3月14日(土)
熱田文化小劇場で行なわれた「さかえ中日女声合唱団」の今年度演奏会。
それは苦しく辛い練習の日々と、熱い永友先生の想いが交錯する中、無事に終了した。
内容は以下の通りだが・・・
まあ、とにかく! 大変だったんだ!!!
ぎりぎりまで暗譜ができなかった!!
なぜ????
その理由は、練習不足以外のなにものでもない。
わかってはいたが・・・今年は、娘の高校受験、息子の養護学校卒業と、年末から3月にかけて、本当に心休まるときもなく、ただ慌しく、忙しい日々を過ごしていた。
けれどそれは、ただの言い訳。
聞きに来て下さるお客様は、そんな個人の事情なんか関係ないわけで、いい歌声をいい演奏を期待されていらっしゃる。
それに答えねば、演奏会を開く意味もない。
わかってる。。。わかってる。。。。
最終的にはリハで間違えた箇所を、ゲネプロでは完全制覇。
これで完璧というまでに仕上げた。その点については我ながら自信もある。
ただ。。。
本当に苦労した曲が一曲。
新実さんの「ばら・きく・なずな」だ。
重い障害を持ち寝たきりとなった星野富弘さんの作詩。
そこには、「母」への想いが溢れていた。
「もしもこの腕がたった一度だけ動くなら母の肩を叩かせてもらおう」
涙が溢れて歌えない日々が続いた。
私の息子は、同じく寝たきりである。先天的な脳性まひで、生まれてこのこた起き上がったことがない。
食事もとれず鼻から胃までチューブを通して点滴の様に注入するしかない。もちろん紙おむつ使用者であるし、初語もない。あるのは寝たきりの体と、心、である。
知的身体、どちらも最重度の障害者だ。
その息子の姿とこの歌詞が、重なるのだ。
もしかしたら息子もぼんやりと窓の向こうの青空をみつめながら、そんなことを考えていたりするのだろうかと・・・
そう思ったり・・・・
この詩の純粋で一途な想いがわかりすぎるほどわかってしまって・・・・
とにかく泣けてしまって歌えない日々が続いた。
最後の練習の日も、泣いてしまって・・・・。
でもそれでは話しにならないので・・・ぎりぎりの一週間で私の特訓が始まった。
まず、感情移入しすぎないこと。他人の振りして歌ってみる。
息子のことを思い出さないで歌う練習。
そして切ない哀しい想いから、希望へ・・・気持ちを入れ替える。
この詩は、一見すると、切なく哀しい。
けれど、もしかすると書いた本人は、ごく純粋に希望を、明るい夢を描いたのかもしれないと。
そうすると、泣きながら歌ってはいけない。笑顔で、母の肩を叩く自分を想像する楽しさを、表現するべきではないか??
そんな風に切り替えたら、涙は出なくなった。
とりあえず、涙が出なければ歌える。成功だ。
そして、リハ・ゲネプロ、大丈夫。歌えた。もちろん本番も!!!
ゲネプロの最後に、永友先生がこの曲に対し「今回僕が一番大事な曲」とおっしゃった。
私にとっても、この曲とはめぐり合うべくしてめぐり合い、心して歌わなければならない何か宿命のようなものを感じた。
とてもいい経験となった。
演奏会が行なわれた熱田文化小劇場は、私は初めて行ったのだけど・・・すごい!響きが!
話にはちらりと聞いていた(あそこは響きいいよ〜)って。
でも、最初中に入ったときは、うわ〜〜 ちっさい会場〜〜 緑文化小劇場の半分くらいかなって、思った。
ところが、ステージ上で声を出してみて納得!
すごい響き。まっすぐ声が飛んでいく。変な残響がない。不況な跳ね返りもない。
すごい計算された舞台。
おそらく、ため息ひとつでも、響く。
これはマイクいらんわ〜〜〜
ここでソロで歌ったら、気持ちよいだろうな〜〜〜 しかもアカペラで〜〜
などと・・・恐れ多い夢を描きながら、本番を迎えたのである。
日本の曲「花の街」から始まり、最後「グロリア」、アンコールの「アベマリア」と「雪の窓辺」まで。
歌いきった。
前日からの睡眠不足と体調不良による脱水症状で、「キリエ」を歌い始めたあたりから倒れそうだった。
でも、ここで倒れてしまってはすべてが台無しだ。
とにかく歌う。
そのうち、倒れてはいけないという不安と焦りから、過呼吸になり後頭部がしびれてきた。。。
歌っていて過呼吸なんて情けない。。。。
「グロリア」の前に一瞬呼吸を整え、ひたすら歌う。
「グロリア」がこんなに長いと思ったのは初めてだったが、アンコールに入ってからは持ち直し、気分も晴れやかで幾分よかったと思う。
ただ・・・
最後、解散式では、もう立っていられなかった。
先生・・・ごめんなさい・・・失礼いたしました・・・・。
終了後、見に来てくれた友人が、素晴らしかった!と絶賛してくれた。
宗教曲もよかったそうだが、やはり日本の叙情歌がとにかくよかったと、言ってくれて・・・嬉しかった。私がこういう歌を歌っていること自体、友人には驚きだったようだが、内容・歌声・生音にまた驚き、感動、したそうだ。
たったひとりでも、そんな風に感じてくれる人がいてよかったと、心から思う。
最高の夜と最高の歌と最高の打ち上げ・・・の予定だったが・・・
連日の睡眠不足と、疲労困憊で・・・
打ち上げはせず、さっさと家に帰って寝てしまった私であった。
第3回 さかえ中日合唱団演奏会
日 時:2009年3月14日(土)17:00開演
場 所:熱田文化小劇場入場料:2,500円(全席自由)
指揮:永友博信
ピアノ:竹内理恵
アンサンブル:二十一世紀室内アンサンブル
合唱:さかえ中日女声合唱団
曲目:プッチーニ 「ミサ・ディ・グローリア」より
「キリエ」 「グローリア」
サン・サーンス「アヴェ・マリア」
ルッツィ「アヴェ・マリア」
女声合唱によるオペラの名曲
「ホフマンの舟歌」
「サムソンとデリラ」
「メリーウィドウ」
「小さな木の実」
日本の作品
新実徳英「ばら・きく・なずな」
松下 耕「四月の風」
團伊玖磨「花の街」他

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