ヒグマに思う  林とこころ

去る16日、静川のログハウスで小さなミーティングをしていた午前11時過ぎ、

別の用事で来ていたNPOの女性会員が「今、クマが林道を横切った」と少し

慌てて戻ってきました。その瞬間、「とうとう身近な人たちに目撃か」という

感慨が起きました。


わたしが勇払原野に関わり始めてからの約半世紀近く、ヒグマの話は時々出ては

忘れられ、時には猟友会が出たとニュースになったりしました。勇払原野の一部の

沼ノ端界隈が新たに住宅団地になり、携帯電話が普及するようになってからは

より頻繁に穂と目につき通報が容易になったことなども背景に、このところ

ヒグマ情報は益々多くなっています。苫東のなかですら、耳を澄ませば年に数回、

ほぼ確実にヒグマ情報が聞こえてきます


ここで深く考えてみたいことは、勇払原野を移動するヒグマは、その「十分な

緑地面積」のせいか、ニアミスによる殺傷事件などはなく、被害といえば

ミツバチの巣箱と試験栽培の農地ぐらいで、人の対応で回避できるものです。

緑地の在り方次第ではヒグマと共生できる、いや「現状では共生せざるを得ない」

というべきですが、残念ながら勇払原野におけるヒグマとの共生は、取り組みと

して光を浴びることはまだなさそうです。


写真は今から20年近く前、苫東で捕獲されテレメーターを取り付けられて、

地域の科学的なヒグマ移動情報を発信したヒグマ「トラジロウ」です。

ヒグマを捕獲することは比較的簡単なので、個人的には、苫東にやってくる

ヒグマのすべてに発信機を取り付け、移動情報を管理する方法があると思います。

これはすでに知床で試みられたはずですが、専門家はその情報をどう利用するのか、

これも大変難しい事情があると言います。しかし野生動物が移動する都市近傍でも

リスク管理と生き物との共生を探る実験としてぜひ考えてほしい地域テーマだろう

と密かに思っています。

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土地土地の林の管理方式  林とこころ

6,7年前から、将来、大木になりそうな樹木に印をつけてみている。作業個所では

その樹木の周りを透かしている。将来木施業と呼ばれる方法と似ているけれども、

苫東ではそれがちょっと違う。


大木になると倒れるのである。火山灰で根が浅くしか張れないから、

大きくなって風当たりがよくなった順に倒れるのだ。近く、土地の所有者の

緑地検討委員会で、森林管理の提案をしてほしいというリクエストがあり、

そこでわたしは「苫東方式」という、長年ここの林を見て、いくらか実践し、

感じてきたことを簡単にまとめたこのワーディングでお話ししようと思う。

しずかにゆっくり付き合ってたどり着いた言葉で、ここに合う方法、いや

考え方である。もちろん、国内以外、あちこちの森づくりを見てのことだが、

意外とシンプルなことで言わば「倒れる前に伐って利用する」という抜き切り

である。


浜田久美子さんが『スイス林業と日本の森林~近自然森づくり~』という新刊で、

スイスの近自然森づくりを紹介しているが、苫東方式はこれに近い。収穫が

そのまま手入れになる、という優勢間伐である。皆伐を原則としてしないで

持続させるという課題を持つ苫東の保全緑地と周辺では、まず風倒木、掛かり木、

ツルなどに絡まれたケガレチ的林をまず改良の除間伐をしてきた。気持ちの

良い林への一歩だ。次のステップとして、これから風倒木予備軍を切るのである。


少しずつ折に触れやってきたが、根返りの兆候を見つけるためには林を

よく歩かなければならない。大木をマークし、倒れそうな木を見つけるのだ。

このためもあってわたしは林を目指してきた。他人の林だが、コモンズ林

という側面を持つ林の、決して多くないファンのひとりだと任じている。

残念ではあるけれどもよく言われるほどには、林を歩くのを趣味にする人はいない。


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サンマに見るコモンズ  林とこころ

サンマの漁獲規制を協議する「北太平洋漁業委員会」が15日閉幕した。国民をして、よくもまあ、

こんな都合のいい提案をするものだと思わせるほどの、お人好しのプレゼンを日本側はした、

と思った。サンマが日本の排他的経済水域に入る前に、中国、韓国、台湾の漁船に獲られて

