クロチルド・ド・ベイゼルが演じたジャニーヌの女主人もいます・・・
彼女はコンセルヴァトワールで出会いました。コンセルヴァトワールの年末年始の公演へ映画監督たちが招待を受けるんですね。その公演で、クロチルドはアニー・ホールのダイアン・キートンの役をやって、素晴らしいと思ったので、彼女の名前を覚えたわけです。当時彼女はほとんど何も映画の仕事はしていなかったと思います。ジャニーヌの女主人の役に彼女はぴったりだなと思いました:美人で古典的でブルジョワ的な体型をしているのです。
映画は素晴らしいナレーションで終わります:「鏡のおかげで、ジャニーヌはお腹の子供の姿を見ることが出来た」
あれはトリュフォーのシナリオに既に書かれていました。もっと正確に言うと、トリュフォーは産婦人科でのシーンにしようと思っていたんですね。私は彼女を見せない方がいいと思い、この台詞をナレーションで使い、トリュフォーの執筆にオマージュになればと思いました。映画は海のシーンで終わります、『大人は判ってくれない』と同じように。
音楽のロマネスクな使い方も『小さな泥棒』は最も感情に重点を置いた作品の一つだと言う事を強調していますね・・・
ええ、そうですね。『小さな泥棒』ではたくさんの事にとても感銘を受けたんですね。それにミシェル・ダヴェンヌは音楽の先生だったので、この役を通じて私は自分の音楽への愛情を表現することが出来たわけです。トリュフォーのシナリオではそうした役割ではなかったのかも知れませんが、こうした複数の人間が織り成す話が私の少年時代、カーソン・マッカラーズが好きなこと、彼女の『心は孤独な狩人』、音楽家や演奏家への私の興味、それまで知らなかった感情と文化の世界が思いがけず開いてきたことに繋がっているのです。
この作品で初めてあなたの妻のアニーがプロデューサーになりました・・・
ええ、フィルム・デ・ラ・ボワジエール(訳注:ミレール監督の製作会社)の中心人物です。妻は幼馴染なんです:近所に住んでいたんですね・・・(続く)