副題:アメリカの石油軍事戦略を映し出す映画「ブラッド・ダイヤモンド」
世界中に戦火の種を蒔き、イラクの戦争泥沼化にアメリカの石油軍事戦略が見えている。そこに大量の資金が投入され、イラク人10万人以上・米兵3千人以上の犠牲者を出している。それに追随する日本政府と日本の資金がある。
映画「ブラッド・ダイヤモンド」が全国ロードショーされた。
ストーリー:「90年代。内戦渦中のアフリカ、シエラレオネ。南アフリカ人のダニー(レオナルド・ディカプリオ)は、西アフリカのメンデ人ソロモン(ジャイモン・フンスー)が、とてつもない価値をもつピンク・ダイヤモンドを隠したことを知る。協力者のアメリカ人ジャーナリスト、マディー(ジェニファー・コネリー)とともに、3人は反政府軍が支配する地域にダイヤを求めて入っていく。ダイヤにたどり着くためには、地獄のような行程を突き進まなくてはいけない。極限の状況のなかで行動を共にする彼らに、やがて生じ始める変化。そして、3人が突き当たったダイヤの裏側に広がる果てしない闇…。ダイヤが約束する未来を、最後に手にすることができるのは誰なのか?」(goo映画より)。
この背景となるのは、ダイヤ採掘によって世界市場にダイヤ供給をしていたアフリカ・シエラレオネで、ダイヤ採掘に係わる国内政府と外国ダイヤ資本が流通を確保していたが、国民の暮らしは決して良くならなかった。これに対して、反政府軍RUFが内戦を起こし、武器入手のためにダイヤ販売を行い、同時に若い兵隊・採掘労働者を各村々から暴力的に連れてくる行為を続けた。
この内戦によって、シエラレオネのダイヤが武器購入と結び付いていることに国際社会は懸念を示し、ここのダイヤの市場化を認めなかった。しかし、これによって密売されたダイヤは高価になり、市場で混ぜられ区別ができなくなる。同時に、反政府軍が手にしたダイヤは乱売され、価格を下げる可能性がある。ここに、資本を持ったダイヤ商人は一定程度の密売品を管理し高収益を上げていたが、反政府軍が強過ぎると乱売が起きるため、政府軍を応援しながらこの戦乱が収まらないように行動している。
そして、この商品の流通によって末端消費者も利用されていることになる。
この映画を見終えて、石油に係わる戦争と重なる。
アメリカのイラク戦争を想起するのは私だけであろうか。
正義の名の下に、利権による利益、そして戦争による利益という二重の利益をアメリカ資本に与える。2004年の国家予算による軍事費は1位のアメリカが4500億ドルを超え、全世界の軍事費の50%をアメリカだけで占有している。2位〜4位のイギリス、フランス、日本が500億ドル前後で、アメリカだけが突出している。
しかし、それにしても日本の軍事費の多さと平和憲法との乖離にビックリする。イラク戦争でアメリカをトコトン支援している日本の軍事費はアメリカの軍事費に加算する必要があるかもしれない。そのことは、アメリカの戦争経済を日本のお金が支援しているとも考えられる。
「ウラン争奪 激化」(日経新聞3月30日付け朝刊)というショックなニュースが、原発事故の隠ぺい問題が発覚中に流れた。しかし、この記事から原発事故の危険性は全く語られず、世界のウラン消費量は増え、需要が供給を上回り価格上昇という危機感が表れていると経済側面だけが語られている。
「三菱商事 ウラン権益取得」(日経新聞4月11日付け朝刊)は、カナダで2016年からウラン生産開始への投資が安定供給につながることを説明している。
前回の「原子力発電所 本当に安全なのか?(2)」で述べてきた原発の環境汚染について、日経新聞では全く触れず、日本の電力各社・原発燃料大手・原発設備大手そして大手商社の利害と日本政府の支援が語られている。
このニュースの流し方は、CO2削減に原発が有効であり、電力そのものが足らない、という論理が圧倒しているからである。そして、次に来るプルサーマル計画によって庶民から集めた税金を投入して原発関連企業の利益を保証しようとしている。将来生じてくる放射能による荒廃地と累々たる死傷者をこの背後に隠して。
石油資源をめぐって戦争が起き、石油消費と戦争によってCO2を大量に排出し、環境破壊が繰り返され、このCO2削減に原発が必要だという。この悪循環の全てに大資本が係わり、どちらに転んでも収益を手にする経済主義が当たり前のように横行している。
この当たり前と
関係性を切るには、余分なコンセントを抜き、電気使用量を減らし、そして、政治や経済から眼を離さず、知らず知らずのうちに私たちや私たちのお金(税金や預金)が環境破壊に利用されていないかを見て行かなければならない。
日本には約100兆円の外貨資産がある。そのかなりの部分が米国国債である。戦争経済を推し進めているアメリカ。それを支援している日本の外貨資産は、私たちが知らず知らず環境破壊に加担していることの証明ではないだろうか。

0