2017/6/9

36万Bqってどんな量なの?・・・前立腺癌治療と比較してみる  福島原発事故
 

■ 36万Bqもの内部被曝 ■


大洗町の原子力施設で発生したプルトニウムの吸入事故。36万Bqのプルトニウムやアメニシウムを体内に取り込んだ可能性があると報道されています。

この報道に接した方の多くが、「とんでもない被曝事故」「きっとこの方は亡くられるに違いない」そう思われる事でしょう。

■ 甲状腺癌の治療に用いられる放射性ヨウ素131の服用量はケタが違う ■

一般的な甲状腺癌の治療に用いられるヨウ素131の投与量が1110(MBq)=111000万Bqだそうです。全身に転移しても甲状腺癌の細胞はヨウ素131を選択的に取り込むので癌細胞は放射線で死滅します。今回36の事故での吸引量36万と、甲状腺癌の治療の111000万ではケタが大きく異なります。

ヨウ素131とプルトニウムでは体内での振る舞いが違います。ヨウ素131は甲状腺や甲状腺癌の細胞に選択的に取り込まれ、80日でほぼ半分の量が体外に排出されます。ヨウ素131の放射線の半減期は8日なので、ヨウ素131は体内に留まる短時間の間に大量の放射線を発しますが、多くは甲状腺や甲状腺癌の細胞中での放射となります。

もちろん、こんな量のヨウ素131を投与された患者は歩く放射線発生源ですから、投与直後は患者から1m離れた所で72µSv/hの線量になる様です。

プルトニウムは吸入された場合、約50日の半減期で肺から排出されますが、その後、骨などの組織に吸収され、生物学的半減期は50年の長きを及びます。今回吸入事故に遭った方々にはプルトニウムを吸着して体外に排出するキレート剤が速やかに投与されたはずですから、36万ベクレルの内の一部が体内に留まり、α線などの放射線を放出し続けます。プルトニウムの放射線の半減期は24000年と長いので、体内に残ったプルトニウムの放射する放射線はほとんど減少する事はありません。

ヨウ素131の服用治療では短期間の間に強い放射線を発しますが、継続時間は短い。一方、プルトニウムの内部被曝では長期間に渡り放射線が持続的に放射される違いが在ります。

この様に医療用の放射線治療は大きな線量の放射線で一気に癌細胞を死滅させますが、今回の事故ではキレート剤で排出されなかったプルトニウムが長期に渡りジワジワと放射線を放出し続けます。

■ 内部被曝に対する細胞の反応 ■

プルトニウムはアルファー線核種なので、エネルギー値の高いアルファー線の影響による近接している細胞は死滅します。

近年の研究では細胞破壊時における周辺細胞の面白いふるまいが明らかになっています。ダメージを受けた細胞の直近の細胞はアポトーシス(細胞死)し易い状態に変化します。一方、それより外側の細胞は免疫力を高めます。これにより、ダメージを直接受けた、或いはその周囲でダメージを受けた可能性の在る細胞は「自殺」してガン化を防ぎ、そお周辺細胞は活性酸素への耐性を上げるなどの免疫反応によってガン化を抑止します。これらのコントロールはダメージを受けた細胞が発する伝達物質が関与していると言われています。

「放射線はとっても怖い」と主張する方々は、プルトニウムなどのアルファー線核種の内部被曝は、直近の細胞に繰り返し強い放射線が照射される事からガンの発生が起こりやすいという「ホットパーティクル仮設」を主張していますが、最新の研究では細胞はアルファー線の内部被曝などの影響を巧みに緩和する機構を備えている可能性が指摘されています。


■ 東海村の臨界事故とは異なる事を理解して下さい ■

今回の事故で東海村の原子力施設での臨界事故の事例を挙げて放射線の恐怖を煽っている方々が居る様です。

しかし、東海村の事故は致死量を超える中性子を直近から浴びるという、超小型核兵器を直近で使用されたに近い事故であり、当然被害者は短期間で全身の細胞が死滅して死に至ります。

しかし、今回の事故は微量のプルトニウムの吸入事故で、その影響はこれから何十年と経過観察して分かるか分からない程度のものです。

■ 小さじ1杯で2千万人が死ぬプルトニウム? ■

プルトニウムは最凶の放射性物質として「スプーン1杯で2千万人が死ぬ」とか「スプーン5杯で日本人が全滅する」などと吹聴されてきました。しかし、これは確率的死亡リスクを無意味に拡大しただけの数字の遊びに過ぎません。(これを主張している人は統計学を理解していないので本気で恐れているのでしょうが・・・)

この仮定が成り立つ為には日本人全員が同じ量のプルトニウムを吸引する必要が在りますが、どんな苛烈事故でも、そんな状況は起こり得ません。現場の作業員がプルトニウムを吸引したり、逃げ遅れた住民がプルトニウムを吸い込む程度です。

そして、例えプルトニウムを吸引しても速やかにキレート剤を投与してプルトニウムの体外排出を促せば、後は非常に低いガンの確率的発生に注意を払うだけで健康に別段問題は在りません。それも何十年後かのガンの心配です。

ちなみに今回のプルトニウムの吸引量ですが、体外排出され難い肺の2.2万Bqを重さに換算すると、ラフな計算で0.0000956g=0.00956mgとなりそうです。プルとニウムの吸入による致死量(15年後)が0.26mgという資料を見つけましたので、今回の吸入事故が即将来的な癌による死に繋がる事は有りません。

プルトニウムの最大許容身体負荷量(原発作業員などが1年間に許容される摂取量)は1500Bqですので、今回の吸入量はこの10倍を超えています。これだけ見ると決して軽微な事故では無いのですが、ロスアラモスの事故ではこの最大許容身体負荷量の10倍の吸入量の作業員も癌の発生も無く何十年も元気だったそうです。

原子力規制委員会の伴信彦委員は7日の定例会で「2万2千ベクレルの検出は半端な状況ではない。命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。」とコメントしています。「まあ、心配は要らない」と言ってしまうと袋叩きにあうので、ちょっと硬い表現をしています。

