「ベニヤに関するあれこれ(4) 合板を使うメリット」
木のモノ作り
今日は4月1日、何か面白いウソを…と、1日考えていたんですが…ハイ。
つまらないウソは要らない。というコトで、本題に入りましょう。
今日は、合板を使う「メリット」についてです。
僕の工房では、無垢の木で作るモノ作りを基本としていますが、モノ作りの所々で合板のお世話になっています。
それは、材料としてもそうですし、モノを作る過程、治具の材料に使う事も多いです。
まず、材料としての「合板」ですが
以前も少しお話しましたが、僕は一部の家具の「裏板」や引き出しを作る時の「底板」なんかに、木地色のきれいな「シナ合板」を使っています。
これは、実際にはほとんど目に付かない部分なので、無垢にこだわらず、合板を使う事で工程を簡略化できる事、ひいては、総無垢にこだわった場合よりも、価格を抑える事ができるからなんです。
家具の裏板や引き出しの底板なんかは、日常まず目にする事はありませんし、裏板や底板なんかに、そんな気を配ってみる人もまれでしょう。
お望みであれば、総無垢でもできますが、価格面でのメリットから、僕は合板をおススメする事が多いです。
これらの合板を使う箇所は、家具として完成後も、この裏板、底板を単独で取り外し、交換ができるようにしておきます。
このような構造を採用する事で、経年劣化で合板が痛んだとしても、交換が可能になります。
クラフト作品では、「MDF」で作った作品が有ります。
これは、このクラフト作品のデザインに求められる質感、重量が、無垢板よりもMDFの方がぴったし合うので選びました。
MDFは、無垢材を加工する機械、技術を使ってモノ作りができます。
それでいて、表面に木目が無く、スベスベの独自の質感を持っていて、無垢の木とは全く違ったデザイン的な表現ができます。
MDFは「接着」による構造の応用性が幅広く、そういった意味でも、無垢材とは一風変わったモノ作りができるのが面白い点です。
最近作った子供用の特殊家具にはラワン合板を使いました。
これは、テーブルトップに、プラスチック製のボードを貼る必要があったため、幅方向に大きく動く無垢材では問題があったためです。
もし、無垢材のテーブルトップにプラスチックボードを貼ってしまえば、無垢の木の動きに対応できないプラスチックは、時間がたつにつれ、はがれてしまう事が予想されました。
また、この時は、子供達の遊び部屋に置くため、カラフルな色使いが求められました。
ラワン合板は本来、木地色があまりキレイではなく、目に付く所にはあまり使われない合板ですが、着色仕上げすれば、それも問題ありません。
ただ、ラワン合板を家具作りに使うにはいくつかの注意点があります。
その辺りのお話はまた次回以後にしたいと思います。
合板を使ってモノ作りをする場合、無垢の木を素材にする時のように、板に「ワレ」がないか、「フシ」が無いかと気にしながら材料を選ぶ苦労はありません。
また、乾燥後でデコボコにうねった荒材を削り出して平面の出た板にする「木作り」をする必要も有りません。
そういった意味で、合板を使ってモノ作りをすると、かなりの手間を省けるというメリットがあります。
実際、効率的に作られる量産家具や安価に手に入る安物品には合板が使われているのはそのためでしょう。
ただ、僕はだからと言って、全てのモノ作りを合板でやろうとは思いません。
何故って、「無垢の木ならでは」の質感のモノ作りっていうのがやっぱりあって、僕はこの「無垢の木ならでは」の質感、作品が好きだからです。
ただ、無垢の木だけでは対応出来ないトコロ。
合板を使った方が、全体の結果として良くなるような場合。
そんな時は、総合的に判断して、合板とも上手に付き合いながらモノ作りに取り組んでいます。
ちなみに、木工作業と切っても切り離せない道具に「治具」というものが有ります。
コレは、モノを作る為の道具。作るモノに合わせて、職人が独自に製作するモノです。
この「治具」の素材は、まさに合板の「独壇場」と言えるでしょう。
治具はある特定の家具やクラフトを作る為のガイド、時に定規のような役割を果たす物もあります。
そんな治具を、環境の変化によって変形する無垢材で作っては、次回にまたその治具を使おうとしても、前回と同じ形を再現する事はできません。
コスト面でも安上がりな合板は、治具作りの材料として不可欠な木材です。
余談ですが…
僕の工房は、基本、無垢の木を使ったモノ作りを制作活動の基本としています。
が、実際の工房内の備品は、ほとんど合板で作ったモノに囲まれています。
コレは、安上がりに簡単に作ったモノで間に合わせた為…無垢材を使うのは高くつきますし手間なんです…
こういうのを、紺屋の白袴って言うんですよね…(苦笑)