本日新潟日報朝刊地域(新潟)版で、新潟市議会で類似の意見書が別々に諮られるという『珍事』があった」との記事があり、「学校の試験問題でどっちの表題が正しいかと聞かれたらどうか」と提案議員が訴えた」と書かれています。
この「提案議員」は、私です。
ただ、日報の記事はちょっと不十分で、少し解説します。
8月の末に、全国知事会・全国市長会・議長会など地方6団体がいわゆる「三位一体改革」(国や地方の財政全体を削減)の一環として「国庫補助金」の削減案(「改革案」)を国に提案しました。
そして全国市議会議長会からこの「改革案」実現を求める意見書をあげて欲しいという要請が、模範案文とともに各市議会宛てに送付されました。
しかし、この意見書の模範案文は、その実現を求める「改革案」の中味には触れられず、改革に当たっての前提条件のみを記したもので、文章として体をなしていない、「ステーキの焼き具合や料理方法を全く言わずに、前菜のメニューだけをあれこれ注文を言っている変な客」と僕は指摘し、修正案を提案。
議会運営委員会で保守系会派は、「全国議長会から要請されたもので、一言一句変える事はできない」などと固執し、革新の一部会派の議員委員も「今回は議長会案で」と主張。
この地方6団体の改革案、中身は非常によくできているのですが、具体的項目に踏み込むと、新聞報道等でもあった通り、「義務教育国庫負担」などに関して知事会でも激論が戦わされたようにそれぞれ異論が噴出するのは必至で、実際さまざまな関連団体から問題点の指摘がなされています。
これは8月の知事会での集約の後、慌しく地方6団体の幹事会等で了承が得られたもので、新潟市議会でも中身の議論は全くされておらず、「実現を求める」意見書を採択しようと言いながら、ほとんど誰も中身をよく読んでいないというのが実態。それら具体的な中味を吟味することなくただ「改革案の実現を求める」と言い切ってしまえば、今後その中身の議論の余地をなくしてしまう、ということも指摘しました。
実際、ある団体が全国の市町村長にこの改革案に関するアンケートを集計していますが、半数以上の首長が「(具体的中味を)知らない」と回答した項目がほとんどで、項目によっては8割以上の首長が「(この案では、自治体にとって)懸念がある」と答えたものもあるほど、国民的合意には至っているとは言えないものなのです。
非常に不自然な模範案文自体が、僕の指摘した問題を象徴徴していて、議長会としては「改革案の実現を求めた」というポーズをとりながら、しかしその具体的中味の「地雷」には触れたくない、という苦しい事情を反映しているのです。
それでも保守系は「中山さんの指摘が全く正しいのかもしれないが・・」と、論理的にはこちらの主張をほとんど認めつつ、しかし議長会との面子にこだわりついに修正に応じなかったため、やむなく別の意見書の提案になった次第です。少数でこちらは採択されませんでしたが、私たち「無所属連合」の他に2会派の賛同が得られました。
この「珍事」、こういう保守系会派と一部革新会派の「思考停止」と言わざるを得ない実情を象徴した事件と言えます。