明治10・1877年の今日、エドワード・モースは東京大学で初めて動物学の講義を行った。生徒は45人づつのクラス2つ。通訳なしで英語で講義は行われた。
最初に「動物学は科学であり、科学は実験と観察によって真実を知ろうとする学問である。このことを絶えず忘れないように」と言って講義は始まった。
モースは「1つの講義を2度しなくてはならず、多少疲労を感じる」と言っているが、その言葉に続けて「これほど熱心に勉強しようとする、いい子供を教えるのは、実に愉快だ」と言っている。
また「私はもう学生達に惚れこんでしまった」とも言う。モースは絵が大変上手で、しかも左右の手にチョークを持って、両手を同時に使って絵を描くという妙技を見せた。
初めての来日は6ヵ月で終わっているが、半年の間に日光旅行、江ノ島での貝類の採集、大森貝塚の発掘調査、東大での講義と忙しい日々を過ごした。
翌明治11年4月には家族を連れて再来日して12年9月まで滞在した。
再来日の時には大学図書館のために2万数千冊の本を持って来た。さらに明治15年6月から翌年2月にも来日して陶器を集めた。
東大動物学初代教授としてのわずか2年の間にモースは、近代動物学を教え、東京大学生物学会(現日本動物学会)を創設、考古学・人類学の導入、日本で最初の大学紀要の発刊、博物館の新設など新生日本の科学に大きく寄与した。
関東大震災で東大図書館の数十万の蔵書が灰となったのを知ったモースは、1万2千冊の個人蔵書を東大に寄贈している。