2008/2/15
ホゾの考察と言いながら、厳密にはちょっと普通のホゾじゃ有りません。
でも、木組みなんでとりあえず「ホゾ」でひとくくりの話にしちゃいます…
僕の工房では木のおもちゃを作っていて、小さいながら木組みを主体にモノ作りをしています。
ただ、家具作りみたいに四角いホゾでホゾを組む〜っていうのはあまり無く
基本は丸ホゾ。穴あけはドリルでグリリっとあければすむし、使用する材料も
丸棒を基本としているので、作業の効率化という面でも丸ホゾが多用されます。
最近、数モノ製作をしていたとき、組み立て中に締めこみすぎて
ホゾ穴側が真っ二つに割れちゃった事があったんです。
もう、まさにホゾ穴の断面図という感じで、偶然の産物ではあったんですけど
ホゾがどんな感じにホゾ穴の中に入ってるかをその時に見れたわけです。
で、ちょっと唖然…
僕はホゾを打ち込むとき、基本的に穴の方(メス側)にしっかりボンドを塗ってホゾの方(オス側)にはほとんどボンドは塗りません。
これは、組んで締め付けたときにボンドがはみ出して後処理に手間取るから。
それに、ホゾの方にボンドを塗った所で、ホゾ穴に打ち込んだときには
穴のヘリでボンドがこそげ取られて、ホゾ穴の中には浸透しないからなんです。
ホゾには入り面(カドの面取り)をしっかりとっているので穴側にボンドをしっかり塗っておけば、後はホゾを打ち込んだときに、ホゾのまわりにもボンドが回り込む…という算段なワケです。
…そう思っていたんですが… 唖然!!
その割れたホゾ穴を見てみたら、ホゾ穴に塗ってあったボンドは
打ち込まれたホゾでこそげとられて、全部ホゾ穴の底にたまっていたんです。
入り面によって、ボンドはホゾの周りに流れ込んでいる…と思っていたのですが、
実際には「全く」と言っていいほどホゾの周りにボンドは流れていなかったんです。
もちろん、ボンドはホゾ穴の底にたまっているだけですから、
ホゾとホゾ穴のお互いの部材は全然接着されていませんでした。
これじゃあ接着剤を入れている意味無いじゃん…
ちなみに、このホゾは締まり代が効いているのですぐ簡単に抜ける事はありません。
ですが…これは問題です…!
しかし、今回の事例。理論的に考えればこうなるのが当然なんですよね…
ホゾ穴よりも大きなホゾを締め込むように打ち込んで…
その密着しているホゾの周りに十分に接着剤が回り込む…そんなワケがない!!
特に今回はまんまるの丸ホゾだったから事態が顕著だったんです。
コレが四角いホゾであれば、せめて「はめ合い」方向には多少ボンドが回ったんだと思います(こっちはきつくしないから)。
でも、今回はまんまるの丸ホゾ。ヨコもタテもぜ〜んぶきつきつです。
だから、ボンドは全部ホゾ穴の底にこそげ落とされちゃったんです。
ココで考える選択肢2択…
1、締まり代がしっかりとってあるからこのままで問題無し。むしろボンド塗っても意味無いから、今後はボンド塗らない。
2、ホゾの1部にボンドがまわりこめるような「逃げ」の部分を作ってホゾ周りにボンドが残るように加工する。
このどちらかです。
1、はダメですね…
木は収縮する!が僕の持論です。「乾燥、加湿で木は膨張、収縮する」というのが木工の常識ですが、長い長いスパンで見たとき…木はどんどん収縮するんです。
だから締まり代頼みだけじゃあダメなんです。
(これは僕の経験測なんですがね…)
そんなワケで…2の方を採用です。
現在、僕の工房で丸穴に丸棒を打ち込んで組む箇所は部分的にこのような追加工を施しています。
右側の穴にはらせん状の掘り込みが入っています。
左側は穴をあけただけの物、右はボンドが入る「逃げ」を取るために
穴の中にらせん状に溝が切られています。
この方法に変えたところ、かなりのボンドはホゾ穴の底にこそげ落とされるものの
溝の部分にはちゃんとボンドが一定量残るようになりました。
この穴は、ホゾ…直径8ミリ強(8.1〜8.2)ホゾ穴…直径7.8ミリで、溝を切るために1度M8のボルトを穴にねじ込んでいます。
ボンドの接着力はかなり強力です。時には木の繊維の結合力以上に木材と木材を接着してしまいます。この便利な性質を使わない手はありません。
ホゾ組み…
木工の中ではもっとも強度のある接合方法と言われています。
また、このホゾ組みに接着剤を併用するのは家具作りの基本です。
でも、やり方によって接着剤を生かす事ができていない場合がありました。
基本、常識というものにとらわれず、時には自分なりに検証する必要があるナ…
と今回の事で反省しきりのまえのでした…
(よく考えると、ビスケットやきっちりタイトにはまると言われるフェスツールのドミノチップもボンドの「逃げ」が考えられていますもんね…実物は見たこと無いけど)
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