ほぞでもって家具をカタチ作っても、ネジでもって家具をカタチ作っても、どちらも一見すると同じようなカタチを作ることができます。実際のところ、強度的にはどちらが強いか?コレに関しては、僕はケースバイケースだと思いますが、一般的には「ほぞ組み」の方が優れていると言われています。
ここで、「優れている」という表現を使ったのはちょっとワケがあります。ほぞ組みのほうが強度が「強い」といってしまうと、若干の語弊があるので、あえて「優れている」と言うわけです。
ここでは、「ほぞ組み」は、しっかりとした精度、強度のある仕口加工がなされている事が前提であり、「ネジどめ」に関しては、適正な本数、適正な種類、サイズのネジが使用されている〜という前提のお話です。
「ほぞ組み」「ネジどめ」で似たような形の2つの家具を作ったとしまして、ぶっちゃけて言うなら、その完成した状況では、どちらも必要にして十分な強度を持っていると思います。ほぞだから使い勝手が良い。ネジだから弱い。そんなことは無いでしょう。
では、なぜ「ほぞ組み」がネジより優れていると言われるのでしょうか?
ここからは、僕の推察になりますが、僕なりの考えを述べてみたいと思います。
ネジが木工の構造としてほぞに劣るという考え。それは「金属が木という自然素材と相性が悪い」という考えがバックボーンにあるからでしょう。金属には、確かに木とは相性が悪いと思える特質があります。
その1、金属は錆びる
金属は錆びます。家具の形を作るためのネジが錆びてしまえば、ネジどめによる強度は失われてしまいます。また、金属の錆びと、木は相性が悪く、錆びたネジと接した木部は他の部分より早く腐食が進むと言われます。
その2、金属は木の動きに対応しない
木で作られたモノは、外部の環境変化によって、膨張、収縮をします。ネジ締めで固定したパーツが、乾燥によって収縮してしまうと、パーツと締まっていたネジの間に隙間ができ、保持力が弱くなってしまいます。
家屋などの土台を基礎コンクリートにボルト固定する場合などは、ボルトと土台の木部の間にバネの機能をもった座金を噛ませますね。これは、土台の木が収縮した場合でもバネのある座金によって、ボルトの締め付けを有効にするためです。
その3、ネジによる固定は内部応力が局部的にかかる
家具に対して、外部から力がかかるもの。特にイスなどはそういう使われ方をしますね。全てが木で構成されるほぞ組みでは、外部から力がかかった時に、それぞれのほぞが、適度に外部応力を分散すると言われます。逆にネジでは、各接合部をカチカチに固定してしまう構造のために、局部的にかかる外部応力を、一箇所の接合で受けてしまい、かえって破損しやすいと言われます。
以上のような特徴を考えてみると、構造の性能としては「ほぞ組みの方が優れている」と言うわけです。なるほど…
では、ネジはやはり効率的、大量生産、大量消費なモノ作りにしか利点が見出せないものなのでしょうか?ネジはやはりマジメ(?)な木工からは鼻つまみモノになってしまうのでしょうか?
このあたりをもう少し考えてみたいと思います。次回に続きます。