しまうので、これまで独占的に常食としてきた日本が自分に都合の良い枠を関係各国に提示

したのだった。問題は、スルメイカ、サケのほか、カタクチイワシ、カツオ、スケトウダラ、

マアジも同様で、ここ10年の間に1/2または1/3になったものも少なくない。


これは、わたしたちの日常にあるローカルなコモンズに対して、グローバル・コモンズと

呼ばれるジャンルの話で、ルールがなければ破たんあるいは紛糾する。日本が東アジアで

進めている外交政策は伝統的コモンズの課題解決方法のアプローチと見てきただけに、

サンマ提案はやや唐突に思えた。もうひとつ、知恵がなかったものか。


 というかたわら、先週英国湖水地方に出かける前後にジェームズ・リーバンクスの

『羊飼いの暮らし』を読み始めた。湖水地方において、領主から固有の羊を放牧する土地を

コモンランドとして利用し生業を成立させていて、著者はそこに生まれオックスフォード大学

を卒業したそこのコモナーでもある。5,000年も同じ暮らしをして来たという。描かれている

のは、住民自らが土地を管理する日常であり、ワーズワースが書いた湖水地方は文化帝国主義

といえるくらい似て非なるものとして違和感をもっている。こうしてコモンズの内側から

生活や概念を詳述したものは実は初めて読むような気がする。ニューヨークタイムズに

絶賛されたベストセラーで、コモンズは今、時代を読み解くカギになっているのだろうか、

と思う。


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林は飲み込み、与える  林とこころ

24日土曜日は、朝いちばん、Mさんがトラクターで応援に来て散らばった薪を集めて

くれたので、ついでに残された腐った木片は林の中に運んでもらった。土に還元だ。

林とは本来こんな風に、何でも飲み込んでくれる、分解還元ヤードだった。ここに

持っていけば、ブラスチック以外はたいてい分解してくれる。これで、薪ヤードの中にも

苫東の刈り払いトラクターが入ってくれるだろう。



林はつくづく働き者だ。

なんでも飲み込んでくれるという話で思い出したが、アイヌの人たちは林は

ドラッグストアとみなしていたという。わたしたちも山菜など食料庫として見る

時期がある。燃料の倉庫ともいえる。ヨーロッパでは、ラブホテルだった、という。

姥捨て山でもあり、駆け込み寺でもあり、すべてが許される避難所、隠れ家、

すなわちアジールでもあった。森林で癒されるから病院でもあり、特に精神科や

セラピストだともいえる。そしてお墓用地である。



そして大事なことを忘れていた。元気な林ならCO2を吸って酸素を供給して

くれ、その収支はプラスである。日陰を作って、音も遮断する。昆虫を含む動物の

すみかでもある。バクテリア、菌糸、もろもろの植物もつながっている。



こうしてみると、林というのは機能が半端でないほど多岐多様で、深い。

わたしたちはそのほんの一部しか使えていない。特に腐るものを捨てる、

というのは盲点だった。禁じ手としてご法度にしていた。
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自然は誰のものか  林とこころ

先日「土地は誰のものか」という一文をしたためましたが、今回は「自然」。北大苫小牧研究林で長く林長を務められた石城謙吉氏の講演集で、出版社は札幌のエコ・ネットワーク。先生は講演の際に壇上でいつも胸ポケットから原稿用紙の束を出され、しかしほとんど目を落とされなかった。いつだったか直接尋ねたことがあるのですが、必ずちゃんと講演原稿を書くのだそうです。そしてたしか晩年の仕事にまとめるつもりだとおっしゃっていたような。どうもそれがこの本になったようです。

 語るような諭すような表現、語り口には科学者としての厳しさよりも教育者としての優しを感じさせ引き込まれるような雰囲気があるのは、さすが他の追随を許しません。特に先生が書かれているように「自然保護に携わっている方々への連帯のメッセージ」と位置付けられておられ、視点は明確で関係者は再確認されたのではないかと拝察しました。

 わたしは個人的に先生にはイデオロギーを越えて森づくりという土俵でいろいろアドバイスをもらい意見交換もさせてもらったので、演習林(研究林)と苫東という立場や肌合いの全く違う「都市林」という概念を共有できたつもりでしたが、しかし、そこにはやはり大きな川があったというのが今の心境です。