■ 発癌の要因が一つ増えたと考える程度が妥当 ■

現代は高齢者の半数は癌を患います。多分高齢の方を精密に検査したら何等かのガン細胞が見つかるはずです。

数々の化学物質の摂取や過剰なストレス、さらには生物的寿命を医療で延長する事によるDNAの自然的劣化(=老化)によって人々は癌のリスクにさらされています。プルトニウムの吸引も、そんなリスクの内の一つに過ぎない・・・私はその程度に考えています。大量な喫煙や、大量の飲酒の方が余程怖いと・・。

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タグ: 原発事故

2017/6/8

<再録>プルトニウムの毒性・・・アメリカのWikpediaの訳文を見つけた  福島原発事故
 
大洗町の原子力施設でプルトニウムの吸入事故が発生しました。最大22000ベクレルの吸入量だそうです。

「ベクレル=1秒間に放射性元素が崩壊する個数」です。プルトニウムは半減期が24000年と非常に長いので(崩壊する頻度が極めて低く、放射能が非常に低い元素)、22000ベクレルを計測しているとすれば、それなりの量のプルトニウムを吸入した事になります。

今回の被爆のシーベルト換算の試算をみつけました。


<引用開始>

今回の被曝量の年間推定は1.2SV(=1200mSV)、1日当たり、3.29mSV 、1時間当たり0.137mSV(137μSV)

で大体2時間毎にX線1発、一日に最低1発のCTスキャンを受けることになる。これが最大50年間続く。

<引用終わり>


決して低い数値ではありませんが、137µSV/hという線量率は決して高い数字ではありません。X線(レントゲン)やCTスキャンは短時間に照射されるので線量率が圧倒的に高くなります。乳癌の放射線治療では一瞬で2SVという高い線量の放射線を一日置きに照射しますが、通常の細胞はこれによって癌になる事無く自らズタズタになったDNAを正常に再生します。

今回のプルトニウム吸入事故で多くの方が東海村の臨界事故を想像されたと思いますが、あれは直近から大量の中性子を浴びてしまった最悪の事故で、今回は多分50年後も皆さんピンピンとお元気ではでは無いでしょうか(相当高齢ではありますが)。事故に遭われた方には申し訳ありませんが、プルトニウムの安全性を将来的に証明する事案になるかもしれません。

以前、アメリカのロスアラモスで複数の作業員がプルトニウムの蒸気を吸入する事故が発生していますが、全員命に別状はなかったという記録が在ります。

その件について以前記事にしたので、私自身が思い出す為に再掲載いたします。


<再録>プルトニウムの毒性・・・アメリカのWikpediaの訳文を見つけた

「人力でGO」 2012.04.09 より



■ プルトニウムは本当に最凶の放射線元素なのか? ■

最近、福島原発周辺にウランやプルニウムが飛散している可能性を示す
データや噂がネットに見受けられます。

プルトニウムは「史上最凶の放射物質」で、
「角砂糖5個で日本人を皆殺し」などと言われています。

ところで皆さんはプルトニウムについて調べた事はあるでしょうか。
Wikipediaにそこそこ載ってはいますが、
アメリアカおWikipediaに日本版よりも詳しく載っている様です。
日本語訳を見つけたので、紹介します。

(プルトニウムに関しては神経質な方が多いので、
 元ブログの方に迷惑が掛かるといけませんので、
 元のブログの紹介は避けさせて頂きます。

<引用開始>

訳:
プルトニウム同位体は放射性物質であり骨髄に蓄積される。原子力兵器や原子力発電所などの事故によって酸化プルトニウムが生成、拡散される。広島や長崎に落とされた原子爆弾の被害者から、プルトニウムの危険性や摂取による症状が報告されている。

プルトニウムの崩壊によって、α、β、γと3種類の放射線が放出される。α粒子はごく短い距離しか飛ぶことができず、ヒトの皮膚によって防ぐこと ができる。β粒子は皮膚は通過してしまうが、体全体を通り抜けることはない。γ線は体全体を通り抜けてしまう。高濃度かもしくは長期間放射線に晒されてし まうことで、放射線病、癌、死の原因となり得る。危険性は晒された放射線量に依存する。

プルトニウムによるα粒子は皮膚さえ通り抜けることができないが、吸い込んだり摂取することで内臓へ影響を与える。プルトニウムは骨の表面に吸収 されたり、肝臓に蓄積されたりすることで人体に害を与える。プルトニウムは人体へ効率的に吸収される物質ではなく、酸化プルトニウムを摂取しても 0.04%しか吸収されることはない。吸収されたプルトニウムは生体半減期が200年であるため、とてもゆっくりと排出される。プルトニウムはとてもゆっくりとしたスピードで細胞膜や腸壁を通り抜けるため、骨格へと吸収されるのにとても時間がかかる。

プルトニウムは摂取するよりも吸い込んだ方が危険が大きい。プルトニウムは肺に合計400ミリシーベルト吸い込まれると、肺癌の発生率が増加する。アメリカ合衆国エネルギー省によると、5000のプルトニウム粒子を吸い込むことで癌の発生率が平均から1%増加するとしている。

大量のプルトニウムを摂取または吸引することで、被曝や死の原因となるが、これまでにプルトニウム摂取や吸引による死者は確認されておらず、また多くの人々は体内にプルトニウムが確認で きる。(これらは過去の核実験によって、地球上にばら撒かれたプルトニウムによるものです。)

放射性粒子による放射線が肺細胞に局所的な害を与えると言う、ホット・パーティクル説(hot particle theory、hot particleは放射性を持った粒子です)はこれまでの実験では肯定する結果はでていない。これらの粒子はこれまで考えられていたものよりも動的で、粒 子による毒性の上昇は見られなかった。

しかし吸入されたプルトニウムは血流へ乗ってしまう。一度血流へ乗ってしまうと、プルトニウムは体中に広がり、骨格や肝臓、その他の臓器へと貯めこまれる。体内へと到ったプルトニウムは何十年もそこに留まり、放射線によって周りの細胞を傷つける。

