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<平成24年11月4日追加あり>


 かなり間あいてしまったけど、続きです。 


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「で、俺達に?」
 話を聞いたブラウアーは、見て分かるほど呆れた調子をとった。嫌がってるのが分かる態度も。それが意味のない事だと分かってはいるが、そうせざるえなかった。今回出された命令はそれだけ筋違いに思えた。
 ゲリラに奪取された浄水施設の奪還。それが今回ブラウアー達にまわってきた仕事であった。
 そんなものは本来政府の仕事である。多国籍企業でこのあたりの関連施設を防衛するのが役目のブラウアーたちのものではない。
 それは指示を出してきた警備部の部長も分かってはいるようで、「まったくだ」と述べてくる。
「だが、政府はあてにならん。それにこの施設を利用してるのは我々も同じだ。無いと困る」
とも述べてきたが。
「それで俺達が奪還に行くんですか?」
「そういう事だ。残念ながら今に始まったことではない」
「なんとまあ……」
 呆れるしかない。
「軍はいったい何をしてるんですか?」
「何もできんでいるよ」
 部長はあっさりと言い切った。
「ゲリラが軽装備だった頃ならちゃんと対処していたんだが。向こうがVM(バーティカルマシン)を持ち出した事で状況は変わった。今ではほとんど対処できんでいる」
「そりゃまあ、そうでしょうが」
 そのあたりの事情はブラウアーとてよく分かる。
 ラウフ共同体という国はそれほど豊かというわけではない。一つの大陸をまとめる政府も、発足してさほど時間がたってるわけではない。その影響は各所にあらわれている。
 軍も中央ならそれなりに充実しているが、末端に行けば装備も訓練も質が落ちる。この地域も例外ではない。軍が装備してるVMは旧式機がほとんどで、数も揃ってるわけではない。
 また、少ない人数で広範囲を受け持ってるのも災いしてる。
 正直なところ、軍だけで対処出来るわけもない。
「だからウチでやるんですか?」
「そういう事だ」
 ブラウアーの問いかけに部長は頷いた。
「カールホーファの仕事の一つだ」
 この部分だけは部長もしっかりと口にした。


 カールホーファ鉱業。
 ラウフ大陸に古くから食い込む、サントル連合の企業である。
 元々独占企業として始まり、なかば国営企業として成り立ってきた。その後様々な分裂・合併を繰り返して現在に至ってる。
 その中心がカールホーファ鉱業であり、関連企業はラウフ全土に散らばっている。
 もっとも、同業他社の進出などでその影響力は着実に下がってきてはいるし、もっと大きな業績を上げてる企業もあるが。
 それでも設立当初から自社の警備という名目で武力を持ち込んでいたカールホーファである。それらは実際には地域の制圧などに繰り出され、また権益を守るための防衛部隊として活動していた。
 長い年月の中で、実質的な軍隊とも言えるものになっている。
 部長のいう『カールホーファの仕事』というのもそれらを含んでいる。
 独自の部隊だけでなく、現地人を組織して成立させた防衛組織などを指揮して会社と地域の安全を担っていた事もある。それらはラウフ共同体政府に委ねられたが、長年の伝統はそう簡単に崩れるものではない。
 カールホーファも持っていた権益を簡単に手放す事はしぶってるし、ラウフ共同体も担ってる役割を背負うだけの力を持ってるわけでもない。暫定措置という事になってるが、地域における治安活動などにカールホーファも参加している。
 実質的な軍事活動であるが、名目上『ラウフ共同体からの要請』であり『政府への協力』という形にはなっている。だが、要請があればカールホーファはたいていの場合出動する。
 それは何も善意というわけではない。


 地域の安全が脅かされれば利益を損なう事にもなる。会社にとっても良い事ではない。商業活動は安定した場所がなくては成り立たない。争いがあればそれだけ警備のための経費もかかる。
 独自にVMなどを運用するカールホーファのような巨大企業は、地域安定も業務の一つだった。投入する経費の分だけ売り上げが上がる、というのが紛争の絶えない地域における企業の認識でもあった。
「では頼んだぞ」
 部長はそういってブラウアーに命令書を出した。他に話す事はない、と言わんばかりに。ブラウアーとしても命令拒否するわけにはいかない。
「了解」
 それだけ言うと部屋をあとにした。


