わずか1000円――。
陸上競技大会を本格的に観戦するのは、オリンピックシドニー大会、TOTOスーパー陸上に続いて3回目である。その私が言うのもおこがましいが、生観戦したことのない方のために説明すると、大会は巨大な運動会のようなものだと思えばわかりやすいだろう。トラックとフィールドでそれぞれ競技が進行し、観客は自分が興味のある競技に注目すればいいのである。またトラック種目の合間にも走り高跳びや槍投げが進行してたりするので、決して退屈することはない。加えて一息つきたくなったら、ショップを見て回ればいいのである。またプログラムは「番組」と呼ばれ、決勝レーススタート前にはファンファーレが鳴るなど、どことなく競馬場のような雰囲気もある。もっとも、賭けなどご法度であることは言うまでもないが。
そんな陸上競技会だが、さすがはインカレ、迫力ある競技の連続で、私はすっかりのめりこんでしまった。これで1000円は、安すぎる。
たとえば、男子走り高跳び。ハイジャンプはいつ見ても面白い。選手がバーをクリアできるかどうか、その一瞬に力が入ってしまう。最後は筑波勢同士の同門対決となり、2m16を跳んだ土屋が試技数の関係で優勝した。
あるいは男子5000m。スタート当初は中央の上野や第一工大のムタイが激しいデッドヒートを繰り広げていたが、その間ずっと先頭集団後方につけていた早稲田の竹沢が、最後のスパートで一気に前に出て優勝した。竹沢は箱根でも活躍し、注目された選手。この駆け引きに勝つとはさすがだ。
そして、男子400*4リレー。3送まで下位に沈んでいた法政が、アンカーの金丸が一気にぶっ飛ばし逆転優勝。最高のレースだった。
最後に残った競技は女子走り幅跳びである。トラックも投擲もすべて片付けられた後、最後まで熱い競り合いが繰り広げられたが、優勝した中京の早川杏沙の5m97のダイナミックなジャンプが見れたのは幸運だった。
何も道具を使わず、人間の肉体だけで、ただ早さや高さや距離を勝負するだけの、この上なくシンプルな競技。だがシンプルだからこそ、面白い。この競技は、もっと注目されていい。加えて女子の総合優勝が、国立の福島大学だったことも付け加えよう。いい指導者の下にいい選手が集まり、いい練習をした結果だろうが、金に物を言わせた強化とも、学業を無視したスポーツ馬鹿とも無縁の地方国立大学の優勝に、この上ないさわやかさを感じるのは、私だけではないだろう。
PS:入替戦については、書くことは何一つない。一つだけ書くとすれば「専修の長谷高・依田指導部は即刻退陣せよ!」の一言である。
陸上
学生
投稿者: 生田正博
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