広島や核実験場付近の住民や作業員が、プルトニウムによってどのような害が起こっているのかが現在まで調査、解析されている。これらの研究は、プ ルトニウムの高い毒性やプルトニウムによる癌発生率の増加を示していない。

他の例では、過去にアメリカのロスアラモス国立研究所による実験で1940年代に25人の作業 員が相当量のプルトニウムを吸い込んだ。ホット・パーティクル説によると、彼らは現在までに99.5%の確率で肺癌によって亡くなっているはずだが、彼らの中では1人として肺癌にかかった人はいなかった。

補足:
アメリカ合衆国エネルギー省によって発表された危険性の値は以下のようになっています。
プルトニウム239:吸入‐1.073×10^-9 %/Bq、摂取:4.81×10^-12 %/Bq
(吸入で1ベクレルにつき0.0000001073%上昇、摂取で1ベクレルにつき0.00000000000481%上昇)

<引用終わり>

赤字箇所は私が赤字にしました。


■ 私は放射性ヨウ素131の方が怖い ■


原子炉がフルオープン状態で爆発したチャルノブイリでは
福島とは比較にならない量のプルトニウムやウランなどを放出しています。

プルトニウムやウランは中性子を放出するα線核種です。
これは一見恐ろしい物質の思えますが、
自然の状態でこれらの物質が中性子を放出する事は稀です。

さらにα線崩壊もほとんど起しません。
プルトニウムは2400年という長い半減期を持っているので、
単位時間内での放射線の放出は非常に少ないのです。

一方、8日という短い半減期でどんどん崩壊して放射能を放出するヨウ素131は
とても恐ろしい放射性物質とも言えます。

ヨウ素131の比放射能(単位時間での放射線の影響の強さ)は、
プルトニウムの10万倍にも及びます。

「プルトニウムが体内に入ると一生放射線を出し続けるので危険」と言われますが、
これは誤りです。

「体内に入ったプルトニウムは、人間の寿命よりもはるかに長い年月を掛けて
 徐々に放射線を放出する」という書き方が正しいのだと思います。

チェルノブイリではヨウ素131による子供の甲状腺癌は多発しましたが、
ウランやプルトニウムによる害は発生していません。
(WHOやICRP,IAEAを信用するならば・・・ここがちょと見解に分かれる所)

■ プルトニウムは食べても大丈夫? ■

「プルトニウムは飲んでも大丈夫」とは、以前原発の資料館の啓蒙アニメの中で
プルトン君というキャラクターが発したセリフですが、
プルトニウムは吸収率が非常に低いので、
あながちこのセリフは間違いではないでしょう。

こんんな事を書くと、「お前が飲んでみろ!」とか、
「福島原発で働いて来い、東京駅にレンガを持って見送りに行ってやる」と脅されますが・・。


■ ホットパーティクル理論(仮説)は正しいか? ■ 

プルトニウムが危険という理由に挙げられるのが、
「ホットパーティクル理論」です。

「プルトニウムのα線は4μmの範囲に大量のエネルギーを放出するので、
肺の組織に吸着したプルトニウムから発するα線は、
周辺細胞に甚大な影響を及ぼし、高い確率で癌を発生させる」という「仮説」です。

この説の主張者達は、「プルトニウムのα線の影響は1億倍程度過小に評価されている」
などと言います。

上のWikipediaの引用で赤字に直した箇所は、
ホットパーティクル理論(仮説)を否定するものと言えます。
人数が25人ですから統計的に意味のあるデータとは言えませんが、
それでも、このデータの持つ意味あいは小さくありません。

一方、アメリアでは末期の胃癌の患者で、プルトニウムの服用実験も行われています。
実験台になった患者は何人かいらっしゃるのですが、
なんと、死を覚悟した末期の胃癌患者が、その後長生きして天寿を全うするという
驚くべき結果となってしまったようです。
(別にプルトニウムが胃癌に効果がある訳ではありません)

この様に、プルトニウムの毒性を補強するホットパーティクル論(仮説)ですが、
実際のデータはこの理論(仮説)が、被害を過大評価しすぎる事を示しています。

■ バイスタンダー効果 ■

弱い放射線の影響を重要視する方達は、
近年「バイスタンダー効果」という現象を引き合いに出します。

少し難しい内容なのでうすが、
非常に細く絞ったX線やα線粒子を細胞に照射すると
1%の細胞に照射したにも関わらず、
周辺の30%の細胞に変化が現れるという効果です。

放射線の影響を直接受けた細胞が、ある種の細胞伝達物質を分泌して
周辺細胞に変化を及ぼすと考えられています。

<wikipediaより引用>

放射線に直接曝露された細胞とそうでない細胞(バイスタンダー細胞)間のシグナル伝達系が重要な役割を果しているとされる[1]。

バイスタンダー効果は、遺伝的不安定性[2]、DNA損傷、染色体異常、細胞分裂・増殖阻害、アポトーシス(細胞の自殺)、突然変異の誘発など[3]といった負の面が多かったが、最近では増殖促進、分化誘導、放射線抵抗性及び温熱抵抗性の獲得という有益な影響が確認されている[2]。

全体の1%の細胞に低線量のアルファ線を照射した際、30%の細胞に染色体の変化が起こったとの発見報告がある[4]。

ヒト正常胎児線維芽細胞に1.2 - 100mGyのX線を照射した実験では、ギャップ結合(バイスタンダー効果の誘導に関与していることが知られている細胞間接着装置の一種)をリンデンで阻害した群と、阻害しなかった群を比較した場合、1.2 - 20mGyまでの低線量域では線量に依存して大きな差が出ている(阻害しなかった群に、より大きな影響が出ている)。20mGy以上では、阻害した群と阻害しなかった群で有意な差は出ていない[5]。

<引用終わり>

以前は弱い放射線でもバイスタンダー効果によって、放射線の影響が拡大するから
「弱い放射線でも危険」とされる論拠とされてきました。

しかし近年、バイスタンダー効果が放射線を浴びていない細胞の
放射線への耐性を向上させる事が明らかになってきています。


私自身の勝手なイメージでは(完全に無根拠です!!)

