前回の「原発を考える(下)」でお二人の方から
コメントを頂いた。先ず、その文章をお読みください。
投稿者:愚樵 http://gushou.blog51.fc2.com/
「TBありがとうございます。
>“お前達のために危険な原発を推進しているのが分からないのか”と主張する原発推進者の責任転嫁
前エントリーでこれを『資本の論理』と仰っていましたが、これに賛同すると同時に少し違和感も感じていました。というのも消費者としての私たちの側も、まるで無責任とは思えないからです。
現在の日本では電力需要のピークは夏場の昼間、要は冷房のための電力需要が大きくなるところにあります。もし、今直ちに原発を止めるとなると、夏場の電力需要に対応できず、都会で生活する者はコンクリートジャングルと化した都会の酷暑に直面するでしょう。多数の死人もでることになろうかと思います。
こんな社会に誰がしてしまったのか? それは私たちでしょう。資本は私たちのそうした欲求の上に乗っかり、また時には扇動して肥え太っていき、さらに貪欲に利益をむさぼろうとしています。
この資本の底知れない欲深さはどうにかしなければなりません。しかし、これは私たちの欲深さと切り離してはどうしようもないことです『資本の倫理』とは私たちの論理でもあるわけです。
>先ず、原発を止めよう。そして私たちの生活スタイルに自然を取り入れよう。
原発を止めるためには私たちの生活スタイルを改めるしかありません。では、自然を取り入れた生活スタイルで私たちはどのように生活していけばよいのか? また、そもそも生活していけるのか?
ここが明らかにならなければ、いつまでたっても『資本の論理』は切り崩せないように思います。」
投稿者:pfaelzerwein http://blog.goo.ne.jp/pfaelzerwein
「『10%電気量が減りました』(注)は驚きです。愚樵さんのコメントにも関連しまして、『環境やエネルギー政策』を考える場合、実は我々の生活を不便にしたり我慢したり、時計の針を戻して昔に帰る事は不可能なのですね。それならば何が出来るかです。例えばです、東京の冷房を全てヒートポンプ等で循環させ熱排出を極力抑えたり、集中冷暖房機構を整備して、家屋の熱遮断を進めるだけで、都市型の更に悪化するであろう灼熱地獄は防げる筈です。しかし、こうした殆ど安全保障上必要な国の大プロジェクトを進めるべき政治が、ここ二十年ほど激しく痴呆化の進む、目先の利潤と名目経済しか計算出来ない経団連などのヒモツキになっていることが問題なのです。
遅れてお粗末な社会資本の充実と整備を進めるためには、公平な市場競争を最大限に活かす自由化と『政策』が重要です。日本の場合は、米国資本の参加という圧力の中でしか自由化が進まなかったことが、競争を促す参入の容易な自由主義国民経済に至っていないことが最大の問題ですね。
本記事の内容とは外れてしまいましたが、全ての『政策』において避けては通れない、自由主義経済社会での公平な競争と国民経済の運営の問題と考えます。」
(注)節電のために無駄なコンセントを抜くことによって得られたわが家の結果
このお二人のコメントを頭に置きながら、技術論的にではなく視覚的に感覚的に考えることにする。
「ホンダ、太陽電池 年9000戸分供給」(日本経済新聞11月13日付け朝刊)を読んで、どの企業も環境に関わる分野に進出し、新たな収益獲得に多角化戦略を駆使していることが伺える。この記事で「化学燃料を使わないエネルギーの開発などで環境負荷低減に取り組んでいく」とホンダ社長は強調している。
「太陽電池、海外勢が攻勢」(日本経済新聞11月14日付け朝刊)で、世界四位の中国サンテックは日本の家庭向けの太陽電池に参入しようというもの。日本市場でのシェアは1位:シャープ、2位:三洋電機、3位:京セラ、4位:三菱電機で、日本企業の寡占状態である。
「三洋電の燃料電池事業、実質買収へ=研究開発を加速、4月に新会社−新日石」(時事通信11月15日)は、石油元売り最大手の新日本石油が、経営再建中の大手電機メーカー三洋電機の燃料電池事業を実質的に買収することを明らかにした。新日石は燃料電池を戦略部門と位置づけている。
上記の連日の三記事は環境産業への参入・多角化・合併による戦略が表面化したものである。この先、この分野での収益が見込めると踏んでいる大企業の動きである。企業努力によって環境負荷を抑える競争が激化することを願うが、他方で、軍需産業や原子力産業から手を引く競争も激化して欲しいと期待する。
いずれにせよ、環境産業の進展は、環境悪化が背後から表面に出て、明らかに体感できる悪化を感じ取れる気候変動と密接に関わっている。その環境悪化の実態として
「アマゾンで地球異変」を朝日新聞が写真中心で連載している。
アマゾンは全世界の熱帯雨林の50%を占め、地球の酸素の3分の1を生み出す一方で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を取り込んでいる。そのアマゾンの実態を写真で取り込んでいる。
「アマゾンで地球異変@」(11月10日)はアマゾンカワイルカの犠牲として描かれている。

「ブラジル・アマゾン川で、漁師とイルカが魚を奪い合っている。人間が木材や大豆などを求めて奥地にどんどん入り込み、食料にする魚の消費量が増えたためだ。魚を追って網に入り込んだイルカが、漁師に殺されるケースも出てきた。イルカと暮らす少女の瞳が、涙でぬれていた」。
人口約200万人の大都市マナウスは、税の優遇があり、外国企業が数多く進出し日本企業も数十社ある。高級マンションの建設が続き、魚の消費量は急増している。
「アマゾンで地球異変A」(11月11日)はバイオ燃料であるサトウキビ畑がアマゾンを破壊する様子が描かれている。

1.サトウキビを手刈りで収穫、2.サトウキビを搾った液体、3.精製されたエタノール、4.エタノール(右手)とエタノール混合ガソリン(左手)
大企業の環境保全への技術開発を後押しし、アマゾンの実態をわがものとして、一方で私たち一人一人が節電できることを探し、他方で大企業の軍需産業や原子力産業を阻止するための運動をしなければ一人一人の努力は泡と散ることを肝に命じなければならない。
この二面の努力・運動と
関係性を深めていきたい。
(次回に続く)