あなたはサラマン・ラシュディーを弁護したり、家族が再びまとまろうとする移民のDNA検査やコンドームに対する法王の宣言や、今回はブルカ(注:イスラム教の女性が着用する全身を覆う服)にも異議を唱えていました。そうした反抗心は母親から受け継いだものなのでしょうか?
私の母はゲリラでも闘争家でもなかったわ。父もちがった。両親たちの控えめな生き方、諦めや、敗れた夢、十分な成功を収めた人生を生きるのに敗れた野心のために、私は反撥しているのね。存在することに打ちのめされてしまった。彼らの思い出という名目で戦っているの。
それはあなたが息子さんたちバルナベ君とガブリエル-ケイン君に伝えたことなのでしょうか?
バルナベは、本当にそう、他人と向き合って、連帯感を大切にする政治的な市民だわ。自慢の息子ね。ガブリエル-ケインは不正ってことに本当に感じ入る子ね。一緒に戦わなくてはならない、放任しちゃいけない事柄を話したりするの。私は現実を見つめて、それを伝えようと女優の仕事をしてるわ、信条を伝えようってね。私は市民運動もするけど、政治はやらないわ!国のアイデンティティについても、私は一家言持ってるというのを読んだことがあるけど、違うわ。そんな事は考えたこともないもの!
最近楽しみ始めたと公言されていました。楽しむとはどういう意味合いなのですか?
自分の自由が出来ただけではなく、自由全般という話ね。紋切り型にならずに、したい事をやれるってこと。何かを計画してやってみたいって気分なの。企画を練るために製作会社を立ち上げたのよ、ライターも雇うわ。あまりフランス的な考えではないけど、したい事をやれるのよ。
実生活では息子のガブリエル-ケイン君が父親のダニエル・デイ=ルイスと一緒に暮らすことになった訳ですが、それは大きな変化ですか?
ガブリエル-ケインは青春は18年しかないって決めたんですね。私とは14年間一緒に暮らしましたから、父親と何年か一緒に暮らすことになったんです。それは彼が私に意識的にくれた贈りものとも言えますね。「2ヶ月も息子を一人にはしておけないわ」と思わずに私が仕事を出来るようにしてくれている訳ですから。ダニエルと彼の妻は、子供の教育に関してはとてもきちんとしているんです。私のような過保護な母親は少し安心できるの。
息子さんは5度目のセザール賞受賞を確信していたのでしょうか?
2人とも、そうあるべきと決めていましたね。バルナベが授賞式へ同行するハズだったんですがプロヴァンスからパリへ引越しをする最中で、パリに住むことになって、それで来れなかったんですね。家ではこうした式よりも生活優先なので。でも二人の気持ちだけは来ていました。私の母同様その存在感はこれまで以上に感じられました。(続く)

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