1) バイスタンダ効果には細胞死を誘発する効果と、細胞の耐性を高める効果の2種類がある
2) 細胞死を高めたり、染色体異常を高める効果は放射線を浴びた直近の細胞のアポトーシスを促す?
3) 細胞の耐性を高める効果は、比較的放射線から遠い細胞で現れる

生物の生体反応は非常に合理的に出来ています。
例えば、α線被曝では、α線の影響を直接受けた細胞の周辺にも、
大量の活性酸素種が、壊れた細胞から供給される可能性があります。
ですから、α線の粒子を限られた細胞に打ち込むようなケースでは
周辺細胞は、活性酸素に対して脆弱な状態を作り出して、
積極的にアポトーシスを誘発したら、免疫細胞に駆逐される状態に変化して、
結果的に、DNA損傷が組織の残存する確立を減らすと考えたらどうでしょう。

一方、弱いX線などの部分照射では、活性酸素の発生も少ないので、
次の放射線照射に備えて、周辺細胞の放射線に対する耐性を高めて、
次なる被曝にたいする組織や体全体の防御を活性化させると考えられます。
これは「放射線ホルミシス効果」と呼ばれる現象となって現れるのでしょう。

科学者はなるべく主観を排して研究に当たります。
しかし、「放射線は危険」と考えている科学者と
「放射線は安全」と考えている科学者では、
結果の解釈が異なってきます。

α線粒子を当てた細胞の周辺で、細胞が変異したり死滅する効果が高まったという実験結果に対して、
「放射線は危険」と思っている学者は、「放射線被害が拡大した」と解釈します。

一方「放射線は安全かも知れない」と考える学者は、同じ減少を体の放射線に対する防衛反応と解釈しようとするはずです。


どちらも「仮説の域」を出ないので、
「バイスタンダ効果によって微弱な放射線の影響が拡大する」と言う結果だけが
唯一の事実として伝わってゆきます。

しかし世間の多くの人は、「放射線は危険」と思い込んでいますので、
バイスタンダ効果は「弱い放射線でも危険」という結果として解釈されてしまうのです。

私は生き物が好きで、中学の頃は「生物部」でしたから、
生物の体は不思議なくらい「合理的」に出来ていると考えています。
ですから「バイスタンア効果は放射線の影響を低減する為の生物の精緻なシステム」と解釈します。

■ 自分の生命力を信じられるかどうか? ■

私はフルマラソンを走ったり、自転車で200Km近く走りますから、
過剰な負荷に対する肉体の防御機構と、適応反応を日々実感しています。

46歳を過ぎても、計画的にトレーニングすれば
肉体は30代のパフォーマンスを発揮する事も身を持って知っています。

要は「人間の肉体はそんなにヤワじゃない」と信じているのです。
自分は「癌になっても、自己免疫で勝手に治る」と思い込んでいます。
この「思い込み」こそが免疫効果を高めるのだと思います。

風邪を引いたら、ウィルスをやっつける免疫細胞の活躍をイメージして、とっとと寝ます。
すると、だいだい1日で熱は下がります。


逆に放射線に体の細胞が蹂躙されるイメージを浮かべたらどうなるでしょうか?
きっと免疫は低下するはずです。

なんだか精神論の様になってしまいましたが、
要は、放射線に対しても「健康に良いらしい」とポジティブに捉えれば本当に健康になり、
「ああ、きっと癌になるに決まっている」とネガティブに捉えれば、ストレスによって癌になります。

きっと生命力とは、そんな単純な思い込みから生まれてくるのだと思います。

ですから「放射脳」を患っていらっしゃる方達は、
「放射線が飛んでいるから外出はしない」のでは無く、
満開の桜の下で、思いきり美味しいものを食べて、美味しいお酒を飲めば、
きっと「報謝脳」という症状からも開放されるのでは無いでしょうか。


46歳にもなってアニメを観て喜んでいるオヤジの話など、
世間にはほとんど影響を与えないでしょうから、
ホラ話の一つとして、笑い話のネタにでもして下さい。
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タグ: 原発事故

2017/4/6

自主避難は自己責任か?・・・それよりも大臣のネクタイが気になる・・・  福島原発事故
 

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■ 「出て行きなさい!!」 ■

記者会見でフォトジャーナリストの追及にマジ切れした今村復興大臣。ネットニュースでそのやり取りの仔細を読む事が出来ます。

1) 自主避難者の住宅支援が打ち切られる
2) 自主避難者の支援は国の責任では無いのか

こう追及する記者に大臣は次の様な見解を示しています。

3) 自主避難は自己責任だ

これに対して記者は「無責任だ」と大臣や国を非難し、今村大臣がキレます・・・。

■ 法的には国が支援する必要は無いはず ■

日本は法治国家ですから、「自主避難=自己責任」である事は明らかです。ただ、原発事故には国の責任もありますから、温情的に国は自主避難者を支援して来ました。

1) 強制避難地域の線引きは放射線量によってされている
2) 放射線量は事故当時よりも徐々に下がって来ている(セシウム137の半減期30年)
3) 強制避難地域の外側の放射線量も事故当時と比べれば下がっている

要は、国としては「問題の無い地域からの自主避難者はそろそろ帰って下さいね」というメッセージが自主避難者に対する支援の打ち切りだとも言えます。

■ 前橋地裁の判決は法的根拠とは未だ言えない ■

前橋地裁は先般、「自主避難者に対して国は東電と同様の賠償責任が有る」との判決を下しています。

「自主避難は自己責任」と言う大臣を批判する多くの方が、この前橋地裁の判決を例に取って「国にも責任が有る」と主張しています。

この判決を読むと、国と東電に責任が有るとするのは、「国も東電も津波が防波堤を超える予測が出ていたにも関わらず適切な対策を怠った」というものです。この判決に対して国も東電も控訴しています。