 整備場。
 ブラウアーがやってくると既に部下は並んでいた。
「全員いるな?」
「はいよ」
「おう」
 返事は適当だった。正式な軍でないのだからそこまで規律に厳しいわけでもない。そしてだらけた返事に反して彼らはそれなりの手練れだった。
「もう聞いてるとは思うが、浄水施設を奪還しにいく。最後の通信から、敵はVMを装備してるのが判明している。気を抜くなよ」
「それで、敵の数は?」
 後方支援のミカル・テルンが尋ねてくる。
「残念ながら分かってるのはこれだけだ。なにぶん、通信情報がこれだけだのようなのでな。襲撃を受けたのも一時間前。偵察は出されてるが、報告はまだ行われてない」
 その声に全員が一様に呆れ顔になった。
「マジっすか?」
 その気分を代表するようにヴィットリオ・ロレンツィが声を上げる。
「本当だ」
 ブラウアーの声に全員が更に顔を見合わせる。
「いつも通りですが、もう少し何とかならんもんですかねえ」
 ヴィットリオと同じ前衛担当のロジャー・グリフィスが顔をしかめる。危険は当然の仕事だが、だからといって無謀な突撃をしかけるのが任務というわけではない。確実に勝つのが求められてるし、その為には事前情報が不可欠だ。
「それはおいおい調べるしかないだろう。向かう途中で偵察からの報告があるかもしれないしな」
「期待はできませんけどね」
「そういうなロベール」
 ミカルと共に後方支援を担当するロベール・クローをなだめる。
 言いたい事は分かるしその通りだと思うが、上に立つ以上放置するわけにもいかない。
「こんなのいつもの事だろ」
「その通りですけどね」
 言いながらロベールは苦笑する。指示には従うが言いたい事は言わせてくれ、というのだろう。
 それについてはブラウアーもとやかく言うつもりはない。貯め込んで腐るよりも、発散して事にあたってもらった方がよっぽどいい。それはこれまでの経験で悟った事の一つだった。それに、ここには任務放棄をするような者はいない。
 口で何をどれだけ言っても、それで仕事が最悪の結果になるという事はなかった。むしろ達成率と損害の少なさは他の部隊よりも上である。
「あと、無人偵察機の状態は?」
 そちらの担当者にも尋ねていく。
「整備状態は問題ないわ。ただ、状況次第で電波の通りは悪くなるかもしれないけど」
 本社から来ているコーデリア・サリヴァンは正直に告げた。
「砂嵐とかが起こらなければ問題ないはずだけど」
「ま、それはいつもの事だしな」
 当面問題になるような事は無い。そう判断したところでブラウアーはあらためて指示をだす。
「状況次第だが俺とオスカーで突入、チェスターとヴィットリオはロベールとミカルの防御。状況次第では突入を」
「了解」
「はいよ」
 返事は先程のだらけたものとは違った。
「ロベールとミカルはいつも通り後方から砲撃を。ただ、施設には当てないようにな」
「もし敵が施設に籠もっていたら?」
「その時は砲撃を控えてくれ」
「分かりました」
「オスカー」
「はい」
「お前は俺と一緒に突っ込んでもらう。いつも通りだ」
「了解です」
 今まで黙って話を聞いていたオスカー・アインハルトはそこで初めて声を出した。小隊に配属されて一番日が浅い新参なので発言は少ない。
 それでもこの雰囲気には馴染んできたようで、先輩達にいじられながらもやるべき事はやるようになってきている。ブラウアーと共に真っ先に突入する、という役割も。
「よし、全員搭乗」
 ブラウアーの指示に従って全員が自分の機体に向かっていく。
 チェスターとヴィットリオは前衛用のフェールに。
 ロベールとミカルは支援砲撃のロケットランチャーを装備したシュタール2に。
 ブラウアーとオスカーも自分達の機体へ。
 この中では一番唯一のGS2(グラウンド・スライダー)のロッシュに。
 搭乗用の階段をのぼり、背部の操縦席に向かう橋を渡っていく。