石城先生が昭和48年に苫小牧に赴任して取り組まれた地域環境保護の運動、ずばり苫東反対運動のその「苫東」の森づくりが、51年に初任地として来た苫小牧におけるわたしの仕事だったからです。開発側に身を置いて自然に関わったわたしは、したがって今回のこの著作「自然は誰のものか」を、是々非々の立場で読ませてもらいました。

 あらためて言うまでもなく、経済的基盤の弱かった北海道は、開拓の時代からこのかた、農業・宅地・工業の各々の分野で開発は不可欠の条件にあった、そして森林や原野という自然は土地利用を替えざるを得なかった(=開発)、そうしないと道民は職と豊かさを求めて本州に渡らざるを得なかった、という状況だったと考えています。

手つかずの自然の大地をすべてそのままにしておくという考え方に立つのならばともかく、維新後の開拓、戦後の入植、燃料供給等、時代の要請に応えざるを得なかったのが北海道でしたから、「手つかず」から「人の住める大地」への改変はやはり避けられなかった、いや不可欠だったとわたしは思います。

 もちろん、国や自治体が進める公共事業の方向が間違っていたり、惰性で無駄な事業を進めることは正さなければなりません。しかし経済的でかつ文化的豊かさは求められていたのも事実で、苫東反対運動時によく言われた「煙の下のビフテキか、青空の下のおにぎりか」という、二者選択ではなく、できればクリーンで緑豊かな中での多様な文化生活をわたしたち道民は本心で望んでいました。決して北朝鮮を理想となどしていなかった。

そのために、港も道路も農地も宅地も、学校や病院とともになくてはならないものだった。それらは大きな計画に基づくプロジェクトによってもたらされてきて、税金が再配分されてきたのでした。そうして100年余りで500万人以上が住む、近代的な生活を営む島ができあがったのではなかったか、歴史の中の北海道の歩みは肯定したいと振り返るのです。

 石城先生の今回の著作は、そういう観点で見ると、自然保護か開発かで揺れてきた北海道、特に苫小牧の位置づけを考えるうえでとても大切な意欲的な提言をされてきたことがよくわかります。来し方を振り返り将来を占う意味でも大事な問題提起をされていると思います。自然はみんなのもの、と考えるコモンズの視点を掲げる一市民としては尚更、学びの泉にしたいと思います。
 