前橋地裁の判決をして「法的に国に責任が有る」と主張する人達は、日本の裁判制度を理解していません。日本は「三審制」ですから、被告である国と東電が上告している以上、最高裁の判決が法的な決定としての意味を持ちます。

そもそも前橋地裁の判決でも、自主避難地域の方のうち43人に対して7万から73万円の賠償を認め、72人の請求は退けています。ここでも線引きはされています。


■ そもそも避難する必要が無い ■

私はICRPの定める放射線の防護基準は厳しすぎると主張していますから、そもそも自主避難地域などは避難の必要性が無い地域だと考えています。

尤も、小さなお子様がいらっしゃる方などは当然不安を抱かれるでしょうから、自主避難は個人の選択肢として「安心とコストのトレードオフ」としては間違っていないと考えます。但し、このコストを国が払う必要があるかと言えば答えはNOです。

国は強制避難の基準を20mSV/年としています。これは外部被曝だけの数値ですから、内部被曝も含めれば50mSV/年程の数値となるでしょう。チェルノブイリでの強制避難の基準が5mSV/年でしたので、日本の国が定める20mSV/年という基準値が高すぎるという主張は当然在ります。

一方で、チェルノブイリでは強制避難による失業による精神的ストレスやそれによるアルコール中毒が問題となりました。放射線による被害よりも、強制避難による間接的被害の方が大きかったのです。

確かに「安全」だけを求めるならば、国の基準値は低すぎるという主張は間違っては居ません。ただ、強制避難が地域コミュニティーを崩壊させ、避難者の生活を不安定にする以上、「安全だけ」を重視した基準値の設定も多くの問題を抱える事になります。


■ 豊洲問題と酷似している ■

福島原発事故の自主避難問題は、豊洲問題を例に取ると分かり易い。

仮に市場が豊洲に移転したとして、地下水の汚染は取引される食品に一切の影響を与えません。しかし、豊洲が100%安全だと考えない消費者も居ます。その様な消費者が豊洲を経由した食品を購入しない場合、仮に余分なコストが掛かったとしても、その負担を都に請求する事は先ず不可能でしょう。都は「個人の安心」のコストを負担する義務を負わないからです。

福島の自主避難の問題も同様で、20mSV/年以下は「安全」とする国が、20mSV/年以下の地域からの自主避難者を支援したら、「国の定めた避難基準は何なの?」という事になってしまいます。この自己矛盾を発生させない為にも国は自主避難者の支援を継続させる事は合理性に掛けます。

現在の国が定めた20mSV/年を下回る地域からの自主避難は「安心」の為の避難であり、そのコストを本来国は追わないのです。

■ 前橋地裁の判決は、20mSV/年という基準の妥当性には触れていない ■

福島原発事故の損害賠償を命じた前橋地裁の判決に関しても、裁判長は「津波の予測が出来たにも関わらず、その対策を怠った」責任は認めていますが、20mSV/年という避難基準の妥当性には触れていません。

本来、自主避難の支援打ち切りに対する不服が有るならば、20mSV/年という基準値が妥当かどうかで裁判は争われなければなりません。しかし、この安全性、或いは危険性を判断する基準を科学は提示する事は出来ません。存在しない物は証明できないからです。(危険性が存在したとしても、ジョギングやストレスによる活性酸素の増加の影響の方が遥かに大きい)

■ 今村大臣の失敗は記者の挑発に乗ってしまった事 ■

私は今回の今村大臣に同情的ですが、大臣に問題が在るとするならば、それは記者の挑発にまんまと乗せられてしまった事にあります。

件の記者はネットの情報を見ると、所謂「左巻き」の方の様ですが、彼に掛かれば「何だって国が悪い」「個人の責任は無い」になってしまいます。報道関係にはその様な短絡的思考の方が大勢いらっしゃいますが、そんな記者の挑発に公の記者会見の場で乗ってしまった・・・。

復興大臣として、それなりに努力しているのにそれを否定されたのだから感情的になるのは理解できますが、そこを丁寧に煙に巻く力量が政治家には求められます。

ただ、私は大臣の人間味溢れる?マジ切れは嫌いではありません。

■ 記者とのやり取りより、大臣のネクタイが気になって仕方無かった ■

実はこの事件、私は報道を観ながら記者とのやり取りより、今村復興大臣のネクタイが気になった仕方ありませんでした。

あれ・・エヴァンゲリオンだよね・・・。

ネットで調べたら、福島のガイナックスを訪問した際にプレゼントされたとか・・・。

70歳の大臣が締めるには勇気の要るネクタイですが、エヴァネクタイをしていると多くの方が「それ何ですか?」と質問するのだそうです。

そこで、大臣は「福島にあるガイナックスさんから頂いた。ガイナックスさんは福島で頑張っていらっしゃる」的な事を答えられるそうです。

どうやら、このネクタイ、麻生財務大臣が羨んだそうで・・・このニュースをきっかけにきっとブレークします。値段は8千円以上とちょっとお高いですが・・・。

「自主避難者を自己責任とはケシカラン」とおっしゃるアタナ、是非、このネクタイを買って「福島支援アピール」に役立てられては如何でしょうか。

「・・・エーーこんな柄恥ずかしいくて絞められない。」ですって・・・。それでは大臣に気概で負けてますって・・・。



<追記>

当ブログは、ICRPの定める防護基準が厳しすぎる事で様々な問題と利権が生じていると主張し続けています。興味の有る方は「福島原発事故」のタグで過去記事をご覧になって下さい。

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2014/7/9

福島の子供達の甲状腺ガン・・・放射線の影響なのか?  福島原発事故
 

■ 福島で子供の甲状腺ガンが90人?! ■

福島の子供達の甲状腺の検査で89人の「甲状腺ガンの疑いのある」患者が発見されました。この内、甲状腺の摘出手術を受けたのは51人で乳頭ガン49人、未分化ガン1人、ガンでは無かったのが1人でした。

