ほどよくシボラれたハンドルが更に取り回しを悪化させている、軽トラにラダーをかけ、狙いを定める、「セヤ!!!」いくら気合いを入れてトライしてもラダーを昇れるほどの慣性がつかない、社長に電話しても
「そんなんなんとかなるやろ!!ワレぇプロやねんからなんとかせぃょ!!」プチ、ツーッ、ツーッ…。
探し回って近所のアパートの玄関わきにあった自転車用の空気入れを借りる、運良く米式バルブのアダプターが付いていて大汗を吹き出しながら空気を入れる、カルくはなったがブレーキをヒキズっているのでまだオモい、辺りを見渡すと数百mほど先に下り坂がある、軽トラを坂道が下りきって平地になる少し手前にギアをバックにいれちぎれんばかりにサイドブレーキを引いた、ラダーかける、ブレーキとケ怠さをヒキズったまま、数百m押す、蝉の鳴き声と腐ったガソリンの匂い、たまらずコンビニに六甲のおいしい水を買いに行く。ほぼ一気に飲み干す、ペットボトルを貪りながらアタマのなかでリハーサル、残暑厳しい昼間の閑静な住宅街、人影もまばら、工藤静香似?の奥様は様子を見にくる気配すらない。
万が一単車の下敷きになったら…、本当の万が一のためにケイタイをDickiesの黒いツナギの胸ポケットに突っ込み、イザ!!
20mほど手前からハンドルをつかみ一気に押し下る、ブレーキディスク板のシャリシャリ当たる音の間隔がハヤくなる、レールを昇る途中で止まったら…、レールを睨みつける、いやっ、イケるスピードだ!!
ドン、ドンと前、後輪が順序よくノッタ手応えがあった
「ヨッシャー!!」
やった、俺よくやった…。
念のためのケイタイがなった
社長「どや?」
033「やっと積み終わりましたよ」
社長「せやろ、そうおもぉてたわ」
033「ほな」
と電話を切った
もっと早よ電話せんかい!ダボが!!
と関西弁で小声で言ってみた。
一日中関西弁だとウツルことに気がついた
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詳しい描写は後輩の単車を積んでいるウチに甦った。
ロープ一本で荷締めするやり方がある、私は“ナンキン”と教わったがご存知の方はいるだろうか。
長期にわたり建材をトラックで運んだり単車を積んだりしていたので当然のように身についたモノ、もう何年もやっていなかったから自信がなかった、念のためにラッシングやタイダウンを持参したが、意外に身体は覚えているモノだ、ロープ一本でガッチリ固定するコトが出来た。
ギャップをノリこえる度にバックミラーで単車を気にすること、ロープを解く順番を間違えると大変なことになること、積むよりも降ろす方が案外ムズカシかったりすること、ロープをキレイにまとめること、軽トラの狭い車内は30分で慣れること、グルグル回す窓が使いやすいこと、パワステではないクルマのハンドルが心地よいオモサだったこと…。
あの日、研修中の昼休みに出て行った彼、まーだ昼飯喰っているのか…。