附合契約  法律

今日は,電車で移動でした。
電車の中で,おばあさんが電車が運行停止になっていて振り替えバスが走っていたけれど,混雑していたので結局それを利用しなかった,これって払戻ができますか?と車掌に尋ねていました。
車掌は,振り替えバスが出ている時には,払戻の対象にはなりませんと答え,おばあさんは,仕方がないなぁといって諦めモードでした。

なんか不当じゃないか。そう思って調べてみましたが間違ってますね,この対応。

電車に乗る場合には,JRが旅客営業規則を定めており,切符を購入した段階でこの契約が成立するとしています。
こういう相手方が条件を提示して,これを呑むか呑まないかという選択肢しか与えられない契約を附合契約といいます。

以下,JR東日本の旅客営業規則を例にします。

(契約の成立時期及び適用規定)
第5条 旅客の運送等の契約は、その成立について別段の意思表示があつた場合を除き、旅客等が所定の運賃・料金を支払い、乗車券類等その契約に関する証票の交付を受けた時に成立する。
2 前項の規定によって契約の成立した時以後における取扱いは、別段の定めをしない限り、すべてその契約の成立した時の規定によるものとする。


普通の人は,こんな規則の存在自体知らないために結局駅員の言うがままになってしまう場合がありますが,本来は,その根拠はどこにありますか?規定を見せてくださいと言うべきなんでしょうね(嫌われると思いますが・・・)

さて,この場合,営業規則によっても282条で振り替え輸送を利用しなくても払戻請求ができます。
ただし,286条に従い,旅行中止駅で払戻の手続をしなければならないことになります。

(旅客運賃・料金の払いもどし駅)
第286条 第282条の2・第284条又は前条の規定により、旅客運賃・料金の払いもどしを受けようとする旅客は、次の各号に定める駅で旅客運賃・料金の払いもどしの請求をしなければならない。
(1) 無賃送還の取扱いを受けない旅客は、旅行中止駅
(2) 無賃送還の取扱いを受ける旅客は、送還を終えた駅
(3) 他の経路を乗車船する取扱いを受けた旅客は、旅行を終えた駅


そうすると,先のおばあさんの場合,乗り換え先の電車で言っても,この営業規則を理由に旅行中止駅に行かなければ,払戻をしてもらえないということになります。

しかし,考えてみれば,運行中止になってもその後の乗り継ぎに間に合わせたい場合には,そんな暇がないこともあります。
 そこで,これを争うには,この規定は利用者に著しい負担を課すから(特に旅行先であった場合),公序良俗に反する(民法90条)とか消費者契約法あたりに絡めて,そもそも当該附合契約の規定がおかしいと主張していくことになろうと思います。

ただ,多くの場合,金額に比して労力が大変なので泣き寝入りしている方が多い現状なんでしょうね。
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