 席に入るとすぐに搭乗口が閉じられる。そのまま馴れた手つきで全員が機器を起ち上げていく。正面の画面、計器、動力などが動き出す。頭部に設置されてるカメラなどが捕らえた外部の様子が正面に映し出された。
『聞こえるか?』
 ブラウアーの声が通信機から入ってくる。
『外に出てトレーラーに乗るぞ』
 ブラウアーのロッシュが先頭を進んでいく。オスカーが、そして他の者達が続く。外に待機していた三台のトレーラーにそれぞれ二機ずつ搭乗する。
 搭乗したところで固定器具が設置されてく。途中何事もなければこのまま目的地まで向かうことになる。操縦席の中でその様子を眺めていた六人は、作業をしてる者達をカメラ越しに眺めていた。
 画面には、途中まで警護する装甲車の姿も映っている。
 移動中は基本的に彼らが最初の応戦を行う事になっている。VMが動き出すまでの。その間に固定器具を外部からの操作で外したVMが動き出す手はずになっている。
 そんな事態にならないよう願いながら出発の時をまつ。準備時間はたいしてかからないはずだが、妙に長く、あるいは短く感じられる。どっちなのかは人それぞれといったところだが。
 ブラウアーはその中で各部署のからの報告を聞いていた。
『トレーラーはいつでもいける』
『警備装甲部隊、準備完了』
『武装警備員部隊もいける』
『備品輸送隊も大丈夫だ』
 それらを聞いてからあらためて通信を送る。
「司令部、聞こえるか? こっちの準備はととのった」
『了解。すみやかに行動を開始せよ。健闘を祈る』
「了解」
 それを聞いたブラウアーはあらためて全員に通信を送った。
「出撃許可がおりた。いくぞ」
『『『『『了解!』』』』』
 部下から、各部隊からの返答が重なる。先頭を努める装甲車から始まり、VMを乗せたトレーラー、武装警備員という歩兵部隊を乗せたトラック、補給物資を乗せたトラックが続く。
 最後は殿軍を努める装甲車が陣取り、一行は浄水施設へと向かっていった。




<了>


********************************

<平成24年11月4日分>


 現場に向かっているという偵察部隊より連絡が入ったのは、出発して数時間が経過した頃だった。浄水施設まであと二時間ほどで到着する距離まで近づいてきた。
 待ちに待ったその情報に、ブラウアーは胸をなで下ろした。このまま事前の情報もなしに突入する事になるのか、と思っていたところである。
「状況は?」
 合流した偵察隊にブラウアーは質問をぶつけた。
「確認できた敵戦力は、GS八機、軽戦闘車両十台。武装した兵士数十人といったところです」
「装甲車はないのか」
「はい、そこまでは。あとはGSや物資を運搬していたトラックくらいです」
 戦力としてはそこそこである。今のブラウアー達と規模はさほどかわらない。装甲車があるぶんだけブラウアー達が有利といえる。ただし、状況を考慮しなければ、であるが。
 浄水施設を取り返す必要があるからその分ブラウアー達は不利になる。施設の損害を最小限におさえるためには、どうしても攻撃の仕方を考えねばならない。施設に立てこもられたらそれだけでブラウアー達は攻撃をためらう事になる。
 また、施設の周囲は特に遮蔽物がない。物陰に隠れながら近づくという事もできない。相手の腕次第だが、近づくまでにそれなりの損害がでるのを覚悟しないといけないだろう。
「敵だけ正確にたたければなあ……」
 難しいところだった。
「ミカル、無人偵察機からの情報を使って支援砲撃はできるか?」
「ちょっと厳しいですね。グレネードもロケットランチャーも精密射撃にはむいてませんし」
「そうだよなあ」
 ミカルの言うとおりである。
 長距離攻撃用の砲ならともかく、ロケット弾は基本的に爆発によって面を制圧する武器である。命中精度はさほど重視されてはいない。
 普通に戦闘する場合ならともかく、周囲に気を使わねばならない場合には扱いづらい。だが、火力の支援がなければ、敵の攻撃を受けながら近づく事になる。おそらく損害は相当なものになるだろう。
「どうします?」
 チェスターの声にブラウアーは考え込む。それを見ていたオスカーが口を開く。
「これ、あれが使えませんかね」
「あれ?」
 全員の目がオスカーに向かう。
 それを受け止めたオスカーはうなづいて自分の考えを披露した。話を聞いていくうちに全員の顔に浮かんでいた疑問が納得に変わっていく。
「なるほど」
「それならもしかしたら」
 居合わせた隊員達がうなづいていく。
「試してみる価値はあるな」
 ブラウアーもそう言って方法を検討する。直接的な火力が使いづらい現状では、おそらくオスカーの述べた手段が最適であろう。
 敵を直接撃破する事だけ考えていたブラウアー達にはなかった発想だった。
「となると武装をどうするかだな」
 そういってブラウアーは、オスカーの提案を活かすための装備を考えていく。他の者もそれにならっていった。


