伊福部昭さん逝く
伊福部さんの名前を知らない人でも、「ザザザ、ザザザ、・・・」で始まる「ゴジラ」のテーマ曲を知らない方はおられないだろう。あのテーマ曲を作曲されたのが伊福部さんである。
その伊福部さんが2月8日に逝去された。 残念である。
日本の現代音楽の父ともいっていい彼は、芥川也寸志、黛敏郎、石井真木などを育てている。
北海道出身の彼は、アイヌの音楽などのなかで育ち、音楽は全くの独学であり、、営林署に勤務する傍ら、一人で曲をつくっていたという。
戦後、外国で認められ、そののち音楽で生活するようになるが、当然のことながら純粋音楽では食べられず、アルバイトで始めたのが映画音楽である。
デビュー曲は谷口千吉監督の「銀嶺の果て」、そのときに監督と音楽に入れ方を巡って大論争したことは有名で、これで逆にいろんな監督から作曲の依頼がくるようになったという。
かれは戦時研究で、放射能障害をもっていたというが、そのことはビキニ水爆実験からヒントをえてつくられた反核兵器映画の名作「ゴジラ」のテーマ曲を造られたことと関連があるかもしれない。
東宝の特撮怪獣映画の音楽だけではなく、「原爆の子ら」(新藤兼人)、「蟹工船」(山村聡)「ビルマの竪琴」(市川昆)など名作の音楽も沢山書かれている。
その彼のCDがある。沢山あるのだが、ぜひ一度聴かれたい。ここではNAXOS、8.557587Jを紹介する。
戦前の「ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲」を発展させた「
シンフォニア・タカプーラ」と
「リトミア・オスティナータ」とゴジラのテーマ曲から発展させた
SF交響ファンタジー第一番である。
タカプーラはアイヌの踊りのひとつであるが、アジアの風土にたいする限りない共感が感じられ、それはそのまま人間の驕り、都市文明への批判という感性で「ゴジラ」に相通じるものがあるとおもう。
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伊福部さんのインタビュー
http://www.shinkyo.com/concerts/p145-2.html
から
「伊福部: 日本の音楽でも芸術でもそうですが、ねらいが「憧れ」なんですね。憧れで集めてきた「根なし草」のようなものを寄せ集めたのが今の日本の近代支化の根底を成しているものだと思う。・・・」
是非読まれたい。

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