手術を受けた理由はリンパ節転移などが疑われた為ですが、実際の何人に転移が発生していたかは発表されておらず、疫学者からは不必要な摘出主手術をしたのでは無いかとの疑問も出ています。リンパ節転移の件数は後日発表される事になった様です。

検査の結果は福島県が詳細を公表しています。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/65917.pdf


■ 会津では発生が一人だった ■

今回の発表で、今まで検査が進んでいなかった会津地方のデータが加わりました。その結果、会津地方の癌の発生が一人だった事から、「放射線の影響で浜通りと中通で癌が多発した」とネットで騒がれています。

会津   1人(検査32,208人中、割合は0.003%)
中通り 66人(検査176,357人中、割合は0.037%)
浜通り 23人(検査80,824人中、割合は0.028%)

会津の発生人数が一人と少ないのは検査を受けた子供が32,208人と少ない事と、2次検査受診率が49%と他地域の半分という影響は無視出来ません。しかし、2次検査の受診率が他地域と同等の90%以上になって、ガンの発見が2人になっても、発生率には10倍の開きがあります。

会津の0.003%と、中通り0.037%や浜通り0.028%は明らかに10倍の差が有り、これは有意差して無視出来ないものです。

■ 市町村別に比べると・・ ■


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http://www.sting-wl.com/fukushima-children1.html より

上のグラフは、放射線の影響を心配されている方が丁寧に分析して下さったものですが、市町村別の発生率で色分けされています。

赤色…1人〜999人に1人が発病
橙色…1000人〜1999人に1人が発病
黄色…2000人〜2999人に1人が発病
緑色…3000人〜3999人に1人が発病
青色…4000人〜5999人に1人が発病

市町村別にしてしまうと母集団の人数が少ない市町村の誤差が大きくなってしまう問題はありますが、それでも地域別の発生率の違いが上の地図から分かります。

会津の1人は市町村別の発生率では高率の赤色の分類に入りますが、これは母集団である2次検査受診者数が少ないので、一人の発生による影響が過大に評価された結果です。

■ 年齢別に見れば自然発生のガンである可能性が高い ■

福島県が年齢別のグラフを発表しています。

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https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/65917.pdf より」

グラフを見る時に注意すべきは、ガンが自然発生のものだった場合、事故当時の年齢に遡ってガンの有無を論議する事に意味が無い事です。

摘出手術を受けた子供達の検査時の中心年齢は16才ですが、分布的には18才、19才と年齢が上がる程、発生率は高くなる傾向が見られます。(21才が少ないのは、検査時に21才に達していた子供が少ない為)これは、発見されたガンが自然発生である可能性が高い事を裏付けています。

■ 千葉での女子高生での過去の検査との比較 ■

http://www.hcc.keio.ac.jp/japanese/healthcenter/research/bulletin/boh2004/22-19-22.pdf#search='%E6%80%9D%E6%98%A5%E6%9C%9F+%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA

上のページで1988年から16年間、千葉県の2869人の女子高生の甲状腺を検査した結果が載っています。これは甲状腺異常で来院した女子高生では無く、普通の女子高生を検査した結果の様です。抗体検査を行っているので、かなり小さな甲状腺腫も見つけるている事が注意点です。

検査数    2869人
甲状腺腫無し 1234人(43%)
甲状腺腫有り 1653人(57%)

この結果から甲状腺腫は高校生の女子の半分は持っている事が分かります。

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医療機関での精密検査の結果が上の表です。

甲状腺ガンの発生は一人です。

1人/2869人=0.03485%

この発生率は今回の福島のスクリーニング検査の結果とほぼ同等です。ただ、2869人の検査人数は統計的には小さすぎるので、単純な比較は出来ません。

この他に千葉大が新入生に実施している甲状腺の検査では9,988人の甲状腺触診スクリーニングで、甲状腺ガンが4人見つかっており、発生率(有病率)は0.04%となり、これも今回の福島の有病率とほぼ同等です。

今回、福島以外でも対照群として、青森・山梨・長崎3県の3〜18歳約4千人を対象に、福島県と同じ手法で実施した甲状腺調査でもがんと診断されたのは1人です。

1/4000=0.025%

サンプルの人数が十分では無いので対照群としては不適切ですが、傾向としては今回の福島や、それ以前の千葉県や千葉大の新入生の発生率(有病率)に近い数字となっています。

■ 会津地方で少ない事が特異的 ■

これらの検査結果を踏まえると、今回の福島の甲状腺のスクリーニング検査で会津地方の甲状腺ガンの発生率が少ない事の方が特異的だと思われます。

会津地方の2次検査は49%の受診率なので、これからもう少し正確な数字が出て来ると思われます。

■ むしろスクリーニング検査でガンを見つけてしまう事の方が問題が大きい ■

今回の報道で反原発派の多くが「やはり福島では子供の甲状腺ガンが多発したじゃないか」と声を荒げています。

しかし、医学の常識的には被曝後2年でガンが発生する事は考えられず、「今回の福島で発見されたガンは自然発生のガンをスクリーニング検査で大量に発見しただけ」という意見が常識的です。

むしろ疫学者の間からは、成長が遅い甲状腺ガンを早期に大量に発見して、多数の摘出手術を行う事に対する疑問が提示されています。

福島県民健康管理調査では、原発事故が起きた当時18歳以下だった子ども36万人を対象に甲状腺の超音波診断が行われている。事故から3年目となる今年の3月末までに、対象となる子どものうち約29万人が受診。2次検査で穿刺細胞診を受けた子どものうち90人が悪性または悪性疑いと診断され、51が摘出手術を実施。50人が甲状腺がんと確定している。
 
専門部会では、疫学を専門とする東京大学の渋谷健司教授が、この結果について、スクリーニング効果による過剰診断が行われている可能性があると指摘。また、放射線影響との因果関係を論ずるためには、比較対照群を設けるなど、制度設計の見直しが必要であると主張した。
 