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林が再生するのに立ちはだかる壁  林とこころ

日曜日、先週に続いて今季2回目となる「ホッキとフキノトウのかき揚げ」をした。

ホッキは家人が午前中に店で確保したので、残るはフキノトウだった。

前回は家から1kmほど北の人里で採れたが、今回はさらに数百m行った

ところへ。そこにはまだ雪が残っており、雪線そばでは若いつぼみも

たくさん採れた。高速道路の北側のその一帯は小高い尾根筋があり、

写真左の如く広く雑木林が広がっていて、一部で風倒木処理のような

伐採も行われていた。尾根に登って伐採された切株を見て回って驚いた。

ナラのおよそ半分は萌芽が認められたが、すべてがことごとくシカかウサギの

食害を受けていたのだ。


これでは萌芽枝が伸びても樹木として再生は困難が予想され、果たして林と

して復元するのか、危ぶまれる。植苗病院周辺、新千歳空港周辺などのような、

旺盛な萌芽更新とは程遠い。国道234号の勇払川を渡って遠浅に向かう際の

国道とJRに挟まれたエリアも、萌芽更新が盛んでもうすぐ林になる。ナラ

などの広葉樹林は、萌芽更新をして3,40年で伐採と再生を繰り返す。胆振で

行われてきた「低林作業」の大原則どおり、きれいに皆伐して一斉に更新

させないと成功しないのか。極端に言えば、シカたちの食害をものともしない、

高密度の、「どうだ参ったか」というほどの「勢いをもった更新」を

つくらないといけないのか。シカなどの食害が目立たないほどの再生を創れ、

ということか。

陽だまりの切株に座って、安定的な、繰り返すことのできる更新と再生に

思いを馳せた。自然とはそういうことか。


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タグ: 里山 再生 食害

インダストリアルパークと女性  林とこころ

北大のK先生とともに、韓国から留学中のS先生を苫小牧西港のエリアと苫東に

案内した折、あらかじめ予約してもらった苫東柏原にあるJファームの

「カフェ・ピリカ」で昼食した。カフェは女性のお客を中心に、ほぼ一杯

だった。メニュウはチキンソテーとスープとサラダ、そしてドリンクで1200円。

いい感じである。殺風景であるはずの団地にあって、なんという優しい光景で

あろうか。


 このインダストリアル・パークのマスタープランができた昭和46年ころ

鉄鋼産業用地とみこんだエリアが、産業用地であることをやめて、これからは

野生生物、とりわけ絶滅危惧種の野鳥たちをも包み込む遊水地になることや、

臨空性をもった柏原などのエリアが、再生可能エネルギーの太陽光パネルで

埋まってきていること、そして機械工業に交じって野菜工場が進出し、

スマート・アグリとかトリ・ジェネレーションなどという世界に染まっていく

とはだれが予想しただろうか。



 あえて言ってみれば、鉄のような「男型産業」がやわらかい「女性型」に変化した

といえないだろうか。そしてビジネスとして成り立って海外からの視察者も後を

絶たないという。

 帰りしなの車中で韓国のS先生は、売れ残っている産業スペースはいつごろ完売

できるとみているか、とわたしに聞いた。苫東での仕事から全く離れている身には

門外漢になると知りつつ、残りは3000ha以上あるから、当初の鉄鋼や機械産業が

遊水地やソーラーや野菜工場に変わったように、未来のワイズユースのために

step by step 残しながら売るだろう(そうあってほしい)、そして「残りものの

土地と環境」は将来への宝・ギフトだと思うと、たどたどしい英語で答えた。

もちろん雑木林込みである。雑木林はもちろん女性に親和性が高い。


 さらに、コモンズの概念はこの風土を持続的にかつローコストで運営して

いくために重要かつ不可欠だ、と付け加えた。「K先生はどう思います?」

と振られたK先生は 「same 」と答えて笑った。ふだんは全く使うことのない

英語で頭は疲れたけれど、コモンズのアイデンテティをあらためて考え決意する

とてもいい時間になった。


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仰げば尊し  林とこころ

3月、弥生の声を聴くだけでなにか春のイメージになってくるから不思議です。

卒業式、送別会、マガンたちの渡り・・・。特に幼少のころ、とりわけ今から

半世紀以上前の中学校のことが思い出されてきます(半世紀・・・、すごいものです)。

あの頃、卒業式といえば、「仰げば尊し」でした。美しいハーモニーが忘れられない

だけでなく、個人的には歌詞も意味があった。

たくさんのハモる曲を教えてくれた(それこそ100曲以上)女性の音楽のS先生。

あれでわたしはハモるスキルが花開いた。必ず読書感想文を書かせて習慣化させて

くれた神主さんでもあったH先生、理科の授業で、子供たちに推論させおっかな

びっくりの仮説をださせ、「地球はそのものが磁石である」という事実に導いて

見せたM先生。


思い出せば、あの頃に習った学習習慣などが、半世紀もの間、自分の人生を

切り開く大切な道具として活躍してくれた。まさに教育者であった先生方に感謝の

気持ちでウルウルして来るのを禁じ得ない。

写真は、郷里山形の田園風景。正面はお寺の大ケヤキと杉の木立、その右は

秀峰・月山、その左には朝日連峰が続く。


*「仰げば尊し」の原曲は長い間不明とされてきましたが、米国の1871年のある
楽譜に原曲があったことがわかってきたようです。が、卒業式で歌われる歌は「贈る言葉」「さくら」などに変わってきたといいます。

