AVを買う/借りる際に、何を基準にするかはそれこそ人それぞれだが、私が今まで見聞きしたなかで判断するに、どうやら大きく2種類の派閥に分かれるようである。
「単体女優の名前で選ぶ」派と「1本にたくさんの女性が出てくるものを選ぶ」派。
AVが出だしてすぐの頃は、出演する女性の絶対数も少なかったからか、1本に1名であった。アテナ映像の初期の名作「ザ・オナニー」シリーズも1本に1名だった。いまどき1本のDVDに1名の女性のオナニーだけしか入っていなかったらたとえ裏ものであっても買う人がいるかどうか(私は女性のオナニーを見るのが大変好みであるので、値段によっては買ってしまうかもしれないが)。
その頃、「オナっていいとも」という、大変ふざけた名前のビデオがリリースされ、実はAV業界では小さな騒ぎになった。このビデオには女性が10名も出てくるのだ。その10名がそれぞれのやり方でオナニーをするというものだった。10名もの女性が一度に1本のビデオに登場するというのは当時としては非常に画期的だった。しかも当時は「ザ・オナニー」シリーズのヒットにより、オナニーものが比較的流通に乗っていた頃でもあった。オナニー好きの私は当然しっかり見た(というか、持っている)。だがしかし、実のところ、性欲がメーター振り切れんばかりだった当時でも、なんだか余り興奮できなかった覚えがある。話題になることと使えるかどうかということの間には相当な隔たりがあることをそのとき知った。しかし、もしかしたらこのビデオが「オムニバスもの」のはしりだったとしたら、このビデオを企画した人はAVの流れを大きく変えたといえるかもしれない。
アテナ映像の「いんらん」「いんらんパフォーマンス」シリーズがリリースされだしたのはこの頃である。「いんらん」は私の記憶が確かならば「沙耶とまこ(というタイトル)」以外は1本に1名の女性であったが、「いんらんパフォーマンス」の巻数が進むにつれて1本に複数の女性が出演するようになっていく。しかもこれら一連のシリーズのほとんどは、AV女優ではない一般の女性が登場するのだ。
私が「素人」というキャッチに惹かれるのはこのあたりに根幹があるのかもしれない。
実際、このTSUTAYAにも、その頃から脈々と続いている単体女優もののビデオやDVDは大量にあるのだ。しかしどうも食指が動かない。
AVをしっかりと見始めたのは22の頃だが、それ以前に映画という形で代々木忠監督の作品には触れてきた。「ザ・オナニー」の頃はまだ高校生だったのだが、博多駅前のポルノ映画館に「高校生だからまけて!」と理不尽な要求をし、学割で入れてもらったことがある。思えば私が最初に見て最初に興奮した動画は代々木氏の「性感極秘テクニック」だったことになる。(6月にDVD化されると聞いている。もちろん買うつもりだ。)
もし、ここで最初に見た作品がちがうものだったら、今の好みは違ったものになったかもしれない。しかし私は、東京よりも数週間から数ヶ月遅れて福岡で公開される代々木作品を選んで見続け、オムニバスものとドキュメントものを好む体質になったのだろう。
(ちなみにその頃それら映画の情報は「ぴあ」で得ていた。毎号買っていたのである。その頃のぴあには成人映画の情報がスチール写真入りで紹介されていたのだ。いつのまにか写真が入らなくなり、いつのまにか成人映画の情報そのものが消滅してしまった。残念である。)
現在までにほとんど唯一の例外ともいえるのが林由美香と大空あすかである。林由美香は今でもAVにとどまらないフィールドでさまざまな実験活動をしているようだが、最初にレンタル店でパッケージを見たとき、同じクラスの気になっていた女の子にそっくりで、本当に「思わず」手にとってしまい、勢いで借りた。ビデオの中で林は絶頂していないことを後から知るのだが、当時はそれでも同じクラスのKちゃんを林に重ね合わせて狂ったようにオナニーした覚えがある。学校でKちゃんと顔をあわせるたびにかちかちに勃起してしまったぐらいであった。後に林由美香は同時期にやはり人気のあった中原絵美と、代々木監督の手による「いんらんパフォーマンス・性豪」に出演し、セックスで絶頂したことがないことを中原と共に私たちの前にばらすことになる。どうもこの作品あたりから林由美香は違うフィールドを模索し始めたような気がしてならない。
大空あすかもジャケット買い。VHS時代の作品を1枚につき3作まとめたものが廉価版で売り出されていたのだが、こんなに清楚そうな女の子がセックスするんだ、みたいな童貞高校生のような動機で購入。作品の中で大空は自らオナニストであるとカムアウトしたのだが、なるほどオナニーシーンが多く、美しく、エロい。絶頂近く感じているときに感情が高ぶって体に力が入る際に、その力で細い脚が痙攣するように跳ね回るのも興奮するポイントの一つ。大変気に入ったので続編も即買った。短時間にガツンと興奮/射精したいときに重宝している。
それ以外は、ほとんどがオムニバス形式。私は実際のセックスでも、可能である限りたくさんの人とセックスをしたいという願望を持っているのだが、オムニバス形式のDVDは擬似的にその願望を昇華させてくれる。何人ものセックスやオナニーを見続けるうちに好みの女の子が一人か二人必ず出てきて、暫くはその人のシーンばかり見るようになるのだが、ある程度時期がたった後でまた改めて全体を見通すと新たな好みの女の子を発見したりする。そうやって、何度も何度も楽しめるのがオムニバス形式なのかもしれない。
さて、アテナ映像の新作だが、いろいろと調べていくうちにアテナ映像の出荷方法がかなり特殊で、そのために遅れている可能性があることが判明した。アテナ映像は、発注があった分をその日のうちに受けるのだが、一定の出荷量に至るまでそれらを溜め込んでおき、至ったところで出荷するという射精方式(もちろんこの名前は私が勝手につけたもの)らしいのだ。そういえば学生時代にもアテナ映像の作品は長期間新作が並ばず、ある日突然に複数の新作が一遍に並ぶという事態が何回もあった。当時はそこが田舎だったので都会のようには流通しないのだと勝手に理解していたのだが、どうもそれだけではなさそうだ。
さいわいTSUTAYAのカードは全店舗で使える。帰宅途中には他のTSUTAYAはないが、少し寄り道して大きな店舗に行ってみるとしようか。
# 今までの一連の話の中で何度か出てきた「××の時期(今は私の中では女子高生の時期、とか)」については、多分長くなると思うのでまた後日話すことにする。

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