7日の日曜日に再び宮崎入りします。今回の滞在は4日間。8〜10日までソフトボール女子日本代表を取材し、発売日が変わった(当然、締切も変わった)ソフトボールマガジンに合わせて10日中に原稿を入稿。その為、10日も宮崎に宿泊する予定です。
ホテルをチェックアウトする11日には、せっかくなので生目の杜でキャンプを張る福岡大野球部を訪問し、それから帰ってこようかなと考え中。
ただ、横浜商科大が14日まで久峰で、立教大が西都でキャンプを行なっているんですよね。横浜商大は知っている選手が何人か参加しているので、こちらも見ておきたいなぁ。
この時期の宮崎って、本当にキャンプのメッカですよね。
トヨタ自動車の延岡西階キャンプは今日が最終日で、住友金属鹿島が川南で6日まで。東邦ガスも12日まで西都でキャンプ中で、明日からは北九州大、中央大が生目の杜でキャンプイン。プロ野球と入れ替わりで、大学・社会人が次々と長期合宿でやってくる。
右を見ればプロ野球。左を見れば社会人野球。そして振り向けば大学野球。
高校野球でいうとここ数年の宮崎県は、2年前のドラフト3選手指名(うちふたりが1位指名)、昨年夏の8強・都城商を見るまでもなく、明らかにレベルアップを果たしていますよね。これにはいったいどういう背景があるか。簡単にまとめると、以下のようになります。
@宮崎では中学時代から有望選手が多く育ち、A彼らが各チームに分散。そしてこうした戦力を持ったB県内トップの数チームが拮抗した戦いを演じることで、C県全体のレベルを押し上げる。
@でいうと、
軟式・硬式ともに宮崎県は非常にレベルが高く、優秀な選手も多いです。たとえば現宮崎商のエース・吉田奈緒貴投手(新2年生)は宮崎リトルシニア時代に7度の全国大会を経験し、3年春には4位入賞。
中学当時から138キロを記録する快速右腕として鳴らした逸材です。
また、住吉中3年時に県中体連で優勝した宮崎日大の武田翔太投手(新2年)も、
軟式で140キロを超える怪腕でした。
一方でこの春甲子園に出場する宮崎工の左腕エース・浜田智博投手(新3年)、長嶺修平選手(新3年)らは、中体連後のKボール宮崎県代表に選抜され、
中3時に全国優勝を果たしています。この時、浜田投手とバッテリーを組んだ米良孝秋捕手は昨年、都城商の甲子園出場に2年生捕手として貢献し、新西貴利投手の快投を好リードで導いています。
このように、全国経験の豊富な選手が一極集中しないのがA。新3年生は例の特待生問題が生じた秋から冬にかけて進路を決めた選手たちなので、選手やその両親の間に“公立志向”が強かったこともあるでしょう。
こうした傾向から自ずと戦力は分散し、公立校を中心に全国を狙えるチームが一段と増えてきました。当然各チームの実力差は接近し、どこが勝ってもおかしくないという状況が生まれます。これがB。
ただ、日南学園・中崎翔太投手(新3年)らドラフト候補と呼ばれる投手が林立する中で、そこを打倒しないかぎり全国への道は開けない。だからこそ、各チームがそれぞれのチームカラーを徹底させることが大事になってくる。ドラフト候補投手を相手に、投手戦でも負けない投手力を作るのか。圧倒的な打撃力でこれを打ち破るのか。一瞬の隙も見逃さず、足でプレッシャーをかけられる機動力を磨くのか。奇襲に順応できる小技の効いた打線を組むのか。データも重要になってくるし、何より各自のスタイルを磨いていくうちにCのような県全体の底上げに繋がるわけです。
だからこそ、宮崎県の高校野球は面白いんですよね。
それぞれのチームカラーがハッキリと色分けされているから。この春、初のセンバツ出場を果たした宮崎工は、色分けするなら機動力のチーム。どの打順からでもスタートが切れ、とくに3番・長嶺選手のスタートセンス、思い切りの良さには目を見張るものがあります。宮崎工・岩切隆公監督が面白いことを言っていました。
「2年前の宮崎には赤川克紀(宮崎商)、有馬翔、中崎雄太(日南学園)という素晴らしい左腕が3人もいました。彼らに勝たなければ甲子園出場は絶対にないことは分かっていますが、がっぷり四つでは寄り切られてしまう。だからこそ、ウチは機動力に活路を見出したんです」
その年に甲子園出場を果たしたのは赤川投手の宮崎商。しかし、そこで取り入れた機動力という武器はチームの伝統として受け継がれ、昨秋・九州大会で準優勝。そしてついに、センバツ出場という実を結びました。
また、上位各カテゴリーのキャンプ地であることも「宮崎県野球のレベルを引き上げてくれている」と岩切監督。
「選手たちはもちろんですが、我々指導者もキャンプで得るものは大きいんですよ。どんな練習をしているのかは当然見ますが、
ネットの前まで行き、コーチが選手に何を言っているかを聞く。これが大きいと思うんです」
指導者がそこで得た練習方法や情報をチームに持ち帰り、チーム強化と選手育成に活かす。中学時から素材がいい選手たちが、上質なトレーニングによってさらに開花する。これは本当に素晴らしい環境だと思いますね。沖縄県も同様だと思いますが、宮崎ならではと言ってもいいでしょうか。身近にあるチャンスを活かさない手はないです。
昨年の春に清峰がセンバツ優勝を果たし、
九州で甲子園優勝のない県は宮崎だけになってしまいました。宮崎県のどの指導者さんも、タクシーの運転手も、皆が気にしている点ではありますが、ボクは近い将来、宮崎の悲願は達成されるのではないかと信じています。むしろ、野球環境に恵まれた宮崎県が、九州の高校野球をリードする時代が来るのではないか。そうあってほしいな、とも思います。
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