とあるビジネス街を終点とするバス停に到着。
客を全部降ろして、一息付く。
どうやら昼休みらしく、弁当売りのワゴンにサラリーマンの行列。
…慌しい。
ふと、綺麗なオフィスに目をやると、ロフト風になっている中2階の食堂が目に入る。
その食堂…というよりも喫茶店にも思えるくらいの綺麗なオフィス街での食事は、外から見ると本当にオシャレで素敵。
昔は
MAGAMOもオフィス街でサラリーマンやってた頃があったなぁ。
昼休みになったら、同期と弁当持って「土佐堀」の橋まで食べに行ってた。
…それもなかなかオサレでしょ♪
そんな昔の情景が思い浮かぶ最中、弁当を持って歩く一人のサラリーマンと目が合う。
年齢はちょうど
MAGAMOと同じくらいか。
結構人生に疲れ切ったような目で
MAGAMOを見つめてくる。
バスの中でのんびりしているのが珍しいかな?
MAGAMOも見つめ返す。
どうだろう。
丁度仕事を任されて、部下も付いて責任者になったくらいだろうか。
仕事としては脂が乗る頃。
でも、どことなくその目は羨ましそうに見える。
きっと
バスの運転手って良さそうだな……
なんて思ってるかもしれない。
MAGAMOもそう思った事があった。
部下も付いて責任の積もる仕事に就けられ、何度も逃げ出したくなることもあった。
やり遂げた仕事は、業績を上司に持っていかれて、
MAGAMOに落ちてくるのは報酬ではなく後始末。
途中で無断欠勤する課長代理を家まで迎えに行ったりもした。
その間も仕事がどんどん溜まり、首が回らなくなる。
…誰も手伝ってはくれない。
毎日会社に通勤するのが辛くて辛くて仕方が無かった。
横槍の仕事が入り、自分の仕事は片付かないどころか溜まる一方。
徹夜を繰り返しても終わることはなかった。
不器用だった。
仕事は結構デキる方だったと思うけど、うまく受け流すことができなかった…。
無能な同僚から、どんどん仕事が回ってくる。
そしてその仕事は自分の物になっていく。
仕事が増えると障害も増える。
成績が悪くなる。
悪循環となる…。
どうすることもできなくなり、ついに辞職を決意。
3ヶ月に渡って、上司を説得。
当然便利屋である
MAGAMOを辞めさせてはいけないと、上司も必死だったが…
決意は変わることは無く、思い切った転職に踏み切った………。
…そして、今、バスを運転している。
その弁当を持ったサラリーマンの目は、まるで昔の
MAGAMOの状態を見ることができた。
結構辛そうですけど、アナタは転職したいですか?
今の自分を変えようと思うなら、思い切ってやってみてはいかが?
…それが良い結果になるか悪い結果になるかは…わからない。
でも、やらなきゃ…そのツライ状況は変えられない。
MAGAMOはそう胸に秘めた気持ちを目に伝え、そのサラリーマンに軽く会釈した。
そのサラリーマンも軽く頭を下げて、職場へと戻っていく。
昼下がり。
それぞれ違った運命を歩んできた二人の、ちょっとした出会いでした。

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