18日は私の誕生日であり、1回目の手術でした。開頭して脳内の奇形血管を切除する2回目の手術の際の出血を最小限にするべく、事前に奇形血管の入り口側を塞いでおくのです。
カテーテルと言う細いチューブを血管に入れて行うので、メスを入れる様な傷は無いけど、様々なリスクについて説明(こう言う事が何人に1人の確率で云々)があり、同意書にサインをしました。
そんなリスクはともかく、自分の体でありながら、今までの人生で知る由も無かった不思議な人体の世界は驚きの連続。「へーっ!」と言うことばかりです。
カテーテルを血管に入れると、異物と判断して血が固まろうとするので、あらかじめ血液が凝固しないような薬を点滴で入れます。逆に、何かの拍子に出血すると血が止まらないそうです。
カテーテルを挿入するのは大腿動脈なのですが、血液が固まらない薬の作用もあるし、圧力の高い動脈でもあり、穴が塞がるまで時間が掛るのです。そのため、術後6時間は足の付け根を曲げたりせずじっと寝ていなければなりません。
そうなるとトイレにも行けないし、そもそもオシッコをガマンして膀胱に尿が溜まると血圧が上がるそうで、不用意に血圧が上がると手術中のリスクも高くなります。
そんなワケで、やっぱり手術の前に尿管を通すのですね。
今回、尿管を付ける先生は前回とは別の先生、自分も尿管を体験した事があるそうで、入れる直前に潤滑方法について相談しましたよ。
そして、挿入するチューブをゼリーでしっかり潤滑してあれば、ちょっと違和感がある程度で、入れる時も入れてる間も全く痛くない!やっぱりコレが本来あるべき状態だ!
(その後、抜く時も、そして抜いた後も全く痛く無かったです。翌日、隣の患者さんに前回の先生が実施しようとしてたので、僭越ながら「ちょっと待った!」と詳細を伝えておきました。看護師は知ってても、ドクターのやり方に口を出さないようですねぇ。痛いのは患者なんだけど〜)
で、尿管が痛くないし、一度やってる工程なので、今回は割りと落ち着いて血管造影検査室(手術室と言う感じではない)の中を観察。
この部屋を看護師達が「アンギオ」と呼ぶので何の略かと思っていたら、「Angiography」の事だった。
あまりに落ち着いているので、先生に逆に心配されてしまいましたが。
手術前の説明の際に、血管の分かれ道でどうやってカテーテルの進む先をコントロールするのか聞いたら、「細いカテーテルはふにゃふにゃなので、流れに任せて進むだけ。違う方に入ったらちょっと戻してやり直し。」だそうです。ハイテクなようでローテクなんですね。
足の付け根だけの局部麻酔だから、手術中に「あれ〜、行きたくない方に行っちゃうな〜」なんて会話が聞こえます。
途中で何度も造影剤を注入して、カテーテルの状況やその先の血管を確認しながら作業を進めます。
その内、先生達の様子がちょっと変わりました。「さては行き先を見失ったか?」なんて思っていたら、「接着剤の用意!あれ?まだだっけ?」とバタバタし始めました。
いよいよ問題の奇形血管に接着剤を詰めて、人為的に脳梗塞を起こすわけです。しかし、血管のどこで接着剤が固まるかが問題です。そのまま流れていって変な所で固まっても困ります。手術前に接着剤の耐久性について聞いたら、私の残りの人生は十分に共に出来るほど強力だそうです。そのせいか、接着剤を入れる瞬間は先生達の緊張がこちらまで伝わって来ました・・・。
しばらく、息を止めてるような時間があって、「よし造影剤やってみよう」と血液の流れを確認。その結果、「おっ!良いんじゃないの!」「よし!完了!」との言葉の次に先生が「ちょっと見てよホラ!」と私の前にモニターを持ってきて、手術台の上で成果を確認です。
なるほど、塞ぎたい血管の直前に達する事ができたため、余計な血管を塞ぐことなく、塞ぎたい血管だけを狙い撃ちできていました。
さらに、完全には塞げないことが多い中で、ほぼ完全に塞げていたのでした。
「こんなにピターッと行くのは100人に1人ぐらいの確率だよ!」と先生が一番嬉しそうです。
こうして、手術は1時間ほどで完了しました。
再出血リスクの大元である奇形血管に血が行かなくなったので、ひとまず安心できるようになりました。他の部分に負担が掛ったりしていないか、念のために経過観察中です。手術後ずっと頭痛が続いています。
1回目の手術が予想以上に上手く行ったので、今後の治療方針を再検討する事になりました。とりあえず、21日に予定していた開頭手術は一旦キャンセルです。
成功を祈って頂いた沢山の皆さんのおかげです!
最高の誕生日プレゼントでした!
なお、良くも悪くも、視野欠損の範囲も変わっていません。
ただ、1月前半までは解像度が少し上がったようでした。CTで確認すると、最初の出血の血の塊が吸収されて殆ど無くなったようで、血の塊に圧迫されていた脳組織の状態が良くなったからでしょう。
今回の手術で脳内が多少混乱しているようで、欠損範囲の画像が乱れています。何とも説明しにくいんですが、とても電気的な乱れ方です。時間が経てば、脳も落ち着いて処理できるようになると自分では思ってます。
残念ながら、透け透けにも見えないし、通常の3倍の速度で考えられたり・・・しません。
見たいところにボカシが掛ったり、通常の3倍考える時間が必要だったり・・・しません。

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