皆様、こんにちは。唐沢です。
チケット販売の告知をしてから3日。
正直、まだ3ヶ月あるし、「そんな先の予定はわからん」と言われればごもっともなので、そんなに早くレスポンスがあるとは思ってなかったんですが、まあ発売と同時にサーバがパンク状態になったアニヤ・ハインドマーチのエコバッグとまではいかないまでも、予想以上に出足がよくて驚いています。本当にありがたいことです。
この調子でいくと、公演間近にはメンバー3人でチケットの奪い合いになるかも(笑)…などと楽しい心配をしてしまいそうです。
ところで。
今日は「3人芝居」について書こうと思います。
今回、「3」という数字にこだわった公演にしてみたんですが、私は常々、お芝居の基本形は「3」だと感じています。
東宝の講座で学んでいたとき、先生から何度も「2人芝居はつまらない」という言葉を耳にしました。
何度も耳にしたというからには、それだけ「2人芝居」を書いてくる人が多いということです(これは「本当に2人しか出てこない芝居」だけでなく、他にも登場人物がいるんだけどとりあえず2人だけで延々と会話しているシーンが続く場合も含みます)。
実際、ビギナーにとって、2人の会話を延々と続けるのは「やりやすい」んですね。
なぜなら「投げる」「受ける」というひとつの固定したパターンだけで続けられるから。
特に1人が作者の思想を反映している人物として作られる場合、もう1人は彼(彼女)の正義を成り立たせるための単なる聞き役にとどまってしまうケースが多く、そうなると観客は一方的に「ひとつの決まった考え」を聞かされてるような気分になってしまい、やがては……飽きます。
たとえば一人が善玉でもう一人が悪玉の場合、善玉が活躍しやすいように悪玉を動かす…などがそのパターンです。
本当におもしろいドラマは、善玉と同じくらい悪玉にも説得力と魅力があり、両者の力が拮抗して作者にも制御が難しくなるほどテンションがあがっていく…というシチュエーションです。
そのぶつかりあう力が強ければ強いほど、観客はハラハラするし、緊張感も持続します。
その緊張状態を2人芝居で作り出すのは本当はなかなか熟練がいるのですが、ビギナーはそれがわからず、「人数が少ないほうが楽」と思ってしまうんですね。
たしかに人数が多いのは大変です。ちゃんとバランス良く書き分けようと思えば。
でも少なすぎてもそれはそれで変化を出しにくくて難しいんです(その究極の形が1人芝居)。
そこで出てくるのが「3人芝居」です。
3人登場人物が出るということは、それぞれにとって意識する相手が2人いるということです。
AがBに見せる顔とCに見せる顔は人間ですから当然「違い」ます。
2人芝居だとひとつの顔しか見せられませんが、3人芝居だとそれが2つに増え、そこに新たな矛盾と対立が生まれます。
この偏りが多分ドラマのおもしろさなんだと思います。
「2人芝居」がつまらなくなりがちなのは、「2」という数が力の安定を生み出してしまうからではないでしょうか。
2人だと、「勝者」と「敗者」に分かれるか、「引き分け」になるかのどちらかですが、3人だと2対1になりますから、力関係はめまぐるしく変わるし、「引き分け」もありえません。さっきまで味方同士だった2人が一瞬のうちに敵同士となり、優位だった人があっという間に1人ぼっちになる。そんなワクワク感が「3」という数字にはあります。
「3人芝居」が書ければ、多分あとは人物を枝分かれさせていくことで多人数芝居は書けるようになるのだと思います。
ここまで読んだ皆さん、「ほー、一葉会の公演に行けばそんな芝居が観られるんだ」と思ったら大間違いです(笑)。
わかってるからってそれがイコール「できる」にならないのは世の習い。
ましてや私たちは新人ですからね(と急に開き直る)。
ただ、そういう芝居を目指しているんだということをふまえて、今後の私たちがどれだけそれに近づけたか、成長したか、その過程を皆様に末永く見守っていただけたらうれしいなと思うのです。
できていないことを観る前にばらすって勇気いることですし、それって作家として言い訳がましくてどうなの?という気もしますが、こういう会をたちあげたからには公演を通して成長していきたいですし、そのためにも観客の皆さんには「講評の基準値」を知っておいていただきたいなと思いまして。
他の2人には「よけいなこと言いやがって」とうらまれそうですが(笑)、まあこれはとりあえず私に限定していただくということで…。
もちろん「講評なんて興味ない。楽しめればそれでいいんだよ」というのも全然アリですので。
「なんか一葉会の公演観にいくと全員講評シート書かされるらしいよ」などという間違った噂はくれぐれも流さないようにお願いします。

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