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2015/7/16

S金属のAさん  

弊社が神奈川県のS金属から金属材料を購入している事は、このブログでも何度か書いています。
去年の年末に女性社員のKさんが退職したことを書きましたが、今回は別の女性社員Aさんが退職されました。
「S金属の女性社員が次々に退職する」なんて書くと、問題のある企業みたいですが、S金属は素晴らしい会社ですのでご安心を。

Aさんと初めて話したのは、私が設計を担当するようになった頃の事ですから、2004年くらいだと思います。
それまでは社長が材料手配をしていましたが、その頃から私がS金属を担当するようになったのです。
S金属には何名か女性社員がいましたが、電話に出た時に名乗る人は二人だけでした。
「はい、S金属、Aです」と必ず名乗るので、S金属の女性社員で最初に名前を覚えたのはAさんでした。

そんなAさんですが、弊社を担当した事は一度もありません。
私からの電話を担当者に取り次ぐのがAさんの役割ですから、普通なら親しく話す必要もありません。
ところがこの取り次ぎ方が、他の会社の人達を含めても、Aさんは断トツに上手いんです。
まるで、リスナーからのどんなメールに対してもトークを進める事が出来るラジオのパーソナリティみたいな感じです。(わかりにくいですか?)

例えばクレームの電話を掛けたとき担当が不在だったとします。
多くの会社は「大変申し訳御座いません。担当が戻り次第、すぐにご連絡させます」といった感じの受け答えをすると思います。
しかしAさんの場合、「あら大変。どうしましょう」とか「朝から大変ですねー」とか、まだAさんとそれ程親しくなかった頃なのに、まるで友達と会話しているような感じの応対をするんです。

特に私が強烈に覚えているのが「担当のKは逃げちゃいました」と笑いながら答えた事です。
この応対により、K君に怒りのクレームをぶつけるつもりだった私の気分は一気に和らぎ、後から電話が来た時には「人間だから失敗はする。次回は失敗しないように」と伝えていました。
もちろん、Aさんが誰に対してもそういった応対をしているとは思っていません。
「この人なら、こういう応対をしても良いだろう」という瞬間的な状況判断が出来るからだと思うのです。
この時の事は私にとって、とても意味がある出来事として、今でもよく覚えています。

それがきっかけとなり、その後の私の電話の応対方法も変わっていきました。
必要事項だけを伝えるとか単なる取次ぎだけではなく、ちょっとしたコミュニケーションを取ることを意識するようにしました。
Aさんとの電話は、電話応対の勉強の時間と考え、世間話や少しオーバーに表現したりして、Aさんの切替し方法を学び、そこで得たテクニックをフル活用させて頂きました。
今ではすべてのクライアントに名前を覚えてもらい、社長宛の電話でも、社長がいない場合は私を指名してくれる人が多なりましたし、S金属以外の取引業者とのやり取りも様々な駆け引きを駆使できるようになりました。
これらすべて、Aさんが無意識のうちに私に伝授してくれたコミュニケーション方法のおかげなんです。

今考えれば、Aさんが弊社の担当ではなかったのが良かったのかなと思います。
去年退職したKさんの場合、弊社の担当であるために「納期」「品質」「コスト」の話は避けられません。
かなり無理なお願いをする時もありますし、かなり厳しい口調でクレームをする時もあります。
ですので、お互い駆け引きしながらの電話が多かったのです。
その点、Aさんとは直接仕事のやり取りをする事もないわけですから、駆け引きする必要もなく気楽に話すことが出来ました。
仕事や家族の愚痴を聞いてもらったり、お酒の話をしたり、毎回の電話は短い時間なんですが、とても楽しく気分が癒される時間でした。
関西人なのに全然関西弁が出てこないので、一度くらい関西弁を聞いてみたかったですし、一緒に飲みにも行ってみたかったですね。

Aさんの退職は残念ですが、寿退職ですから、とても喜ばしい事なんです。
Kさんの時は、二度と声を聞くこともないのかと思い悲しくて涙が出ましたが、Aさんとはいつの日か再会出来るような気がします。
(再会といっても、Aさんとは直接会って話をしたことはなく、過去に一度、S金属に伺った時に一瞬見かけたことがあるだけですが。)

「Aさん。今までありがとうございました。Aさんとの電話はとても楽しい時間でした。どうかお幸せに。」
「いつの日か、関西弁を聞かせてください。白ワインを飲みながら」

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