 二時間後。
 装備の交換と兵力の展開についてまとめ終わったところで行動が開始された。
 迫撃砲を装備する武装警備員(歩兵)部隊が射程距離まで近づいてそれを設置。準備が完了したところで砲撃を開始する。
 装甲車はその間武装警備員(歩兵)の周囲で警戒にあたる。ブラウアー達VMは、施設からでてくる敵GSに備える。立てこもらずにでてきた場合には交戦を。
 大雑把ではあるが全体的な動きはこれでいく事になった。
 また、砲撃が開始されたら即座にブラウアーとオスカーは突入。チェスターとヴィットリオは二人が内部に突入するまで部隊の護衛に回る事になった。二人が突入するのは、内部からブラウアーとオスカーが入り口を開いてからになる。
 あとは実際に動いて成功させるだけである。全員に持ち場での全力を尽くすことが求められた。「無人偵察機をあげろ」指示に従って無人偵察機が空へととんでいく。先行するこれは施設の様子を上空からとらえてくれるだろう。
 それを見ながら細かいところを変更していかねばならないが、これは敵の出方をみないとどうにもならない。そのときにどれだけ適切な修正が出せるか、そこが作戦全体の正否を変える
 自分達の作戦が相手の動きを上回ってる事を、敵が自分達より愚かな事を願いつつ、ブラウアー達は進んでいった。


 目標地点の近くまできたところで、トレーラーからGSをおろしていく。ここから先は敵との交戦がありえる。荷台に載ったままでは戦闘に対応できない。
「行くぞ」
 あらためて号令をかけるブラウアーに従って、GS・装甲車・歩兵トラックが移動していく。
 当面の目標は、浄水施設から数キロ離れた場所。迫撃砲の射程圏内である。
 向かっていく途中でブラウアー達はデータリンクされてる画面をのぞき込む。現在のところ敵は施設内に陣取ったまま動こうとしない。ただ、こちらの接近を確認したのだろう、施設内での動きがあわただしくなる。
 GS、軽戦闘車両、兵士達が物陰に隠れていく。相手はそこらのゲリラと違って多少は賢いようだ。外にでて派手な戦闘をしようなどとはしない。このあたりは少し感心した。
 ただ、今回はその方がありがたいと思った。
「こちら武装警備小隊。目標地点に到着しました。すぐに設置します」
「おう、急いでくれよ」
 返事をしながらレーダーと画面を交互に見る。敵から攻撃が仕掛けられる様子はない。
 だがいつまでも敵が黙ってるとも思えない。一秒でも早く武装警備員達が攻撃をしかけるのを待った。装甲車が警備員達の周囲を囲み、その前にブラウアー達が陣取る。
 施設との距離はかなり近い。GSの持ってる装備ならギリギリ交戦が可能なほどに。幸い敵はまだ攻撃をしかけてこない。相手はかなり慎重な性格なのだろうか。ゲリラにしては頭が回る。
 射程ギリギリのところで攻撃を仕掛けても、弾丸が無駄になるだけである。もし戦闘をするならば、もう少し近づいてきてからにするだろう。ブラウアーもそれを考えてギリギリの距離に身をおいている。
 心臓に悪い事この上ない。攻撃の可能性が少ない、あっても命中する可能性が低いとあっても、攻撃に身をさらすのは良い気分ではない。早く準備がととのうように願う。
 待望の声はそれから十分もしてからやってきた。
「設置、終わりました」
「攻撃開始!」
 即座に返答をしたブラウアーに続き、警備員達が砲撃を開始する。最初の一発が着団するのを見て修正をほどこし、あらためて本格的な攻撃を開始していく。
 次々に撃ち込まれる砲弾は、施設の内外に飛び込んで白い煙を噴き上げていった。煙幕弾である。それに続いてミカルとロベールの二人もロケットランチャーで砲撃を開始する。
 この二人が放ったロケットも、盛大な白煙を放って敵を包み込む。殺傷能力はないが視界を奪うには十分だった。それらが充分に敵をくるんだのを見越してブラウアーは突入していく。
「いくぞオスカー」
「了解」
 動き出す二機は最高速度で施設へと向かっていった。煙幕に囲まれて視界は遮られてるが、無人偵察機からの映像で、何がどこにあって敵がどこに潜んでるのかは把握出来ている。
 加速からブースターによる飛行。
 施設をとりまく外壁を越えてその奥へ。
 敵の頭上を越えて一気に内部に突入する。その途中データリンクで照準をあわせた敵GSに攻撃を加える。物陰に隠れていたつもりの敵は、避ける事もなく撃ち抜かれた。
 着地した二機は近くに潜んでいた兵士達を撃っていく。VM相手の武器である。人間が狙われたらひとたまりもない。文字通り飛び散っていく敵は、瞬時にボロ切れのようになった。それらを省みる事もなく二人は施設内を移動していく。
 できれば門の方に向かってそこを解放したいが、そちらに向かえば敵に囲まれる。戦力を削ぐのが先だった。それを二機で行うのは確かにきつかったが。それでも不意を突いたのと敵の背後に回ったことかなり有利に動く事が出来る。
 上空からの目もありがたかった。
 物陰に隠れてる敵がどこにいるのかが無人偵察機のおかげで一目でわかる。それが分かれば仲間に指示を出していける。
「こっちの方に煙幕はってくれ」
「はいよ」
 そして打ち込まれる煙幕が敵の視界を奪う。そうして敵が攻撃できない間に距離を詰め、銃弾を撃ち込んでいく。
 背後だけはとられないよう気をつけながら、一機、一台と撃破していく。突入して十分も経つ頃には、敵のGSと軽戦闘車両は半減していた。
「そろそろ門を開けるか」
「了解。行ってきます」
 ブラウアーの言葉をうけてオスカーが動いていく。
 門まで移動したオスカーは、それを開いて仲間が入ってこれるようにする。それを見てチェスターとヴィットリオが動き出した。続いてミカルとロベールも。装甲車や警備員は迫撃砲があるのですぐには移動できない。
 彼らが移動に向けて作業をしてる間に、ブラウアー達は内部の敵を駆逐していった。支援砲撃が任務のミカルとロベールはハンドガンに武器を持ちかえる。合計六機のGSはその時点での敵戦力を上回った。
 GSは脅威だが、数で上回っている。軽戦闘車両や歩兵が持ってるのはせいぜい機関銃でありGSの装甲を貫くにはいささか威力が足りない。携帯型のロケットランチャーなどを持ってるならば気をつけねばならないが、それらは今のところ見ていない。
 そもそも装備の乏しいのがゲリラである。高価な対装甲装備を保有してる事は希だ。今回のゲリラもそこまで裕福ではなかったようだ。
(VMを持ってくるくらいなら、ロケットランチャーでも用意すりゃいいのに)
 それがVMのパイロットであるブラウアーの率直な感想だった。
 操作に習熟がいるGSを揃える金があるなら、その分でロケットランチャーを大量に保有した方がいい。歩兵が物陰から大量にこれらを放てばそれだけでVMは撃破できる。野外の、特に見渡しのいい平原なら話は別だが、歩兵が立て籠もるならばそちらの方がよっぽど戦果を上げられるだろう。
 こうして立て籠もってる敵を相手にしてるとつくづくそう思う。とはいえそんな事を相手に教えてやる義理もないし、脅威が増えるような事をやるつもりもない。敵が賢くならないうちに殲滅するべくブラウアーは搭乗するGSのロッシュを動かしていく。
 残る敵もGSが一機、建物内部に籠もった歩兵が何人か。戦闘車両などは完全破壊したところで装甲車と武装警備員達が乗り込んできた。この施設の奪還ももう少しで終わるだろうと思われた。実際十分もしないうちに残った敵は制圧された。