これに対し、手術を実施している福島県立医大の鈴木真一教授は、「過剰診療という言葉を使われたが、とらなくても良いものはとっていない。手術しているケースは過剰治療ではない」と主張。
「臨床的に明らかに声がかすれる人、リンパ節転移などがほとんど」として、放置できるものではないと説明した。(動画の52分40分頃)
 
渋谷教授は「しかし、健診して増えたのなら、過剰診断ではないか。リンパ節転移は何件あるのか」と追及すると、鈴木教授は「取らなくてよいがんを取っているわけではない」と繰り返しつつも、「ここで、リンパ節転移の数は、ここでは公表しない」と答えた。(1時間35分頃)
 
こうした議論を受けて、日本学術会議の春日文子副会長は、現在、保健診療となっている2次検査以降のデータについても、プライバシーに配慮した上で公表すべきであると主張。また1次データの保存は必須であると述べた。
 
これについて、広島県赤十字病院の西美和医師も「部会として希望する」と同意。また、渋谷教授もデータベースを共有する必要があるとした。座長の清水教授もその必要性を認めたため、次回以降、手術の内容に関するデータが同部会に公表される方向だ。


http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1793 より引用

甲状腺は成長ホルモンを分泌する大切な器官です。これを摘出すると、成長ホルモン剤を服用する必要があります。甲状腺ガンは進行が遅いので、あまり小さな年齢で早期に発見して摘出する方が子供にとっては良くありません。

ですから、ガンが発見されても、それがリンパ節に転移しているなど深刻な状況で無ければ、ガンを温存する方が良いケースも多くあります。

福島以外の地域で大規模な甲状腺のスクリーニング検査が実施されない背景には、スクリーニング検査の結果、不必要な摘出手術を誘発して、結果的に子供の健康と幸せを奪う恐れが否定出来ないからです。

■ 福島の子供のガンの発生はこれからが注意が必要 ■

対照地域での大規模な子供の甲状腺のスクリーニング検査が出来ない以上、現在の福島の甲状腺ガンの発生が、自然発生によるものなのか、或いは放射線の影響によるものなのかを判断するには、今後5年、10年と福島でのスクリーニング検査を続ける必要があります。

放射線による甲状腺ガンが増えるとすれば、これからであり、現在の有病率0.03%よりも有為にガンの発生が増える様ならば、放射線の影響によってガンが発生したと判断されます。

福島では事故後非難が送れ、又、自治体が安定ヨウ素剤を備蓄していなかったる、あるいは配布をしなかったりしたので、大人も子供も事故初期に不要な被曝を強いられています。

特に、事故早期に発生するテルル132や、その崩壊過程で発生するヨウ素132は放射線が強く、特にヨウ素132による甲状腺被曝は無視出来ません。

確かに飲料水や食べ物は直ぐに規制されたので、チェルノブイリに比べれば甲状腺の被曝量は格段に少ないのですが、大気吸入による初期被曝がどの位あったのかは明らかになっていません。

最近、ようやく事故当時の15日頃にテルルが放出されていた事を認める研究者が出て来ましたが、高崎や筑波の観測結果から事故当時から私は指摘していた事です。


ヨウ素132を軽視してはいないか?・・・チェルノブイリの甲状腺癌
 (人力でGO 2012/5/9)


■ 初期被曝による影響は切り分けるべき ■

ヨウ素132やヨウ素131による初期被曝の影響は、これから明らかになってきますが、これらは本来、安定ヨウ素剤の服用で簡単に防げるものです。

原発事故が発生し、放射性物質の放出が不可避となった時点で、周辺自治体は安定ヨウ素剤の服用を指示し、同時に20Km圏内の住民を1カ月程度、強制的に短期非難させるべきです。さらに、SPEEDYのデータ予測に従って、高濃度の汚染が予想される原発の風下の住民も同様の対応をすべきです。

これさえ出来ていれば、福島で放射線による被害は将来的にも1人も発生しないはずでした。

現在のレベルの低線量率の放射線は、健康に何ら影響を与えませんが、事故直後のヨウ素132とヨウ素131は軽視してはいけないのです。


事故で大気中放出された放射性物質の量も、事故後、食物や水から摂取した放射性物質の量もチェルノブイリは福島の比較にはならない程多く、チェルノブイリの子供の甲状腺ガンの多発は、そのまま福島には当てはまりませんが、一方で事故対策が疎かになっていた政治や自治体、そして東電の責任は追及されるべきです。


仮に、放射線由来の甲状腺ガンが将来的にも発生しなかったとしても、住民を不要な危険にさらした責任は重いはずです。これが改善されない限り、大地震で必ず壊れる日本の原発は再稼働はすべきではありません。

そして、平常時年1mSv、事故時20mSv/年の被曝も危険とするICRPの防護基準を採用する限り、福島の悲劇は繰り替えされます。

これは、放射線による直接的な被害では無く、基準や政治が生み出す悲劇なのですから。


今年は冷夏ですので、反原発の皆さんもエアコン無しの生活にチャレンジしてみては如何でしょうか。ビールが旨いですよ!!


<追記>

一般の方は仕方ありませんが、「罹患率」と「有病率」の違いも分からずに「放射線で福島で子供の甲状腺ガンが多発している」と大騒ぎされている医師の方達は恥ずかしいので少し勉強された方が宜しいかと思います。

ここら辺は医学的知識というよりも統計の基礎知識の有無かと・・・。理工系の学科を出ている技術者には理解し易いのですが・・・。
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2014/7/6

無邪気な善意は時に悪意よりも危険である・・・「正義」が強いる犠牲  福島原発事故
 



■ 線引きによって生じた悲劇 ■

福島第一原発の20Km圏内、強制避難地域に一人残って生活している男性が居ます。
彼は残された動物達の世話をしながら日々を送っています。

上の映像は福島の強制避難区域のリアルを伝えるものとして大変貴重なものです。野山も川も、大地も基本的には事故前と何ら変りません。ただ、目に見えない放射性物質が加わっただけです。

