「悪魔」,「アグニの神」,「浅草公園」,「あの頃の自分の事」  読書

 移動中の短い時間に読むのに,芥川龍之介の文章は手頃であることを発見してから,芥川を読むことが増えました。で,読み始めると印象も日々変わっていきますね。
 今日は,そんな芥川の短編など4つを(いずれも青空文庫)。

「悪魔」
 文字通り悪魔の話。「私はその魂をいやが上にも清らかに曇りなくしたいと念じたのです。が、さうと思へば思ふ程、愈(いよいよ)堕落させたいと云ふ心もちもして来ます。その二つの心もちの間(あひだ)に迷ひながら、私はあの輿の上で、しみじみ私たちの運命を考へて居りました。」
 守りたいと思いながら,貶めるその心情。
 
「アグニの神」
 インド人の魔術婆さん,日本人の娘妙子を誘拐し占いに利用してます。誘拐された娘を捜す遠藤,妙子を見つけますが婆さんの魔術の前に及びません。こういう奇怪な雰囲気を描かせると芥川はうまいですね。後日談も付け加えたい気がしました。

「浅草公園 或シナリオ」
  副題どおり短い文章で構成される不思議な作品。その描写スタイルは,ミュージッククリップのようですね。誰か映像化していないんでしょうかね。浅草で父親とはぐれた子どもを中心にした不思議世界。
 「彼の手に持った一本の帯。帯は前後左右に振られながら、片はしを二三尺現している。帯の模様は廓大(かくだい)した雪片(せっぺん)。雪片は次第にまわりながら、くるくる帯の外へも落ちはじめる。」
 鮮やかですね。文中に出てくる「かもじ」って,一種のかつらみたいなものなんですね。知りませんでした。

「あの頃の自分の事」
 大学時代の思い出という感じ。芥川の当時の文学嗜好や当時の文壇の状況なんかが分かって面白い。読んでおくべき一編。
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2009/4/10  22:55

投稿者:dubdub

 ゆきさん こんにちは
 青空文庫で芥川を読むのは至福の時間ですよね。

 既読かもしれませんが,芥川の「馬の脚」も面白いですよ。

2009/4/10  20:13

投稿者:ゆき

はじめまして。
私も今日青空文庫でこれらの作品を読みました。
中でも、「浅草公園」の不思議な雰囲気に魅かれ、yahooで検索してこちらのブログを拝見させて頂きました。
ミュージッククリップという表現は素敵、というか、自分の中でしっくりときました。
「あの頃の自分のこと」は小説ではないようだったので読まなかったのですが、このブログを読んで興味がわいてきたので、読んでみようと思います。


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