今季初めて蛇に遭遇しました。
目撃現場は家の前。長さ30センチほどのシマヘビです。
シマヘビはアオダイショウと並び日本にもっとも多く生息する無毒蛇の一種ですが、攻撃性が非常に高く、人間にも果敢に仕掛けてくることで知られています。
たしかに家のまわりは水田も多く、豊富な水資源に加え森林も生い茂っていますから、
湿気と日陰をこよなく愛する蛇にとっては、これ以上ない生活環境と言えるのではないでしょうか。だから、遭遇率も俄然高くなる。蛇に恨みはないけど、どちらかと言えば大の苦手。ひと言で置き換えるなら“大嫌い”。もうホント勘弁してほしいんだけど……。
じつはボク、
蛇に噛まれたことがあるんです。
忘れもしない3年前の秋ですね。噛まれた場所は実家玄関先の石段で、相手はやはりシマヘビでした。夕方近くに帰宅し普通に玄関を入ろうとしたら、いるんですよ、ヤツが。ミスドのハニーリングのような格好で居座っているんですよ。
記憶を紐解きます。
蛇を見ただけでパニックに陥ってしまうボクは「うわーーーーー!」と絶叫し、何を思ったかその蛇の頭上を飛び越えて逃げようとしました。すると攻撃性の高いシマヘビは、ボクの下から“グワッ”と飛び上がり(これがたまらなく恐い!)、ボクの靴のカカト部分にカプリ。
もう半狂乱です。人間は本当に恐怖を感じると「うわー!」でも「キャー!」でも「うぉー!」でも「ヒャー!」でもない、じつに不思議な物凄い声が出るんですね。気絶へと向かう意識を必死に立て直しながら、なんとか振りほどこうとする。しかし、カカト部分はラバー構造なので、いったん食い込んだ牙はそう簡単に抜けるものではありません。
振りほどくための棒切れもない。武器もない。もちろん直に触れるなんてできっこないし、石やアスファルトにカカトを叩きつけるなんてグロすぎてできない。
こうした場合、どうやって蛇を振りほどけばいいか。とにかく必死にヒザのお皿部分から下を振りまくるしかないんです。そう、
ツイストダンスのように。
こっちはもう死に物狂いで上半身と下半身を捻り、ヒザから下を猛烈にシェイクしているわけですが、事情を知らない近所の人には「中年のオッサンが奇声を発して時代を違えたツイストを踊っている」としか映らなかったでしょう。
それでもなかなか蛇は離れない。その間も蛇の体はムチのようにしなり、噛まれていない方の足にビッシビシと当たってくるのです。これによってさらに混乱の度を増すわけですが、とにかくツイストしまくるしかない。じっとなんてしていたら、足を這って上半身にまで上がってきますからね。
何秒間そんな状態が続いていたんだろう? 気がつくと、蛇の体はボクの足を離れ、側溝の穴の中へと消えていきました。その逃げていく蛇の姿を見て、再び「うわーーーー!」と家の中に転がり込み、意識を立て直す……。
まさに地獄の数秒間でした。いや、数秒間なんてもんじゃなかったな。噛まれた本人の実感としては、もの凄く長い永遠の時間なんです。
蛇にしてみたら、人間という巨悪から身を守るための当然の行動ですからね。もしかしたら、向こうはこっち以上の恐怖を感じていたかもしれない。
噛まれた靴は現在でも時々履いていますが、カカト部分にはクッキリと彼(彼女?)の歯形が残っています。まさに動物同士が本能と本能でぶつかり合った
“激戦の痕”です。
あぁ、もう本当にイヤだ。ついに蛇野郎のシーズンがやってきたんだなぁ。
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