昨日は6日ぶりに外出しました。彩の国に「リア王」を観に行って以来、ずっと病院で充電しておりました。
昨日はマイミクさんと会って映画を観てきました。「アメリカンギャングスター」です。
まず、待ち合わせ時間より早く着いた僕は、チケットを買うべく新宿バルト9に向かいましたが、何と長蛇の列! 三連休で唯一天気のいい日だったので、カップルが大挙して映画館に押し寄せていたのです。
しかもバルト9は去年できたばかりのシネコンで、カウンターが映画別になっておらず、すべて同じなのです。だから長蛇になるのです。
バカバカしいので、新宿でもう一ヵ所やってる新宿プラザで観ることにしました。
待ち合わせは紀伊国屋書店。早く着いたので、いろんな本をパラパラ立ち読みしました。僕は内容は読まずに、字の大きさ、漢字と平仮名のバランス、紙質、装丁などを確かめるのが好きです。
松浦理英子の待望の新作『犬身(けんしん)』は分厚かったなぁ。直木賞の桜庭一樹『私の男』も気になります。父と娘の恋愛を描いた作品らしいですね。
島本理生『クローバー』も読みたい! 伊坂幸太郎『死神の精度』と村上春樹『東京奇譚集』は文庫化されてました。
で、何も買わないつもりでいたのが、見つけてしまいました! 古井由吉の新作『白暗淵(しろわだ)』。
古井由吉は新作が出ると必ず買います。村上春樹、ガルシア=マルケスと並んで、一番好きな作家です。
古井由吉は想像を絶する日本語の使い方をします。わかりやすい言葉の村上春樹とは真逆ですね。
僕は村上春樹と古井由吉の両方が好きな人に出会ったことがないのだけれど、いるのかなぁ?
古井さんの前作『辻』を買ってまだ読んでないのに、『白暗淵』を買ってしまいました。また積ん読です。古井文学を読みこなせるほど頭が働かないので。
頭が働いていても、古井ワールドは3割くらいしか理解できてないと思います。でも3割でも感動するのです。
古井由吉は文壇では重鎮ですが、今一つ大衆的な人気はないようです。読んだことがなく興味をもった方は、まずは講談社文庫の『野川』をオススメします。古井作品はほとんど絶版なんですよね。だからヤフオクでたくさん揃えました。
揃えるだけでちっとも読んでません。読んだのは6冊くらいかな。それでも僕にとっては最も大切な作家です。
★
話が逸れちゃいました。マイミクさんと会って伊勢丹にランチに行きましたが、ここも長蛇の列。並ぶのがアホらしいので、外の手頃なパスタ屋さんに入りました。
そこでパスタを食べ終えて、「物足りないなぁ」と言ったら、マイミクさんも同感だったらしく、新宿中村屋でカレーを食べようと決めました。
しかし、中村屋も長い列。晴れた休日の新宿はどこへ行っても混んでますね。
それで新宿プラザ近くのロッテリアに行きました。かねてから気になっていた“絶品チーズバーガー”を食べましたが、普通の味でした。
僕もマイミクさんも、パスタの後にハンバーガーとフライドポテト。「これじゃ太って当然だよね〜」と話しました。
さて、新宿プラザは1200席の大きな映画館でした。スクリーンのでかさにたまげました! 「スターウォーズ」とか観たら迫力ありそう。
「アメリカンギャングスター」はリドリー・スコット監督作で、デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウのアカデミー賞俳優の共演です。
2時間半の大作で、始まる前に疲れてあくび連発でしたが、30分観終えたら目がシャキッとしました。とてもテンポのよい作品で、疲れさせませんでした。
ストーリーは1970年代のアメリカ、麻薬王の運転手だったフランク(デンゼル・ワシントン)が、ボスが死ぬことで代わりにボスに成り代わり、そのルーカスを追い詰める麻薬取締捜査官リッチーがラッセル・クロウでした。
二大オスカー俳優ががっぷり組む話かと思いきや、二人が顔を合わせるのは最後の最後、フランクが逮捕されてからです。フランクがヘロインの流通を仕切っているボスだということは途中までリッチーにはわからないんです。
物語はフランクとリッチーの暮らしぶりを交互に描いていきます。運転手にすぎなかったフランクの成り上がりぶりが見事に描かれています。弟たちにヤクの密売を手伝わせるのですが、みな黒人だから顔の見分けがつかないときがありました(^^;)
リッチーは妻と離婚裁判中です。それは仕事人間で家庭を顧みず、女関係にもルーズだからです。しかしその反面、捜査で手に入れた裏金を着服せずに、馬鹿正直に上司に届け出る生真面目さも持ち合わせています。
それに夜学に通い司法試験を受けて、検事になります。その後は弁護士になったそうです。
この話は実話だそうです。フランクはフランクで、家族思いなところがあり、日曜は母親と教会のミサに行き、プエルトリコの美女と出会い、結婚します。麻薬王で、日中の街中で平気で人を銃殺できる神経を持ちながら、その反面妻や母親の前ではきわめて普通の人間なのです。
人間の描き方が重層的で、そこが先月観た『人のセックスを笑うな』と決定的に違います。大人の映画と子どもの映画という感じです。
『アメリカンギャングスター』、シリアスなサスペンスながら、脚本と編集の巧みさや役者たちの演技を忘れる演技ぶりで、2時間半があっという間です。
何といっても、ラッセル・クロウの渋さにKOされました。僕が女だったらあんな男に抱かれたい(笑) 低くてぼそぼそ喋る声がたまらなくセクシーなんです。
ラッセル・クロウは『インサイダー』『ビューティフル・マインド』(精神病を描いた傑作!)を観たことがありますが、まさに名優ですね。
デンゼル・ワシントンの悪役ぶりも新鮮でした。
この映画は単にフランクとリッチーの対決を描いているのではなく、二人の周辺の人物も詳細に描いています。
何といってもリッチーは、フランクと内通して金儲けしている同僚の麻薬捜査官たちにも苦しめられます。警察VSギャングという単純な構図ではなく、リッチーは警察の腐敗しきった暗部とも闘わなくてはならないのです。
この話は実話で、最終的にリッチーの活躍によって、フランク一味と警察内部の大勢の内通者がみな逮捕されるのです。
評価は★★★★☆です。前回の『人のセックスを笑うな』は★でした。
毎度下手な感想で悪いのですが、ぜひ多くの方に観てほしい名作です。

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