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日本と台湾  林とこころ

春分の日はお彼岸の中日で、先祖をおもんぱかる契機にするのだと言います。

普段考えたこともなかったのですが、彼岸という言葉は確かに仏教的な言葉そのもので、

墓を持つ人ならば早々にスコップをもって雪はねに行くのを思い出した。

夕方のニュースもそんな風景を描いていた。



その春分の日、ちょっと微熱があって終日養生していた。このところ、台湾の歴史に

関心を寄せていて、今日は熱でうすぼんやりしながら加瀬英明氏の同名の新書を

読んでいた。微熱の養生は、ちょうどよい、心穏やかさだ。



中に、終戦の日に台湾から引き揚げる日本兵数百人に対して、台湾の盲人が

呼びかけた言葉が紹介されていて、胸が詰まった。

「・・・私は台湾の一盲人であります。私は日本が私たち盲人にまで教育を

してくれたことを感謝しているものであります。みなさんは故国に帰ってから、

さぞ苦労されることと思いますが、台湾にはあなた方に感謝している盲人が

いることを忘れないでください。」


(台湾協会発行「台湾引上史ー昭和二十年終戦記録」から引用されている)。



日本は台湾を50年、朝鮮を35年統治していたわけだけれども、鉄道などの

インフラと教育とに国家予算を削って投資してきた。反日に凝り固まって

慰安婦像を設置するような動きにばかり目を見張っていると歴史を見誤る

ことを教えている。わたしは日本人の先人の精神とこころ配りに誇りを

持たざるを得ない。メディアと教育が取り上げてきた日本像とバイアスには

暗然とするが、日本の時代が来つつあることも一方で静かに予感している。




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今をひもとく人  林とこころ

グローバリゼーションの功罪と仕組みが暴露されてきた。メディアが出すこと

出さないことの偏向も暴かれてきて、なんだ、自分で勉強しないと間違った

視点が埋め込まれるところだった、と一介の市民が気づく時代になった。

トランプ大統領の選挙の顛末は、目から鱗の出来事だった。そのあたりをさらに

深くえぐって見せる人に馬淵睦夫氏がいる。元ウクライナ大使である。初めて

出会った本は『アメリカの社会主義者が日米戦争を仕組んだ』。次に

『反日中韓を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』。そして

『和の国・日本の民主主義』『2017年世界最終戦争の正体』『アメリカ大統領

を操る黒幕〜トランプ失脚の条件〜』と続く。その間に、日下公人氏との

対談『ようやく日本の世紀がやってきた』と雑誌「致知」に掲載された

渡部昇一氏との対談『世界動乱の艱難を磨き砂とせよ』を読んだ。これは

圧巻対談だった。日下氏がずっと言ってきた「日本の時代」「日本の世紀」

がくるなどとはまさか、と思っていたら、まさかでなくなってきた。

伊勢志摩サミットで各国首脳が伊勢神宮にお参りした時の手記に

それが濃く匂う。大変な時代に入ったようだ。

ちなみにその時の各国首脳の一言は下記。

=======伊勢神宮HPから=======

26日午前、伊勢志摩サミットの開催に先立ち、伊勢神宮内宮(皇大神宮)を表敬

され、G7各国首脳は今回の印象を次のように記されました。

■アメリカ バラック・オバマ大統領

原文:It is a great honor to visit this sacred place, which has brought comfort and peace to generations.
May the people of the world be inspired to live together in harmony and understanding.
仮訳:幾世にもわたり、癒しと安寧をもたらしてきた神聖なこの地を訪れることができ、非常に光栄に思います。世界中の人々が平和に、理解しあって共生できるようお祈りいたします。

■フランス フランソワ・オランド大統領

原文:Dans ce haut lieu de spiritualité, où le Japon prend sa source, s'expriment les valeurs d'harmonie, de respect et de paix.
仮訳:日本の源であり、調和、尊重、そして平和という価値観をもたらす、精神の崇高なる場所にて。

■ドイツ アンゲラ・メルケル首相

原文:Im tiefen Respekt vor der engen Verbindung des japanischen Volkes mit seiner reichen Natur, die in diesem Schrein ihren Ausdruck findet.
Mögen Deutschland und Japan Hand in Hand dazu beitragen, die natürlichen Lebensgrundlagen unseres Planeten zu sichern.
仮訳:ここ伊勢神宮に象徴される日本国民の豊かな自然との密接な結びつきに深い敬意を表します。ドイツと日本が手を取り合い、地球上の自然の生存基盤の保全に貢献していくことを願います。

