2009/7/23

金田伊功 逝去  映画

 またも思いがけない方の訃報が入る。金田伊功さんが、心筋梗塞で亡くなった。57歳。若い。

 私はアニメ作画家の仕事を細かくフォローしているわけではないので、その業績の1億分の1も理解してはいない。けれど、金田さん担当パートは、どの作品であろうと一発でわかるというだけで、すごすぎる個性であり、才能だったと思う。

 私にとっては、ラステルを乗せたトルメキア船が風の谷に落下する一連のシーン。
 ナウシカがじっと気配を読みつつ、爺たちにメーヴェを持ってこさせ、落下する船に向けて飛び立つあたり。金田さん担当の、あのシーンの素晴らしさは語りようがない。
 奥歯をぎゅっとかみしめつつ、前方やや上を見ているナウシカの凛々しい表情。

 私は、葛城ミサトさんが、ネルフ作戦司令室のモニターパネルで戦況を見つめる時の、やや上から見下ろすアングルで、こちらをぎゅっと見据えたバストショットがたまらなく好きなのだが、金田ナウシカは、このミサトさんの表情に遠く影響を与えていると思えてならないのだ。ただの妄想にすぎないけれど。
 巨神兵の溶解シーンを担当した若き庵野秀明が、ナウシカの現場で金田伊功の技術を見つめていただろうことは、たぶん間違いないと思うし、金田ナウシカから、ミサトさんにまでエコーが届いていると想像すると、力ある才能の息吹はなんと不滅だろうかとつくづく思う。

 金田伊功の仕事を私ごときが語る資格はない。そのかわり、以下の引用を示すにとどめる。金田作画の偉大さをこれほど伝えてやまぬ描写はないと思う。
 島本和彦『アオイホノオ』(小学館)第2巻。ここでは実に8ページにわたって、金田伊功のすごさを語りまくっている。必読。
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写真:島本和彦『アオイホノオ』2巻(小学館)P.100より。金田礼賛ページはP.96〜103。
撮影:Incidents




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