2003年の地方選で岐阜県可児市に導入された電子投票システムのトラブルをめぐる訴訟で、最高裁は行政側の控訴を棄却し、当時の投票を無効と判断、合併で増員された1名を除く議員全員が失職するという異例の展開になりました。
今後の自治体ITの整備にも関わる問題であり、僕自身、以前大学病院で医療情報システムの構築に関わってきた経験もあるので、新潟市の行政にも活かすべき課題があると考え、ここで少し書いておきたいと思います。
僕は、電子投票システムについては、職員の負担軽減、業務の効率化、また、選挙だけでなくさまざまな市民の意思決定システムへの活用の可能性などのメリットもあり、今後も研究を重ねていくべきだと思います。
しかし、この可児市で導入されたシステムは、「電子投票」とは言えない、まがいもののシステムでした。
それは、システムの普及を推進している
電子投票普及協業組合でさえ、このシステムをこっぴどくこきおろし、最高裁判決を支持していることからもわかります
(注:8/26まで、この「普及協業組合」に「このシステムをつくった当該業者自身が参加している」と書いてしまっておりましたが、僕の誤解でした。すみません)
以下は、同組合の見解から一部引用です。
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可児市が採用したテラックEM100システムはクライアントサーバ(以下、CSに略)は、投票システムを偽称する模造機でした。CSの特性であるサーバの二重稼動機能を欠き、投票記録の信憑性を唯一証明する投票ログ[1](異議申立てには公開義務)さえ、6投票所9投票端末で消失しました。電子投票ではありません。電子投票の「選挙無効」判決は、当然の帰結です。
(中略)
故障が起きても二重投票を防止できるハード、ソフト、運用等のフェイルセーフが無いため、619票超の二重投票記録を抹消して票数を調整(公選法違反容疑)しました。
(中略)
市及びシステムを運用した潟サシが故障原因を記録媒体MO(光磁気ディスク)の加熱と偽り、記録を改ざん、隠蔽した罪は重い。電子投票事故と言うより、電子投票犯罪です。
(中略)
安全性と適法性を確認する公開実証実験もせずに試作機を完成機と偽って可児市に貸し付けた潟サシ、それを提供した富士通梶A製造した富士通フロンテック(株)の製造者責任は免れません。本選挙を実証実験の場にした利益優先主義の安全軽視が可児市に「選挙無効」の損害を負わせた上、正常な電子投票の信頼性を貶めた企業の違法行為です。
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これを見ると、電子投票システムを普及している当事者から見てもとんでもないシステムを作った企業ももちろんですが、それをきちんと検証できなかった可児市の姿勢が問われる、と思います。
ここで出てくる富士通は、全国の多くの自治体のITシステムで圧倒的なシェアを占めている企業です。新潟市も例外ではなく、ほとんどのシステムが富士通です。
本市でも、合併に伴うシステムのエラー(幸い、軽微なものでしたが)などもいくつか発生しましたが、市は今回の判決を受けて、富士通に対して、各システムの安全性等について検証を迫るよう、要求すべきではないかと思います。また、今後も市として、納入されたシステムをきちんと検証することが重要です。