唐沢です。
無事終わりました。『オーディオドラマライブ2010』。
こういうのはすぐに書かないとそれっきりになる可能性大ですので、思い切って更新します。
4日間(4ステージ)、本当に大勢のお客様に足を運んでいただきました。
心から御礼申し上げます。
一口にオーディオドラマライブといっても、作品のカラーによって味わいは微妙に違ってきます。
『時の香り』は、いかにもオーディオドラマの王道っぽくて、目を閉じて聴きたくなるドラマ。
コーヒーをいれるコポコポという音、店のドアを開閉する瞬間に一瞬大きくなる雨の音、いらだつようにまな板をたたく包丁の音、包装紙を開く音に続く短い静寂……などなど、印象に残る繊細な音がいっぱいでした。
『彼岸の道』は、納谷さんをはじとするベテラン勢がズラリと並び、その絵面だけで大迫力。
ツイッターでもつぶやきましたが、銭形警部とアッコちゃんが生で夫婦役を演じてくれるなんてファンにとっては鼻血が出そうな贅沢な場面です。
亡くなったときの年齢の姿で出てくるさまざまな年代の女優さんたちが、あの世で同級生トークを繰り広げるという趣向もおもしろかったですし、ブリッジの音楽も郷愁を誘うようなちょっとレトロな雰囲気で物語に合っていました。
ラストに流れる大貫妙子の曲は東風堂さんも超気に入っていたようです。
『ファイティング・マザー』は、衣装替えもあったし、わりと普通のお芝居に近い形になっていたように思います。
オーディオ用に手直ししたものの、それでも他の2作の1.5倍の長さなので、オーディオドラマとしては限界ギリギリの長尺になりましたが、集中力がとぎれることなく最後まで見せることができたのは、やはりベテランの牽引力あってのことでしょう。
さて、千秋楽といえば……打ち上げです!
今回の打ち上げは、もしかしたら本編よりもドラマチックだったかも、というくらいの盛り上がりを見せました。
というのも、健康面の事情でしばらく舞台から離れていた納谷悟朗さん、そして竹若拓磨さんが久しぶりに復帰されたからです。
とにかくお2人の舞台にかける熱い情熱はすごいです。
それを真正面から受け止める劇団員の皆さんの愛もすごい。
特に納谷さん。
今回の話がくるまで、舞台に立つ事をもう諦めていたそうです。
「こんなにも舞台が好きで好きでたまらないのに出られない納谷悟朗をそばで見ているのがとてもつらかった」と声をつまらせる奥様の火野さん。
「オーディオドラマライブに出てくれませんか」というオファーが永井さんからあったとき、「暗闇に光が見えたと思った」と火野さんは語り、その言葉に永井さんも心打たれたそうです。
どれだけの決意と覚悟をもって納谷さんが今回の舞台に臨まれたのか、あらためて知った思いです。
正直、最初の頃の稽古では「本当に大丈夫なんだろうか…」と心配するほどおつらそうだったのですが、稽古よりゲネ、ゲネより初日、2日目、3日目…と目にみえて気力がみなぎっていくさまを見て、ただただ驚愕しました。
『彼岸の道』に出てくる「菊治くん、つやつやしてる」「スーちゃんの話と全然違うじゃない」というセリフはまさに舞台上の納谷さんにふさわしいセリフでした。
私なんてただ観てるだけのくせして、稽古よりゲネ、初日より千秋楽…と確実にシナシナとしおれていってるのに(笑)。
舞台で英気を養い、チャージ完了した打ち上げの席の納谷さんは、今までで一番シャキーンとされていましたが、挨拶では「もう一度稽古場に立てるのが夢のよう。でも皆と一緒にやれるのはこれが最後だと思う」としみじみと語り、全員涙、涙。
本当に劇団員に愛されてるんだなーと感じました。
でも私は信じています。
納谷さんが再び舞台に立つことを。
今回は私の作品には出ていただけませんでしたが、納谷さんのあの声で私の書いたセリフを語ってくださる日を待っています。
「もう自分は目もだめ。耳もだめ。全部だめ」とおっしゃる納谷さんに、「納谷さんにはまだ声がありますよ」と力強くおっしゃった太田さんと、その言葉にちょっと照れたように、でも誇らしそうに「まあ声はね、商売道具だから」と答えた納谷さんの姿が忘れられません。
なんだかプライベートな話になってしまい、すみません。
とても心に残った体験だったので、ぜひ皆様にもお伝えいたしたく、書かせていただきました。

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