夜の寝苦しさから、ちょっと解放され、朝夕は秋の爽やかさを感じられるようになった今日この頃、みなさまいかがお過ごしですか?
日本の秋の味覚の代表は栗ですが、「栗の甘露煮」や「マロングラッセ」は皆さんお馴染みですが、「渋皮煮」というのは意外に知られていないようです。栗は、茶色で硬い「鬼皮」と、普通に食べる黄色い実の部分の間に、茶色くてもやもやした「渋皮」があります。実際にその部分だけを食べてみたことはないので、本当のことは知りませんが、「渋皮」というだけあって、きっと渋くて食べられないのでしょうね。少なくとも、この部分を水で煮ると、真っ黒、というか黒に近い茶褐色の煮汁ができて、実はこの煮汁で糸や布を染めると、「渋皮染め」になる、というくらいですから、旨くはないでしょうね。
ということで「栗の渋皮煮」の説明はさておいて、調理の仕方を簡単に書いておきます。まず、鬼皮を剥きます。ここで大切なことは、渋皮が保護袋になるのですから、渋皮を傷つけてはいけない、ということです。鬼皮の茶色い硬い部分は、簡単に剥がれますが、お尻のザラザラしたところを剥くときは、包丁の刃を入れすぎないよう注意が必要です。
鬼皮が剥けたら、重曹を入れた水で煮ます。おそらくこれで、渋皮に含まれている渋味成分が煮出されてしまうのでしょう。煮終ったら、煮汁は捨てるなり染物に使うなりして、栗は水に移します。このときに、初めて気付くのですが、食べる黄色い実の部分の周囲には、ベージュ色の、結構ぶ厚い皮があります。イメージとしては、あるいは生の栗を剥くときには、渋皮というのは、ピーナッツの薄皮のように薄くて、しかも中身にぴったりと貼り付いていてなかなか取れないものだと思っていたのですが、実は、(煮たからなのかも知れませんが)厚さ0.5ミリく
らいのかなり柔らかい皮なのです。そして、その表面全体にうっすらと黒っぽいもやもやと、表面の溝のところに、黒くて硬い線維状のものが埋まっていて、思うに、これらが渋味の出所なのではないでしょうか?ということで、ベージュ色の渋皮(だと思う)は傷つけないよう細心の注意を払って、表面のもやもやと、溝に埋まっている線維状のものを、手で擦り取ります。「栗の渋皮煮」では、この作業が一番デリケートで大変なのです。
これを済ませば、後は水で2回煮て、最後は砂糖水に漬け込んで出来上がり。
こんなふうに書いてしまうと、「何だ、簡単そうじゃん」と思うでしょう。一度に沢山作らなければ、それほど難しいことではありません。ただひとつ、とっても、とっても重要なポイントがあります。「新鮮な栗」でないと、ものすごく苦労します。去年は、栗を拾ってこれなかったので、栗農家に行って、新鮮だと思われる栗を買ってきたのに、いざ作ってみたら、大変な目にあいました。鬼皮剥きも大変ですが、重曹で煮た後のもやもや取りが超大変。取れないからって強く擦ると、すぐに渋皮が破けてしまいます。こんなに手間が掛かるから、「栗の渋皮煮」なんてほとんどお目にかからないんだ、と納得。
私は、早朝のももちゃん散歩で、誰も人のいない里山公園にいって、何の苦もなく40個ばかり拾って来ました。帰ってすぐに皮を剥き、昼過ぎにはとりあえず出来上がり、砂糖が浸み込むのを待つばかりになっていました。今年の栗は、結構大きくてまん丸、豊作でしょうね。自宅の庭にでも栗の木がある人は、簡単ですから、挑戦してみては?
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