この記事は4月27日記事 「キッシンジャー来日」と前記事「日中関係改善のきざし その2」をもとに考察を加えたものです
ポスト小泉が取り組まなければならない宿命的な課題は
1 米国の凋落に対する対応
2 中長期的な日本自立への道筋
が挙げられます
72年にキッシンジャー氏 日中国交正常化に不快感 米極秘文書
「ジャップは信頼できぬ」
【ワシントン=有元隆志】一九七二年の日本と中国の国交正常化をめぐり、当時、ニクソン米政権の大統領補佐官だったキッシンジャー氏が、政権内の会合で不快感を示していたことが二十六日、米民間シンクタンク「ナショナル・セキュリティー・アーカイブ」(NSA)が情報公開法に基づき入手したホワイトハウスの極秘文書で明らかになった。
「あらゆる信頼できない者の中でも、ジャップ(日本人の卑称)が他に抜きんでている」。キッシンジャー氏は七二年八月三十一日、滞在中のハワイ・オアフ島のホテルで行われた会合の席上、日中国交正常化交渉について、こう発言。さらに「彼らは中国との国交正常化を急ぐだけでなく、国慶節(十月一日の中国の建国記念の日)を選んだ」とも指摘した。
キッシンジャー氏は七二年二月に行われたニクソン大統領の中国訪問準備のため、七一年にひそかに訪中し、周恩来首相と会談するなど、米国の対中外交で主導的役割を果たしていた。
日本政府には事前に連絡せず、頭越しに交渉を進めたが、その日本政府がニクソン訪中からわずか七カ月後に、米国より先に国交を結ぶところまできていることに驚きを隠せなかったようだ。
実際には、日中共同声明が発表されたのは七二年九月二十九日。米国が中国と国交を樹立したのは七九年一月になってからだった。
キッシンジャー氏は「鶴見清彦外務審議官が私にひそかに会いたいと言ってきたが、会わないと伝えた」とも語り、日本政府への不信感をあらわにした。
同氏は「情報報告によると、中国人はその時(国慶節)には日本人どころか、いかなる外国人も招かなかったということだ」と述べ、中国側の対応にも意外感を抱いていることをうかがわせた。会合にはバンカー駐ベトナム大使らが同席した。キッシンジャー氏はこれだけ話すと「本題」であるベトナム情勢などに話題を移したという。
(産経新聞)
米国には親中勢力と反中勢力が存在します
ロックフェラーなどの財閥系は,中国を経済発展させて儲けることを画策しており,キッシンジャーは親中派の代表です.
一方でネオコンや軍産複合体は,軍事的緊張が自分たちのアイデンティティーであるために常に「大きな巨悪」を必要としており,
ソ連なき今はアラブのテロリストを,そしてその後は中国を巨悪として利用したい思惑があります
先の米中首脳会談の様子は,米国内における両勢力の思惑が如実に現れていました
http://green.ap.teacup.com/kyusiro/152.html
キッシンジャーは日本嫌いで有名です
現在のBush政権はキッシンジャー批判が強く,反中親日ですが,次の米国政権ではわかりません.
米中関係における日中関係のあり方は非常に難しく,日中があまりに親密になると,米国の疑心暗鬼を生んで田中角栄元総理の二の舞になります
米国を除け者として,日中間で利益を共有してしまうことに米国は潜在的な危険性を感じているのです
まず中国という国家と中国人達は何を考えているか探る必要があります
現代中国の最優先課題は
1台湾問題の解決
2共産党一党独裁の維持
3中華思想に基づくアジア覇権
4チベット問題
5国境問題
こんなところでしょうか.
やはり台湾問題が最優先課題であることに変化ありません
そう考えると日中問題と言うのは,日台問題であり,米中問題であり,日米問題なのです
基本的に日中間に大きな障壁はないのです
日中関係が悪いのは,
一時的に悪くなっているフリをする必要があるからです
沖縄の米軍基地は冷戦崩壊下においては,台湾を守るために存在しているようなものです.
その米軍が沖縄から撤退してGuam島へ再編されるのは世界規模の再編もありますが,一番の理由は沖縄が台湾と中国にあまりにも近いからです
軍事評論家の神浦氏がおもしろい例えをされています
旧ソ連が日本(首都圏)を攻める時、まず佐渡島を占領して基地を建設するというのは乱暴な想定であると述べられています
戦場にあまりに近い場所に基地を造っても,あっというまに制圧されてしまいます.
適切な距離が必要なのです.
沖縄が中台間の緊張ではなく,ソ連時代を含めた東アジアの安定に対する”重し”を期待されていたときは存在価値抜群でした.
北朝鮮問題が解決したら,沖縄の基地は全くの無用になってしまいます
沖縄からの米軍撤退は,そのような国際環境の変化が影響しているのです
日本政府は米軍撤退後の青写真を模索している段階です
小生の予想では自衛隊が基地を継続使用すると思われます
しかし,それ以前に日本が中台問題にどのようなスタンスを取るか定まっていないのです.
小泉総理は靖国参拝と中韓の突き放しで,独立的自衛権獲得を推進されていますが,中台問題に関する談話を聞いたことがありません.
あえて避けているのではないでしょうか?
(この問題は中国を激烈に刺激する)
長期的に見ると,ASEAN+3の通貨統合などのアジア共同体が確立していくと思われます.ちょうどEU統合のように・・・.
日本は60年前に軍事力で大東亜共栄圏を確立しようとしましたが,米国に横槍を入れられて頓挫しました
日米中関係とはとても微妙なのです
対応を誤ると,大東亜戦争や田中角栄元総理の二の舞になります
日中対立と日米同盟堅持を演出しつつ,通貨からゆるやかな統合を進めるというのが最近の潮流のようです
ポスト小泉の最優先課題です