■イギリス デービッド・キャメロン首相

原文:It is a great pleasure to visit this place of peace, tranquility and natural beauty as we gather in Ise Shima for Japan's G7, and to pay my respects as Prime Minister of the United Kingdom at the Ise Jingu.
仮訳:日本でのG7のために伊勢志摩に集うに際し、平和と静謐、美しい自然のこの地を訪れ、英国首相として伊勢神宮で敬意を払うことを大変嬉しく思います。

■イタリア マッテオ・レンツィ首相

原文:Grazie per la straordinaria accoglienza in questo luogo carico di storia e di suggestione. Che sia di buon auspicio per il Giappone che ci ospita e per tutti noi per costruire con piu' vigore le condizioni della crescita economica e della giustizia sociale, mantenendo viva la dignita' dell'uomo.
仮訳:このような歴史に満ち示唆に富む場所ですばらしい歓待をいただきましてありがとうございます。主催国である日本と我々全員が、人間の尊厳を保ちながら、経済成長及び社会正義のための諸条件をより力強く構築できることを祈念します。

■カナダ ジャスティン・トルドー首相

原文:Que l'harmonie de Ise Jingu renforce notre engagement à bâtir un avenir empreint de paix et de prosperité.
Let the harmony of Ise Jingu reflect our desire to build a prosperous and peaceful future.
仮訳:伊勢神宮の調和に、繁栄と平和の未来を創るという我々の願いが映し出されますように。

■EU ドナルド・トゥスク欧州理事会議長

原文:A place of peace and reflection. And a deep insight into Japan. Thank you!

仮訳:静謐と思索の場。そして日本についての深い洞察。どうもありがとう!

■EU ジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長

原文:Je m'incline devant les traditions qui furent et les performances qui sont.
仮訳:この地で目の当たりにした伝統と儀礼に敬意を表す。



