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野球、サッカー等を中心にした総合スポーツコラムです。
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2009/5/29
「【プロ野球】LAの空の下で−−WBC2009観戦記(1)」
野球
時差というのは面白いものだ。東京を出たのは3月21日の夕方なのに、LAXに着いたのは同じ日の昼過ぎである。日付変更線を超えたフライトが、多忙な中での3連戦観戦を可能にしてくれた。
思えば3年前、私は成田の搭乗待合ロビーでやきもきしていたのを思い出す。メキシコがアメリカに、しかも限られた条件で勝った場合にのみ許される準決勝進出。しかも審判はあの史上最悪のイカサマ八百長糞審判のボーク・ボケナス・デビットソンだった。案の定この野球を知らないペテン師野郎は、メキシコのホームランを取り消し、何とか母国を勝たせようとしてきたが、これが逆にメキシコの闘志に火をつけ、ほとんど日本のために、奇跡的な勝利を飾ってくれたのだった。それが、今日は安心して出発できるのだ!
3年前と同じNWA、同じ9時間のフライト、そして待っているのは同じ結果、すなわち優勝の2文字であろう。根拠はある。1つは、投手陣の好調さ。1つは、イチローの復活をはじめとした打撃陣の健闘。そしてもー1つは、前回を上回るこれ以上ないスタッフの充実ぶりだ。何しろ新球団を1つ作れるほどのコーチ陣であり、その中には伊藤、山田といった監督経験者もいるのだ。もちろん北京の黒星野スタッフなどとは比較にすらならない。
左投手に右打者が少ない、なぜ斉藤隆を入れないんだ等という不満は私の周辺にもあったし、私もそう思うのだが、とりあえず充実きわまるわが国家代表チームは、東京でのファーストステージを難なく突破。なつかしのペトコ・パークでのセカンドステージでもキューバ・韓国に圧勝。首位で準決勝にコマを進めたのだった。この状況で優勝しなければ、いつ優勝するのか。ただ唯一の問題は、宿敵韓国とは今大会2勝2敗であることだ。そしてスポーツマンシップの欠落した半島のたわけ者どもは、日本に勝ったあと、またもあのゴチャゴチャした模様の旗をマウンドに立てるという愚行をやってのけた。だが彼らは、そのツケを払うことになる。それがとりあえずは、あの6−2という第二ステージ決勝での結果なのだ。
LAは、私にとっては3度目である。3度目ともなれば、土地勘もできてくる。鉄道マニアとして、地下鉄もすべて乗りつぶした(笑)そんなわけで空港から地下鉄に乗って、旅行代理店でもらった地図の通りの場所に行くのに、大した苦労はしなかった。が・・・
そこにはホテルはなかった……
おかしいと思ったのだ。地図の場所は、東京で言えば霞ヶ関。街の雰囲気も建物も、典型的な官庁街である。安宿があるような場所ではなかった。案の定、地図の場所にあったのは大きなお役所。だが私にとって幸いだったのは、そこがLA警察本部だったということだ。ネタとしか思えない。
土曜日だったが、もちろん警察だから職員はいる。地図に書かれた住所を示して場所を聞くと、そこからメインストリートをひたすら南に下がった所だった。京都で言えば二条烏丸から七条烏丸まで歩くようなものだ。
まあ街歩きの好きな私のこと、愛用のキャリーバッグをひきずりながらダウンタウンを歩いた。土曜の午後だからできる芸当だ。夜ならとても怖くて、歩けたものではない。
ホテルは安宿の割には立派である。何でも数年前にリニューアルしたそうで、部屋もとても最安値とは思えない。ただ例外なくこういう宿はシャワーの出が悪かったりするのだが、そこはご愛嬌だ。
荷物を置き、最低限の観戦用具だけを持って、露天で買ったホットドッグをかじりながら、ふたたびメインストリートを北上。この日の夜から試合だが、3日間共に送迎ツアーを予約したためだ。ドジャースタジアムはダウンタウンから2kmほど離れた所にあり、公共交通機関ではいけない。シーズン中ならドジャートロリーなるバスも運行されているようだが、WBCでそれは期待できない。そこで調べて発見したこのツアー、送迎のみでも受け付けていて、特に帰りは各自のホテルまで送ってくれる。物騒なLAでは好都合に思えた。
集合はリトル・トーキョーの都ホテルである。3回目のLAにして初めてのリトル・トーキョー。スーパーマーケットが完全に日本の店と化していることには驚いた。ここにある日系人博物館に行くと、かつての日系移民がいかに苦労してきたかがよくわかる。そしていよいよ、バスでドジャースタジアムへ!
