サンマに見るコモンズ  林とこころ

サンマの漁獲規制を協議する「北太平洋漁業委員会」が15日閉幕した。国民をして、よくもまあ、

こんな都合のいい提案をするものだと思わせるほどの、お人好しのプレゼンを日本側はした、

と思った。サンマが日本の排他的経済水域に入る前に、中国、韓国、台湾の漁船に獲られて

しまうので、これまで独占的に常食としてきた日本が自分に都合の良い枠を関係各国に提示

したのだった。問題は、スルメイカ、サケのほか、カタクチイワシ、カツオ、スケトウダラ、

マアジも同様で、ここ10年の間に1/2または1/3になったものも少なくない。


これは、わたしたちの日常にあるローカルなコモンズに対して、グローバル・コモンズと

呼ばれるジャンルの話で、ルールがなければ破たんあるいは紛糾する。日本が東アジアで

進めている外交政策は伝統的コモンズの課題解決方法のアプローチと見てきただけに、

サンマ提案はやや唐突に思えた。もうひとつ、知恵がなかったものか。


 というかたわら、先週英国湖水地方に出かける前後にジェームズ・リーバンクスの

『羊飼いの暮らし』を読み始めた。湖水地方において、領主から固有の羊を放牧する土地を

コモンランドとして利用し生業を成立させていて、著者はそこに生まれオックスフォード大学

を卒業したそこのコモナーでもある。5,000年も同じ暮らしをして来たという。描かれている

のは、住民自らが土地を管理する日常であり、ワーズワースが書いた湖水地方は文化帝国主義

といえるくらい似て非なるものとして違和感をもっている。こうしてコモンズの内側から

生活や概念を詳述したものは実は初めて読むような気がする。ニューヨークタイムズに

絶賛されたベストセラーで、コモンズは今、時代を読み解くカギになっているのだろうか、

と思う。


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雑木林&庭づくり研究室
http://hayashi-kokoro.com
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