いちおう1年収めの12月ということで、このロチオスタジアムでも簡単な総集編をやってみようと思います。今年1年間に取材し、見事プロ入りを果たした野球選手たちの紹介と激励を込めた全10回の連載をば。
さて、第1回目は誰にしようかと考えましたが、そこはやっぱりドラフト1位でしょ。しかも、春の甲子園で優勝投手に輝いた、アイツしかおらんよね。
今村猛(広島東洋1位)
投手 右投右打 清峰

優勝した今春センバツでは全5試合に先発し44イニングを投げ、投球回を上回る47奪三振を記録。しかも、わずか1失点。決勝では西武ドラフト1位、菊池雄星(花巻東)との息詰まる投手戦を制している。今年のドラフト指名された高校生ルーキーの中では、即戦力性ではナンバーワンとされる152キロ右腕。長崎県出身。
今村投手といえば、すっかり代名詞ともなった
“ギアチェンジ投法”。試合の中での強弱緩急を自在に操り、ここぞの場面で一気にトップギアにシフトする超高校級のピッチングです。
ごく簡単に説明すると、こういったことになります。相手打者やゲーム展開を見て、早いカウントから打たせて取るピッチングを繰り広げているかと思えば、得点圏に走者を背負った状況では力攻めに転じ、3者三振で軌って取る。
一部ではこれを“手抜き”と揶揄する人もいますが、これは他の高校生では真似のできない高等な技術なんです。1試合を投げぬく術、連投を強いられるトーナメントで勝つツボを、今村くんは優勝した
昨年秋の九州大会でモノにしたといいます。
彼の出現後、九州地区でとくに目立つのですが“ギアチェンジ投法”を真似した(取り入れようとした)高校生投手が増えつつあるんです。
彼と同等のパフォーマンスを発揮できる投手は限られてくるでしょうが(もしかしたら、数年は出現しないかもしれません)、そうした新たなトレンドを打ち出した功績は、長い高校球史においても大いなる歴史的事象として語り継がれることになるでしょう。また、それを具現化した実力は、間違いなく評価に値するものだと思います。
同時に、今村投手の個性を最大限に引き出した
吉田洸二監督の存在も忘れてはなりません。
5月に鹿児島で行なわれた招待試合で、自己最速は152キロにまで達しました。普通に考えれば、そこまで超一流のスピードボールを持っている投手であれば、1試合27奪三振を狙いにいくものだと考えてしまいます。しかし、理想はあくまで
「1試合を27球で終わらせること」
だと言います。ギアチェンジ投法の進化形を夏の甲子園で披露する予定でしたが、ご存知のとおり夏は長崎県大会の準々決勝で敗退。その成果を見せつける場はプロの世界で、というわけです。
楽しみに待ちましょう。今村投手がプロ球界で見せてくれるであろう、段違いのニュー・スタンダードを。
魅せてくれ、今村猛!
<今村猛投手に関するロチオ・ロチオーネ寄稿誌>
・高校野球小僧 2009年春号
・アマチュア野球25 2009年ドラフト号
・野球小僧 2009ドラフト総決算号
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