Will Call Officeでチケットを受け取り、いよいよ夢舞台へ。今回私が買ったのは3試合で$180のフルプライス・ストリップ、場所は1塁側の2層目ベース後方。東京ドームならB指定席、神宮なら学生応援席だ。ただ残念ながら、日本はいずれも3塁側だったのだが……。
受け取ったチケットは”Think Blue”と刻印されたドジャースバージョン。3年前と同じファンシーチケットは今回も売られていたのだが、それでなかったのが残念だ。だが、これはこれで財産だ。
3塁側4層目から入場。階段を上がった所がトップデッキだ。ここからのダウンタウンの眺めはLA一と言われている。そして反対側の丘には”THINK BLUE”。傾きかけた落陽と、心地よい風と、緑のフィールド。天国だ。試合2時間前の野球場をここまで心地よく感じたのは、生まれて初めてだ。
グッズショップでお土産や記念品を買い、そして飲食売店で名物のドジャードッグ。ソーセージがパンからはみ出るほど長いソーセージの上にセルフでタマネギを載せ、ケチャップとマスタード。そして$10の特大の生ビール。これをまだ人気のまばらなトップデッキで、春風に吹かれながら豪快に食べ、飲む。もーいい。これだけあれば、どんな一流レストランの料理もいらない。
初日のカードは準決勝第一試合の韓国−ベネズエラ。自分の席に戻った私がエンジ色のシャツを着てベネズエラの応援をしたことは言うまでもない。そもそもベネズエラは今大会、第一ステージC組でアメリカに大敗したものの敗者復活戦で勝ちあがり、1次決勝では逆にそのアメリカを破ったチームだ。そして第二ステージでは今大会の台風の目・健闘したオランダを蹴散らし、優勝候補のプエルトリコまで破り、さらに地元開催の執念で再び這い上がってきたアメリカに再び一撃を食らわせたのだ。2次決勝のスコアは10−6! アメリカの誇る投手陣などひとたまりもなかった。このチームなら、打倒韓国を託しても何の不思議もないだろう。ところが、ところがである。
開始いきなり、韓国の青いユニフォームがフィールドを切り裂いた。先頭の李容圭が四球、2番の鄭根宇がエラーで出塁するや、3番金賢洙、4番金泰均が連続タイムリーである。
「速い!」――これが韓国の第一印象だった。日本のプロ野球では広島やヤクルトが、こうした速攻を得意とする。ヒットが出るや一気に走者が突っ走り、あっという間に塁が埋まる。そして相手投手の動揺が収まらないうちに栗原が、ガイエルがホームラン――これが勝ちパターンだ。そして、韓国もそうだった。6番秋信守が、センターへ3ランホームラン! 1回の表に、韓国何と5点先制!
こうなってはベネズエラは、もはやなす術がなかった。そもそもノッてくれば手のつけられない強さを発揮するが、一度崩れだすとガタガタと崩壊してしまうのがラテン気質だ。たとえそれが世界のセミファイナルでも同じこと。今大会でもドミニカが、プエルトリコが、狂った歯車を修正できずに、フィールドの藻屑ならぬ芝屑となって消えている。2階に2点、4回に1点、そして6回に再び2点――試合は韓国のエクササイズの場と化した。もちろん、周囲にいた韓国サポーターは大喜びだ。終わってみれば10−2! 韓国が、その強さを存分に発揮した試合だった。
試合後。都ホテルで送迎バスからミニバンに乗り換え、自分のホテルへ。時間は既に23時を過ぎている。今回の宿の難点は、何と言っても近くに24hのコンビニがないことだ。お約束のハムとビールが買えない。仕方なしにロビーの自販機でパンとジュースを買って、自分の部屋で食べる。だがストレスよりも、期待感が上回った。韓国のようなチームには、ラテンの国では勝てない。緻密な作戦と状況判断、そしてそれを支える技術と対抗できるスピード――そう、われわれしかいないではないか。見てろ韓国、第二ステージ決勝の時と比べて、日本にはさらに強力な戦力が加わったのだ。他でもない、広島の栗原と、この私である。
12
WBC
韓国
ベネズエラ
投稿者: 生田正博
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