問題は、その放射性物質が人間やその他の生き物に害を成すかと言うことです。20(mSv/年)以上が福島の強制避難区域の放射線量です。現在確認されている広島や長崎の放射線による被害の閾値は100mSvですが、これは一瞬に被曝しています。年間20mSvと、一瞬の100mSvの間には大変な差がありますが、福島の強制避難地域は害があるかどうか、科学的に判別出来ないので危険とされています。(発生確率の誤差の中に入ってしまう)

多くの方がこの映像を見て、「目に見えない放射線は怖い」と思われるでしょう。しかし、地域のコミュニテイーを破壊し、牛を餓死させた直接の原因は放射線による被害では無く、20(mSv/年)以上を強制避難区域に指定した「単なる線引き」なのです。

もし、仮に20(mSv/年)が人体に全く無害だった場合、強制避難区域の人々の生活を破壊したのは、ICRPの定める厳しすぎる防護基準だった事になります。

彼は放射性物質で汚染された福島の地に住み、淡々と現実を伝えています。ある意味、彼自身は放射線に無頓着の様にも見えます。「癌になるとしても、その頃はオレは生きていないし・・・」


■ 時として危険な「善意」と「正義」 ■

身に見えない放射線の恐怖とある部分折り合いを付けて生きている彼と、この映像を制作した人たちの意識には大きな隔たりがある様に私には思えてなりません。

この映像を作成したのは原発反対派の方達ですが、皮肉な事に、彼が将来に渡って健康である事が、放射線の安全性を将来的に証明する事になると私は考えています。

1(mSv/年)の放射線も危険とする国際放射線防護委員会(ICRP、NPOです)の防護基準は、「放射線は微量でもとても危険」とする事で、「核の抑止力」を最大化し、世界の平和に貢献して来ました。

一方で、過剰な防護基準によって避難生活を余儀なくされる福島の原発周辺の方達は、世界平和の為の犠牲者だとも言えます。

これは、ある部分仕方の無い事かと私も思いますが、一部の方達の「善意」が福島の方達の不幸を拡大している事に私は憤りを覚えます。

人は己の「善意」を疑いません。「善意」は「正義」であると信じています。
しかし、間違った認識によって生じた「善意」は、「悪意」にも増して厄介なものです。

かつて「宗教的善意」がどれだけの人たちを戦争で殺して来たでしょうか・・・。

人は「善意」や「正義」を振りかざす時こそ、それが「真実の正義」なのかを慎重に検討すべきですが、「善意」や「正義」は時として人々を盲目にします。



■ 安倍首相が愛用するラドン吸入器 ■


安倍首相は持病の潰瘍性胃腸炎の治療として、永年「ラドン吸入器」を愛用しているそうです。

「ラドンは放射性物質の一種です。首相が使っている装置は、200万円という高額なもの。装置から発生するミスト状のラドンを口から吸い込み、血液を介して全身に行き渡らせる。通常は、1日6回、1回10分を目安に吸入するそうです」(官邸事情通)

http://www.radon-medical.com/device/index.html

上のURLでラドンミスとの発生装置の概要が分かります。


この装置によるラドンの吸入量は最大20,000Bq/6ℓ・分の様です。1回10分吸引するので200,0000Bqを吸引する事になります。さらに1日10回この吸引を繰り返します
このうちの1%が体に吸収されるようです。

天然のラドン鉱泉でラドンの量が多いとされるバート・ガスタインのラドン泉ではラドン222の濃度が110 Bq/Lですから、この装置の発生するラドンの濃度は天然のラドン鉱泉の300倍にもなります。但し、吸引時間が10分と短いので、最終的に吸引するラドンの量は天然鉱泉と同等となるのかも知れません。

ラドン(Rn222)の半減期は3.8日でアルファー線1個とベータ線2個を発生します。半減期が長い為に「史上最凶の毒物」とされるプルトニウムの半減期は2万4千年なので、同一Bqから発生する放射線の強さ(被放射能)は、ラドンの方がプルトニウムよりも圧倒的に高くなります。

この様に「最凶」とされるプルトニウムなど比較にならない程の量のアルファー線を発するラドンですが、現在でもラドン温泉の治療は医療として認められています。WHOはラドン吸引による発癌性の上昇を警告していますが、世界に点在する天然ラドンによる高放射線地域では、むしろ住民は健康だとの研究もあります。

建材に使われた石材がラドンを発して、ラドン濃度の高い住宅や地下室が存在した場合、問題となるラドン濃度は1000Bq/1㎥程度の様です。これは365日、何年もこの中で暮らしている人に健康被害(発癌)が発生する可能性があるという事で、安倍首相がラドン吸入器によって吸入するラドンの量は、これよりもずっと少なくなります。

「一国の首相がこんな危ない物を使うなんてクレイジーだ」という論調でマスコミにも取上げられていますが、低線量率の放射線が免疫系疾患に有効だという事を、国家レベルで証明しているのか、或いはこんな危険な治療を必要とする程、安倍首相の病状は深刻なのか・・・。

何れにしても一国の首相が放射線源となる様な装置が医療用として販売されているのは興味深い事実です。確かにアルファー線は到達距離が短いので対外に放射線を発する危険性はほとんど有りませんが、オバマ大統領が安倍首相を避ける原因は、案外こんな所にあるのではと妄想してしまします。

ICRPの防護基準は1(mSv/年)も危険かも知れないと定めているのに、一方ではラジウムを大量に吸引する様な医療機器が普通に販売され、さらに一国の首相が愛用している。放射線を巡る科学的な見解の虚実は、こんな所にも現れているのかも知れません。

私の記事もCTスキャンの記事などが多くネットに引用されていますが、そのほとんどが「CTスキャンだって危険だ」的な取上げられ方です。こうして、ネット社会は恐怖というバイアスに支配され易く、意外にも真実は片隅に追いやられてしまいます。

「正義」の名の下に、「真実を知る努力」を別の方向に捻じ曲げてしまった多くの方達が、もう一度ニュートラルな視点で、放射線について色々と調べる事を期待して止みません。



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タグ: 原発事故


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