『レイプ殺人事件』(原題 Garde a vue)は百万人以上の観客動員がありました−これまでの作品で最大の成功を収めた訳ですが、その成功後、どの様に過ごしていたのですか?
成功を収めることが出来て、ニコニコしながら興奮していました。そこで次回作ではやりたかった事をやったのです・・・それは大失敗でした!『死への逃避行』では自分の気まぐれを全て押し通しました、誰の話にも聞く耳を持たなかったのです。プロデューサーたちにも成功に酔った態度で、横柄な態度を取ってしまった、あれやこれやと要求しました。花火とでも言うか、映画の花火を上げたかったんですね。『死への逃避行』は完全に横領でしたね、大損をした作品です。失敗作だったのです。
しかし今ではカルト作品になっています・・・
ええ、そうですが、でもすぐにそうなった訳じゃありません。今ではこんな発言がシックなんですね:「ミシェル・オディアール?彼は凄く味があるよね、凄くピトレスクだよ。」でも1980年代の知的階級で、オディアール・ファンはいなかったのです。彼は下品だと思われていたんですね。
今オディアールが好きな人は正にその下品さが好きなのではないですか?
そうとも言えませんね。アリバイを自分に与えているんですね、彼らは。セリーヌやラブレーの伝統に則った美しい言葉と言う訳ですよ。以前からのファンはこう言っていましたよ:「笑わせてくれるよ、(オディアールが嫌いな奴は)糞くらえ!」と。
『レイプ殺人事件』の成功がなければ、彼とまた仕事することはなかったと思われますか?
ええ、なかったでしょうね。あの成功のおかげで友人になれたのでしょう。「友人」という言い方は私のような気難し屋には少し言い過ぎかも知れませんね!あの映画の封切り後、3、4ヶ月経って、オディアールがマルク・ベムの小説「死への逃避行」をくれたのです:「読んでみてくれ。気に入ってもらえるといいんだが。この小説を脚本化してみたいんだ。君ならうまく映画に出来るんじゃないかな?」この小説は本当に読むのが楽しかったのです。女性のエロチックで耽美的なビジョンとアメリカを旅して行くところがロリータに似ていると思いました。ナボコフの場合はそれが美少女であるのですが、ベムの小説では女殺人犯。オディアールがこの素晴らしい小説を紹介してくれたからこそ、多分彼と友人になれたんだと思いますね!(続く)

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