2008/1/15
久しぶりに木工のお話

木のスプーンセットです
久々に木のモノ作りのお話ですが
上のスプーンにフォーク。これはウチの商品じゃあないんです。
あ、いやウチの作品…なんですが、ちょっと違うんです。
ウチで作った物なんですけど、僕の作品〜ってワケじゃないんです。
コレ、何かと言いますと木のスプーン作りキットの作例なんです。
なんでこんな物を作ったかと言いますと…
先日ですね、子供を対象にしたキャンプ活動をしてる友人から電話がかかってきたんです。めずらしく。
そしたらね、唐突に言うんですよ
「木工で木の食器を作るプログラムがしたいんだけど?なんかいいプログラム無い?」って
そこで、僕がこう答えたわけ。即答でしたね
「無い!」 (爆
だいたいもう、いっつも唐突なんですモン。こっちも困ります。
木で「食器」って…
しかも、食器が茶碗なんだか皿なんだか箸なんだか?それすらも漠然として…
なんといいますかねえ。
…ふぅ…何からお話したらよいのやら…
彼の言いたいことはわかるんですよ。
彼の対象にしているキャンプ活動は小学校の中〜高学年(中学生もいたかな?)で、長く野外活動に親しんでいる子供達なんです。
「枝でも削って箸でも作ったら〜」なんて企画は
「はっ おれ達もう何年キャンプやってんだと思ってるんだい?
枝を削って箸を作るなんて、カンタン過ぎてちゃんちゃらやってらんねーぜ!」
っていうような、そんなお子様方なんです。
では?もっとハイグレードな内容では?「ノミを渡して、えっさほいさと板を掘って器にしたら?」というのは
…ダメなんです。何でかって言うと…理由はいろいろ。
「危険」てのは理由のひとつ。工作室みたいな場所で、板を保持するクランプなんかもしっかり人数分そろってて〜というような「良い環境」が整っていないと、ノミを使った作業なんてやらせられません(安全面に関しての責任問題が大きいのです)
「集中力が続かない」ってのもまた理由の一つ。まあ、実際やらせてみたらのめりこむのかもしれませんが…自分は延々と板をノミで掘り込む作業は苦行のように感じる(ときもある)…
まあ、キャンプ場みたいなところでやるとなると、なかなか難しいんです。
いっそ何処かのモノ作り教室に行って、凝った事をやろう!って考え方もあるかもしれませんが…
人数数十人連れて行って、対応してもらえる木工教室っていうのもあまりありませんからね。
よしんば対応してくれても、機械使う場合なんかそこで順番待ちになっちゃうし、飽きちゃう子、集中できなくなっちゃう子が絶対に出てきちゃうのが現実です…
それじゃあつまらないです…
旋盤教室みたいなトコロで、対応してもらえそうな所があったらなぁ…コップとかつくれたら面白そう…って思うんですが、なかなか条件の合うところって無いんです(僕は木工旋盤は専門外)。
もう、ちょっと考えてみるだけでネックだらけ。
こっちもネック、あっちもネック、ネックネックネック…
そんなワケで「無い!」というコトなんです。
しかし、まあ、そう言いながらも考えちゃうのが僕の人がよいところでして…
(だれが人がよいって? というツッコミはさておき)
可能性としてイケるかな…?と思って作ってみたのが冒頭のスプーンセット。
大人が活動の対象だったり、糸鋸盤なんかの電動工具が使える場合は「スプーン作り」って結構普通に取り入れられているプログラムだったりします。
ただ、今回僕が作ってみたスプーンキットは「子供でも作れる」「(ハードな)電動工具が不要」ひいては、キャンプ場でも山の中でもフィールドを選ばず作れるスプーンキットっていうのが特徴です。
キット内容の主なパーツはスプーンの「スクイ」の部分(写真の下に写っている方)。
これ、ほとんど機械成形で作っていて8割がたスプーンのカタチは完成しています。
あとはカドの面をとったり、自分の作りたい形にサンドペーパーで成形することで上の形の整った「スプーン」状になります。
ただ、キットには「柄(え)」が付いていません。
この柄の部分は、山なり森なりから落ちている適当な枝を拾ってきて
それを切るなり削るなりして作るようになっています。
この辺の所で、野外活動ならではのモノ作りを主張してみました。
今回の記事の冒頭の写真で紹介したスプーンとフォークはそうやって作ったモノなんです。(ちなみに柄の部分は工房裏の神社から、枝打ち材を拝借してきました)
スクイのキットにはφ6ミリの丸棒を打ち込んであります。
用意した柄の端部に6ミリの穴をあけ、そこにボンドと一緒にスクイ部分を差し込むことでスプーンの柄とスクイを取り付けます。
キャンプ場なんかで作る時は、バッテリー式のドライバドリルがあれば穴あけもオーケーでしょう。
最初は柄の端部を丸ホゾに削ってみたのですが、径の細い柄の材料は芯がやわらかいので、ちょっとした衝撃でホゾが折れてしまうんですね。
で、このような構造を採用したワケ。
仕上げ磨きをしたら、樹脂系の塗料を塗って完成です。
この手の工作物は、ヘタウマ感があればオーケーで実用一切無視の「みやげ物」ってモノが多いのですが、やはり実用品として使いたい。それだけの完成度を求めたい〜ってことでこれはしっかり塗装で仕上げる事にしました。
旋盤木工では一般的な「木固めエース」とかが用途的に最適に思えましたが、シンナー等を使うのも子供相手のプログラムでは嫌ですし、僕自身使い慣れている(むしろこの点が重要?)水性のウレタン塗料で仕上げました。
かすかに特有の臭いがありますが、有機溶剤系の塗料のそれとは比べ物になりません。
乾燥がすんでしまえば特に有害な塗料ではありません。
できあがってみると、枝の無造作な削り出しが味のあるスプーンになっています。
一応、ちゃんと木で作った「食器」です。
(多分、友人は「器(うつわ)」を期待してたんだろうが)
まあ、今回のプログラムでコレが採用される事はなさそうですが…(彼は器を期待しているので)思いついたので、試作品を作ってみました。これはこれでまた他の機会に使えそうですしね♪
スプーン単体としてみた場合にデザイン的な妥協はありますが、
このようなカタチなら端材を使って簡単に作れる事がわかりました。
このブログを読んでいて、キャンプ活動に参加されている方など、興味がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい♪
追記(…の言い訳)
作例のスプーンが仕上がりが荒いのは、子供達などが一定時間の間に作った場合、こんな感じにしあがります〜という設定だからです。
まえのが手抜きしたとか、もともとへぼ木工屋だからとかぢゃありません。そこんとこよろしくお願いします。
ホラ、本職があんましキレイに作っちゃうとイヤミですしね…(なんちゃって(笑))
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