 奪還した施設にて残存してる敵の捜索がはじまっていく。少しでも敵が残っていたら後で被害が出てしまう。それは避けねばならなかった。今後施設を運営するための技術者もやってくる。安全の確保は急務だった。
 また、ゲリラが再度やってくる可能性もある。この施設の警備は別の組織(おそらく現地の警察や軍などになるだろう)が担う事になるだろうが、それまでは当面ブラウアー達で警備しなければならない。
 誰の為でもない、結局は自分達の為にもブラウアー達は施設の安全を確保しなければならなかった。外で待機していた物資運搬用のトラックも中に入れる。それを守るためにも内部の敵は殲滅するしかなかった。
 外部からの攻撃だけでも面倒なものである。内部にまで敵が潜んでいたらたまらない。
 もはやカールホーファの警備という仕事の領分を越えてると思うのだが、交代要員達が来るまでは乗り切らねばならない。
「まったく……」
 通信機のマイクを外してぼやく。現地の治安の悪さ、対応出来ない警察・軍の弱さと、横行するゲリラに腹が立つ。こんな争いをしてる暇があるなら、土を耕し、技術を身につけ、工場を動かしてれば良いのに、と。
 意味のない争いが世の中に余計な負担をかけてるのが、ラウフ共同体が弱体な理由である。それは共同対政府だけではなく、社会全体の足を引っ張る事であった。
 ゲリラが独立や解放をかかげるのは自由だが、結局それがラウフの自立を妨げている。その事に気付いてるのかいないのか。そういった現実に接しているブラウアーからすれば、ゲリラというのは矛盾と無駄の集合体にしか思えなかった。
 とはいえブラウアーとてラウフの将来を憂いてるというわけでもない。単に無駄な仕事が増えるのが嫌なだけであったが。それでも争いを否定してる点でゲリラ共よりはマシだとは思っていた。



<了>




********************************



 というところで一区切りです。
 続きが早めに書けるよう頑張りたいところ。




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