2006/5/2
ウレタンなどの人工系塗料とオイルフィニッシュに代表される自然系塗料を比較して、格段にオイルフィニッシュが優れている点。それは、「メンテナンスの容易さ」にあると思います。オイル独特の仕上がりの質感こそが最高だ!と言うオイルを推すご意見もあるでしょうが、これは主観的な評価が強いので、ここでは、誰が見ても優れている点。ということで、メンテナンス性を上げています。
オイルフィニッシュは専門的な設備が必要なく、尚且つ、手順さえ抑えておけば誰もがオイルフィニッシュ固有の仕上がりと、塗装効果を出す事が可能です。オイルフィニッシュは、オイル、(必要性によって)ワックス、サンドペーパー、ぼろきれ、があれば、誰でも簡単に手入れができます。
では、ウレタンはどうでしょうか?ウレタンは、作品の「木地」の調節のためにシーラーという目止め剤を最初に塗ります。その後、サンドペーパーで木地の「砥ぎ」を行い、着色、そしてさらに必要に応じて木地を調整し、最後に「トップ」と言って、表面の塗膜を形成するコーティングを吹き付けます。今はどうかわかりませんが、修行時代の「シーラー」は吸引すると、人体にかなり有害な物質が使われていました。
砥ぎやシーラー、トップの吹きつけには慣れと言うよりも、むしろ「熟練」の技術がないと、失敗します。仕上がりムラになります。しかも、トップまでかけてしまった後では修正も困難(1から落としてやり直しですからむしろ修正はムリと考えた方が良いかも)と言った感じです。まあ、素人には手を出せない領域だと思います。
長く使う物、長く愛着を持って接していく木の道具には、僕はオイルフィニッシュが良いと思っています。ウレタンにしろ、オイルフィニッシュにしろ、使っていくうちに塗装は弱くなり、いつかは剥がれてきます。その時、これからも手直ししても使っていきたい。自分達で愛着持ってメンテナンスができる。そう思えるのはオイルフィニッシュ塗装だと思うからです。実際、ユーザー自身でメンテナンスが可能ですからね。
最近、巷にあふれるおしゃれな雑貨屋さんに行くと「木でできた食器」「水に強いウレタン塗装」と、堂々と銘打って木の器やスプーン、フォークが売られています。口に接する道具ですらウレタン塗装でできるんですね。安全性=自然素材、オイルフィニッシュ という図式は、単純に木製品の塗装を考える上でわかりやすくて良かったのですが、塗装の素材も日進月歩で進んでいて、今ではそんなシンプルに塗装の種類を分類できません。
道具の機能としてよりよく。愛着の持てる道具としてふさわしい塗装を選ぶということは、木の作り手達にとっては本当に悩ましいテーマですね。
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