この記事は前回のつづきです
NYを本拠にするユダヤ国際金融資本はゴールドマンサックスを除いて大きな損失を出しました
ここで疑問が湧きます
@ 財務長官のポールソンはNY金融資本の代弁者として政権入りしたのではないか?
A 多極化は、これら金融資本が資本の論理で儲けるために意図した(仮説)のに、実際は大損したことになり、矛盾が大きい
B ゴールドマンサックスだけ大儲けした意図は何か?
C 多極化のために自国の通貨と金融を壊滅させる必要があるのか?
詳説します
@ 財務長官のポールソンは元ゴールドマンサックスCEOです.Bush政権の前の財務長官はスノー氏でしたが、彼は米国財政の危険を認識して引締めを進言したためにクビになりました.当時はイラク戦争に邁進しており、米国の経済よりも戦争遂行に重点を置いていたのです.その後釜として就任したのがポールソンです.中国と話のできるNY金融界の大物でしたので、当初はNY金融界の代弁者としてBush政権と話のつけられる財界人という位置づけでした.田中宇氏はポールソンのことを多極化の真打登場と解説しました.しかし、実際は米国の財政は極度に悪化し、何よりもサブプライム問題に有効な手を打たず、当のNY国際金融資本に甚大な損害を出すのを容認しました.そして、ちゃっかり自分の会社(ゴールドマンサックス)だけは逆張りで大儲けしています.
つまり、彼はNYの金融界の代弁者ではないのです.あくまでもゴールドマンサックスの利益を追求しているのです.
A 最近の米国の凋落と消耗について田中宇氏は「Bush政権は隠れ多極主義者であり、わざと自滅的な行動をしている」「多極化は世界中で投資ができるようにするための資本の論理によって引き起こされている」と仮説を立てられていますが、サブプライム騒動を観察していると、この仮説に疑問符がつきます.NY国際金融資本は生き馬の目を抜く銭ゲバであり禿鷹です.彼らが「自分たちが大損しても多極化を推進する」と考えて行動することは120%ありません.そもそも投資を重視した「資本の論理」といいながら、自分たちが大損しているのでは本末転倒な話です.
つまり、Bush政権の行動とNY国際金融資本の意向は合致していません
B ゴールドマンサックスが大儲けしたのは、逆張りで空売りを仕掛けたからです.これは政権内にいて、重要な内部情報を知っているからできる荒業です.
要するに「インサイダー取引」なのです.本来なら国家反逆罪級の犯罪ですが、なぜか米国内ではそのような報道がなされていません.Bush政権ではなぜゴールドマンサックスだけが儲けることを容認したのか?
小生の仮説は、「Bush政権における強硬派(チェイニーなど)はNYユダヤ国際金融資本を分裂させ、ゴールドマンサックス系統を自分たちの味方につけた」というものです
ユダヤ人の世界は、シオニスト系と反シオニストの国際金融資本系の対立が存在します.別の用語ですと強硬派v.s.現実派となります.NY国際金融資本は現実派の牙城でした.強硬派の(初期の)Bush政権は現実派の牙城を崩すために、ゴールドマンサックスだけを抜擢したのでしょう.事実、ポールソンはチェイニーの言いなりになっています.その好例がBDA問題です.米国財務省がBDA(バンコデルタアジア)の資金移転を認めなかったために、北朝鮮問題は6か月間も停滞しました.しかもライス長官直々にポールソンに解決を迫ってもポールソンは一蹴しました.ポールソンの行動を注意深く観察すると、彼は強硬派に都合のいいように仕事をする反面、ゴールドマンサックスを中国で大儲けさせたり、今回の空売りでの大儲けにつなげています.
結局、ポールソンの財務長官就任は強硬派に協力する代わりに自分の会社が大儲けすることを容認してもらう取引としての入閣なのです.その背後には強硬派と現実派の暗闘があります
C 米国の危機は深まるばかりです.恐慌前夜のようです.自分の国を借金漬けにして意図的に不況に突入させるような国賊は世界中探してもいません.唯一の例外が国境や祖国という概念のないユダヤ国際金融資本と華僑です(今回のサブプライム関連巨額損失にともない、華僑マネーがユダヤ系金融資本に流入しているのは興味深い).
国境を持たないユダヤ国際金融資本自身が大損して喘いでいるのに、誰が米国凋落の絵を描いているのでしょうか?
投資や金融は、自国の通貨が強いことが武器になります.金融とはカネがカネを生むビジネスなので、手持ちの通貨を紙屑にしむけるのはナンセンスです.事実、クリントン政権はNYユダヤ国際金融資本の言いなりだったので、強いドル政策を維持し、他国の通貨に介入して通貨危機を引き起こして他国通貨を紙屑にしました.そこでさらに自国の強い通貨を使って二束三文で優良資産を買い叩いたのです.多極化を推進するために、わざわざ自国を壊滅させる必要はありません.それぞれの「極」が政治的経済的に強くなるように投資、保護、育成を図ればよいのです(かつての日独や中国に対してのように)
以上より、現在起きている国際社会の現象に対して仮説を立てます
仮説A
「現在の米国の政治、経済および軍事的な凋落は、ユダヤ社会の根深い対立に起因する過程であり、結果である」
Bush政権の誕生から今に至るまでは、シオニスト派と反シオニスト(協調派)の暗闘の連続であり、現在なお続いています
シオニスト 反シオニスト
ネオコン NY国際金融資本
強硬派 現実派
イスラエル右派 イスラエル現実派
ネタニヤフ ラビン(暗殺された)
チェイニー ライス
イラン戦争推進 イラン戦争阻止
北朝鮮強硬派 北朝鮮融和派
一国主義 バランスオブパワー
単純に色分けすると上記のようになります
この対立に米国内の軍産複合体や共和党の重鎮たちが複雑に絡み合っています
現在は反シオニスト有利です.イラン戦争は余程のこと(何らかのウルトラC)がない限り起きそうにありません.その理由は、当の軍人たちがシオニスト(強硬派)に反目するようになったからです.
かつて戦前の日本も独伊派と米英派(開戦派と協調派、陸軍と海軍)に国を二分して暗殺などのテロが堪えませんでした.国を分かつ深刻な対立があると、重大な副作用を生み、甚だしい場合は国家の存亡を危うくします(日本はみごとに悲惨な結末になった). 現在のイスラエル国内も同様です.和平派と強硬派がいがみ合って、ニッチもサッチもいかなくなっています.その対立が世界を巻き込んでいるのです.このユダヤ人同士の対立が最終的にどうなるかに世界の人々の安全と平和がかかっています
仮説B
「ユダヤ国際金融資本は、米国に見切りをつけて資産を他国へ移動する準備をしている.そのため米国市場の手仕舞いを仕掛けて会社の清算をしている」
食肉は腐りかけが一番美味と言われています
国も企業も倒産寸前が美味しいのです.つまり、美味しいところだけ根こそぎ食べつくして、あとに残るのは骨や皮です.国際金融資本が米国でおいしいところを食べつしたら、あとは用がありません.手持ちの資産を金(GOLD)やユーロなどに変えて逃げだせばよいのです.不良債権や借金は米国内の残った会社に負わせて倒産させればOKです.
損をするのは米国国民であり、逃げ出した金融資本家は安泰です.
今の米国は禿鷹やハイエナに美味しいところを食べ尽くされて、草原で横たわっている水牛のようです
この仮説Bが正しければ、「多極化は資本の論理によるNY国際金融資本による意図的なもの」という田中宇氏の仮説が当たったことになります
来年は、この問題の趨勢がよりはっきりするでしょう