2006/6/17
「ハンディルーターの使い方(4)」
ツールあれこれ
ハンディールーターは汎用性の高い機械で、木で物を作る場合、仕口などの加工、ほぞ穴あけ、また成形ビットを使った装飾加工など、多様に使われます。テーブルソーのように場所をとらずに、しかもルーターテーブルなどの使用によって、高精度な加工も可能です。
反面、この機械は数ある木工機械の中でも特に「危険」な機械としても知られています。使用ビットによってはかなり大きな刃物が高速で回転することになります。使用操作を誤り、加工材が機械に取られたり、体が刃物に巻き込まれる事故がよく発生します。
小さな刃物なら安心か?と言いますとそうでもなく、機械の特性に逆らったムリな操作をすれば一瞬で加工材が吹っ飛んでいきます。この機械を購入、使用される際はそのような注意点、ルーター操作に関する記述のある木工書や技術雑誌に必ず目を通して、機械の特性をキチンと理解をした上で使うべきでしょう。
僕が特に注意するポイントとしてあげるのは
1、1度に大きな削り量の切削作業をしない
2、加工材の送材方向はかならずルーターの回転方向に適した向きから送る
3、加工材を機械に通す時はかならず手が刃物から安全な距離を保った上で作業する(僕の実感としては10p以上は離れていたい)
4、できれば加工材を直接手で送らない
といった所でしょうか。
1、は例えば深さ10o程度の深さの溝を突く場合は5oづつ2回に分けて作業する〜(材種、刃の切れ具合、溝の幅でこの目安は変わります)といったことです。最終加工サイズが3分(9R=半径9o)のボーズ面を取るなら、まず1分のビット、2分のビット〜といった段階を踏んで加工をします。この方が作業は安全ですし、加工面も綺麗に仕上がります。
2、はまあ、だいたい説明書やルーター操作に関する教本に記述がありますのでこちらに解説は譲ります。基本は刃に向かっていく方向に材を送ります。刃の回転と同一方向に材を送ると、加工材はビットの回転にとられて吹っ飛んでいきます。(これも木目の向きや加工方法によって多少の例外がありますのでしっかりと理解した上で無理の無い作業をしましょう)
3、4、に関しましては「万が一」といったときに備えての事ですね。たとえ材がルーターに取られたとしても手が一緒にとられていかななければ体は無事ですみます。ちょっと嫌な話ですが、テーブルソーなどでスパーンと切られた場合はまだ傷の部分は形を残しますが、ルーターなどに巻き込まれたら原型がなくなってしまいます。
僕はけっこう小物を作る作業にルーターを多用していますが、このような加工材が小さいケースでは手で加工材を固定するような事は絶対しません。面倒はあるかもしれませんが、治具を作成して、ルーター操作が安定してできるような工夫を行い、加工材はクランプで固定します。
上の写真は、僕がルーター作業用の治具で加工材の固定に使う「トグルクランプ」というクランプです。これで作業台の上に加工材を固定すれば、手で材を押さえるよりも確実に安全に固定ができます。
上から押さえつけるものと横から押さえつけるタイプがあります。どちらも用途によって使い分けがされますが、強力な固定ができます。
ルーターは1台あるだけで本当に多用に木工に活用でき、しかも簡易に精巧で複雑な成形・加工ができるようになります。ただ、大変危険な機械でもありますので、事前にできる限りの予備知識と補助具の準備をして作業をしましょう。
次回からは「多様なルーター加工」について記述したいと思います。
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