「Joy Life Worksの塗装について(3)…塗装の誤解」
塗装あれこれ
僕が考える木工の塗装方法というのは、あくまで実際に得られる塗装面の機能が大事になると考えています。
そんなの当たり前じゃないか!
というツッコミが聞こえてきそうですが…オイル塗装、ウレタン塗装、漆塗装…木工の塗装方法は様々。ですが、その塗装方法ごとの特徴、イメージはかなり脚色された物、イメージ先行した物になっているのではないか?というのが僕の実感。
例えば、(毎度毎度同じ例で申し訳ありませんが)オイルフィニッシュは、安全で健康的な塗装方法。対して、ウレタン塗装はシックハウスの原因になる塗装方法。というような論調。これは、オイル、ウレタンに対する正当な評価としては誤った物だと思います。
最近は、ここまではっきりと言う表現は減ったように思いますが、しかし、この塗装に対するイメージ(ウレタン、オイルに対するイメージ)は既に確実に消費者の中には出来上がりつつあります。
もう1つ、僕が感じる塗装の誤解。
「塗膜のあるツヤ出し仕上げは木の質感を殺す。塗膜性のウレタン塗装は木の質感を殺してしまう塗装である。」という論調。
これは、僕自身もこれまでの自分のモノ作りの中で言って来たことなので、お恥ずかしいのですが…今現在、僕はこの評価は「間違っているのではないか」と考えています。この塗装評価に関しては、それを言う人間の求める「木の質感」というのがどのような物を指しているかによって意見は分かれる所だと思うのですが、塗膜性のウレタン塗装は木の質感を殺す。これは違うんじゃない?と思っています。
そして、さらにもう1つの塗装に関する誤解と疑問。
「オイル塗装とウレタン塗装の違いとはなんぞや?」
オイル塗装とウレタン塗装の間の、本当に曖昧な境界線への疑問。
ぶっちゃけて言うなら、ウレタン添加オイルはどっちやねん?て話。ちなみにオイルも塗装メーカーによっては植物性オイル成分一切無し。塗装面を構成する主成分はウレタン〜なんていうオイルもあるんですよ。じゃあ、このウレタンオイルを使った塗装はオイル塗装なの?ウレタン塗装なの?わけわからんちんです。
この「ウレタン添加オイル」という物、塗装方法として「邪道」という物ではなく、むしろ、優れた物なのですが、こうやってウレタン塗装とか、オイル塗装とか、より健康的な塗装〜とかいったごちゃごちゃしたイメージによって塗装を考えていきますと、どうしても頭が混乱してきてしまいます。
しかも、さらに「ウレタン塗装は体に悪いなんて、イメージ先行のウソだよ。」なんて言われてしまった日には、じゃあ、消費者は何を基準に木工品の塗装を選べば良いのさ!!って話になってしまいます。
でも、厳然として「ウレタン塗装の仕上がり」と「オイル塗装の仕上がり」というのには大きく差があるのでご安心下さい。選ぶ尺度ははっきりとしていると僕は思います。
ただ、これまでの塗装に関する「イメージ」が邪魔をすると、正確な判断がにぶるのではないか?というのが僕の言いたかったことです。
Joy Life Worksの塗装を考えるというのが今回のメインテーマなのですが、
「健康面に配慮した塗装を考える。」
ということを大前提に置いた上で、塗装方法を選択するポイントは次に集約されるのではないか?と思います。
1、木地の質感をよりいっそう残した、浸透性塗料を使ったオープンポアフィニッシュ
2、木地の上に塗膜を作る塗料を使い、よりいっそう木の表情を引き出し、さらに浸透性塗料より上の塗装強度を得る塗膜性塗料の仕上げ
この塗装方法の分類は、塗料の種類に視点を置くのではなく、あくまで、得られる木の質感・塗装の特性(浸透性or塗膜性)・木部の保護性能といった、「塗装の機能、性能」に着眼点を置いています。そこには、上で説明したような「イメージ」は判断の基準にはしません。
しかし、この話を進めていく上でまず先にウレタン塗装、オイル塗装に関する「誤解」というのを理解する必要があるので、次項でウレタン塗装、オイル塗装の解説をしたいと思います。
続く…
※…早くも話題がウレタン・オイルに集中してきていますが…あくまで当工房で作業する上での選択肢という、限られたテーマの中での塗装手段の検討ということで、その点ご容赦下さい。もっとも一般的な塗装方法としてこの2つを中心に話を進めさせていただきます。漆や他の着色仕上げ〜などは話の筋で少しづつ話題にしたいと思います。