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改めて林住期からのデザイン  林とこころ

古代インドの男の人生の区分「四住期」が世間離れしていながら、

かねてから興味深いと思っていました。五木寛之氏が「林住期」という本でも、

軽く書いていたものです。師につい(バラモン教の聖典を学ぶという「学生期」、

自立して一家の主としての「家住期」、孫の生まれるころすべてを捨てて

森に棲む「林住期」、これは自然と向き合って自分を見つめ直すらしい。

そして最後の「遊行期」は執着を捨て解脱に向かえ、と教える。人生80年時代の

わたしの今を当てはめれば、長い林住期から遊行期に移行するあたりか。

このごろ、自分の人生後半のデザインをどうするか、つらつら考えていたところ、

このものさしがやや無責任ながら羅針盤になると思えてきた。で、風土と歴史などに

もっと深く付き合いたいという願望が素直ににじみ出てきた。そしてその延長に

やはり薪のある暮らしが浮かんできた。山小屋だけでの実践にとどめてきたのは、

広葉樹保育のボランティアでもあるため、他人には提供するが実は自らには封印

しておく必要があったからだ。そうしないと、お手盛りの、薪欲しさの活動に

受け止められかねない。

しかし積極的な解決方法も思い当たるから、この際、この封印を解こうという

気になってきた。こうなるとまた、目の前が開けてきて新しい世界が見えて

くるから不思議だ。林住期から遊行期に移るころ、自分で手掛けた薪を焚いて、

その炎を眺めながら解脱し、恍惚となっていくのでありましょうか。なんと、

世俗的な願望であることか。

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タグ:  雑木林 暮らし

ポリティカル・コレクトネス  林とこころ

もう昔の話になりますが、「カメラマン」が男女差別に当たるとして

「フォトグラファー」に代りました。私たちにはほとんど無縁の趣の

あるこれは、米国でクリスマスという表現がキリスト教以外の宗派への

配慮で使えなくなったり、近年では性同一性障碍者のためにトイレの

男女区別をなくすなどという極端さに現れてきているらしい。

日本でも、人権、民族差別につながりそうな言葉は表向きに使いにくい

ものになってきつつある。


しかし、どうだろう。今回のトランプ騒ぎの発端の言動の背景には、

米国民の多くがこれらP・Cの跋扈する窮屈さに心底うんざり、どころか

内心猛反発しているのも背景のようだ。そんな構図が見えている。

グローバリエーションなど糞くらえ、難民は受け入れより内国民重視だ・・。

ネットで広がる新たな帝国主義・マルチチュードの概念を垣間見たり

するにつけ、グローバリゼーションの功罪の罪の方を強く意識する。

また、背後の存在を見極めるのも重要だ。心情的には内向きに親近感が強い。

激動の振幅が増す世界。歴史を振り返りつつ、内と外を注視しなければ。




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わたし流「風水と風土」  林とこころ

モノや場所には「気」があることを感じ取るようになってから、

「風土」というものと、実践的、あるいは実証的に付き合ってきたかも

しれません。風土はそれほど包括的な概念で、わたしにとっては生き物の

名前や分類を超越する上位概念になってきました。

このところ、古い日本の「風土記の世界」(三浦佑之著)と「風土学ことはじめ」

(谷川健一編 雄山閣出版,)を読んでいたら、目の覚めるような

仮説に遭遇しました。風土という言葉は、中国の風水の「水」が、

ありふれた日本においては「土」と解するのが良かろうと、つまりはほぼ同意だ、

というのです。



びっくりしました。そしてもうひとつ自然条件との付き合いでの、

AJUSTMENT について。同じアジャストメントでも

日本的な方法は「適応」で、自然に逆らわずいくもの。

もう一つは「対応」。これは開発の時などの「 control 」を含むのだという。

なるほど、こういう整理は本当にありがたい。


ちなみに、わたしはほぼ「適応」ばかり、かと。

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言葉のちから  林とこころ

身の回りの猥雑なものを排除して身ぎれいに整えると、心地よい空間が生まれ、

維持すれば、続く。言葉も、良いものを使い丁寧な言葉選びを心がけると、

内側から精進へ向かうようなチカラがあって、人生は変わっていく。

シャワーのように善良なメッセージを浴び続けると、私のような単純な人間は

天にも登る気がしてくる。7月、宮島の厳島神社でいただいた御御籤(おみくじ)

はまさにそれに近い。そのまま素直に心にとめて過ごしてもうすぐ明ける。


===白檮宮兆(かしはらのみやのちょう 大吉) 40===

これは末の子に生れても、そうりょうのやくを務むるうらかたにて、

上たる人は国を治め、下々の者は家をおさめ、すたれたるを起し、

絶えたるをつぎすえずえ栄ゆ、労して功あり、

めでたきことも数々。(略) 思うこと、願うこと、かなわずと言うことなし、

よき種をまきて豊年にあえるがごとし。

=============================


わたしは末っ子なのでまず冒頭の一言に注目。そして「下々の者」は

家をしっかりと保ち、下火になって衰えていくのを立て直して栄えさせる

という。それが無駄に終わらないと励ます。積極心の奨励だ。

これは当HPにおいでくださったみなさまにお贈りしたいほど普遍的な

意味がある。

胸膨らむメッセージというのが確かにある。
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タグ: 宮島 積極心

開墾の日々  土地の魂


森々と雪が降る北大構内。前後に聞こえる声は若いアジアの人たちのもの。

こうして北大という構造の中で見る雪景色はちょっとした冬を体験する

舞台装置になっている。異国の人はそれが格好の観光になっているようだ。

彼らが博物館に入ったので私も久々なので入ってみたら、幸運なことに

一角で坂本直行さんのスケッチブック展が開催中だった。観光客はここには

誰もおらず独占状態となり、下野塚の開墾生活に思いをはせた。

縦横が3間と4間程度の掘立小屋で、奥さんによると背筋が寒くなるような

貧しい暮らしをしたと語られていた。その寒さ、雪、はかどらない開墾。

人生の展望をどう立ててきたのか。

しかし残されている写真は、サムライのような凛とした姿勢がみえ、

山仲間を中心とした友人知人の来訪と交友も支えになったようにみえるが、

逆に来訪者が直行さんの原野生活に励まされたのではないかと感じた。

驚いたのは日高の山を描いた数枚の淡彩画スケッチ。数十年前に私が描いたポロシリ岳や

アポイ岳のイメージととても似ている。私はきっとそれほど入れ込んで直行さんの

筆致を真似たいと思っていたのも事実だった。それとも山で急いで大きく描くと

こうなるのか。きっと両方だろう。

23日、苫小牧も前夜からの大雪のあと雨が降った。山仕事のテントが

またもやつぶれそうになった。http://hayashi-kokoro.com/





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