先日、ホームセンターの塗料売り場をうろうろしていた時、ちょうど学校祭の準備中と思われる高校生達が、塗料売り場であれやこれやと言い合っているのを目にしました。多分、看板作りとかで使う塗料を探しにきたんでしょうね。どの塗料を買うかについて迷っているようでした。
ちなみに、この時の迷いの種は、多種多様に揃った着色塗料のどれを選ぶか。とりわけ、ラベルに書かれた「油性」と「水性」の違いに、どちらを選ぶか迷っているようでした。
結局、彼らは「油性」の製品を選んでいきました。屋外の展示物に使うんでしょう。(別に聞き耳立てていたわけではありませんが)外で使うと、水性じゃあ溶けちゃうんじゃあないか〜的な意見が決め手になったようです。
…
……
………あ…
結局、声をかけるコトはしなかったんですが…(気が弱い自分)多分、彼らの用途なら「水性」の塗料(ペンキ)を選ぶのが正解だったのではないかと思います。
ワケは後でお話しますが、この「油性」「水性」という塗料の分類方法は、塗装業界の人間の常識と、一般人の持っている「油性」「水性」に対するイメージに、大きな違いがあります。それが、このような選ぶ塗料の間違い(まあ、間違いとまでは行かないかも…ですが)につながっているような気がします。僕も、ちょっと前まではこの高校生と似たりよったりだったので言える事なんですが。
この高校生(もとい、一般人)にとって、油性、水性の「違い」というのは、主にサインペンの分類によったモノだと思います。つまりどういうものかと言うと
油性ペン…耐水性があって、プラスチックなど何にでも書けるちょっとやそっとじゃ消えない塗料。
水性ペン…水に濡れるとにじんでしまい、紙以外には書くことができない。ちょっと拭いたらすぐ消える塗料。
こんな感じ。なぜなら、油性、水性の分類でこれが1番身近なものだから。
対して、塗料メーカーや塗装専門家達の「水性」「油性」の分類というのは
油性塗料…塗料の溶剤に有機溶剤を使ったもの。この有機溶の種類というと一昔前ですとトルエンやキシレンなどが一般的でした(今はかなり変わってきています)。人体・環境への悪影響、引火性の高さなどの問題点があります。反面、塗装時に外部の影響を受けづらく乾燥が早く、また作業性が良いので、油性塗料は一般的な物だった。
水性塗料…塗料の溶剤は「水」または「アルコール」を使ったもの。水やアルコールは人体や環境への害になる刺激物を含まないので、昨今では、塗料の水性化が進んでいる。この塗料は溶剤が「水」「アルコール」ではあるものの、塗膜の成分がアクリル樹脂やウレタン樹脂であれば、乾燥後には屋外仕様にも十分に耐える性能を持っている(水性塗料も乾燥後は水に溶けるわけではない)。
とまあ、大雑把に言うとこんな感じです。他にも言うなら、水性塗料はハケなどの塗装道具の手入れや、塗料の希釈も水で行うことができますので、扱いは簡単です。油性塗料の場合ですと、シンナーや専用のペイント薄め液が必要になります(これらは毒性の強い物も含みます)。
素人である一般人が作業するなら、使い勝手の面でも、健康面においてもおススメできるのは「水性」の塗料という事になります。
塗料の性質に関する但し書きには、「油性塗料に比べ、水性塗料の方が耐水性に劣る〜」と記述されている場合もあります。が、それは極めてハイレベルな比較の話であって、日常使い。ましてや、数日の展示物のようなものであれば無視して良いレベルでしょう。屋外使用「可」と書かれた製品ならまず問題ありません。
塗料メーカーやホームセンターの売り場の人も、こういうことをもっとちゃんと伝えてほしいものです。きっと彼らにとっては「油性」「水性」の差というのは常識なんで、一般人もそんなの知ってるだろ。と考えてしまってるんでしょうね…これこそが専門家と一般人の間のギャップなのですが…
ちなみに、僕がモノ作りに使っている塗料は水性のウレタン塗料です。顔を近づけても刺激臭はありません。