―環境破壊と貧困への新たな動き―
(つづき)
世界的災害は様々な場面で起きている。もう他人事では済まされない。この「温暖化」の要因がCO2だけでないかもしれないが、環境異変が様々な場所で起きていることだけは間違いない。産業革命以降の大量生産・大量消費は循環させない物質を地上に放出し、尚且つ、庶民の生活とかけ離れた戦争の拡大が貧困を作り出しただけでなく環境悪化も進めた。
そして、この環境悪化はこれに対応しきれない貧困地帯や自然と共に生きてきた人たちに大きな打撃を受けさせ始めている。
「島が動く」「家が畑が 次いつ流されるか」(朝日新聞12月17日付け朝刊)はバングラデッシュのベンガル湾沿いの多数の島の地形変化を取材している。
三つの大河が豪雨で暴れ、サイクロンとともに岸を削り、集落をのみ込む。一方で、大量の土砂を運び新たな土地を生み出していた。今年は二度のサイクロンで2千万人が被災した。

大雨と洪水で北端の土地は浸食されなくなり、南端に土砂が堆積し陸ができる。その都度、引越しを余儀なくされる住民が沢山いる。

上の写真は、土地をかさ上げする土砂を運ぶパイプが張り巡らされている。乾期には水が引き、大部分が農地になる。

この洪水多発地帯では雨期の増水に備えて背の高い竹の橋が作られている。
温暖化が進むと感染症の発祥リスクがより一層高まり、この地域では下痢症患者が3倍に増え、真っ先に犠牲になるのは貧しい人たちである。
「日本海異変」(朝日新聞12月19日付け夕刊)で、海面温度の上昇によって、温水を好む魚の漁獲量が増え、冷水を好む魚の漁獲量が減少していることを示した。
暖水性の魚はマグロ、ブリ、マアジ、カタクチイワシ、スルメイカで、90年前後を境に増加し、冷水性の魚であるスケトウダラ、マダラ、カニ類、ホッコクアカエビは減少に転じている。
このような中でも、日本政府は戦闘力と膨大なる無駄使いを着々と進め、環境破壊と貧困を押し進めている。
「基地のこと考えよう(上)(中)(下)」(朝日新聞11月8日、9日、10日付け朝刊)で、米国の最新鋭空母「ジョージ・ワシントン」が来年8月、日本の横須賀基地に配置され、原子炉2基搭載によって施設稼動・維持で約4000人の乗組員が交替で働くことを記した。

中央日報2007.11.16より
「軍需上位15社 防衛省天下り475人」(しんぶん赤旗10月28日付け)は軍需専門商社「山田洋行」と守屋前防衛事務次官との関係が問題になるなかで、軍需と関わる大企業と天下りと自民党への献金を記事にしている。
契約金(億円) 献金(万円) 天下り(人)
@三菱重工 2776 3000 62
A川崎重工 1306 500 49
B三菱電機 1177 1820 98
C日本電気 831 1800 40
・・
「軍需産業と結びつく国防族」(しんぶん赤旗11月19日付け)で、安保議員協の全役員(自・公・民で23議員)を公表した。

安保議員協は03年から日米軍需産業の支援を受け、日米同盟が要請する軍事戦略の議論と新型兵器の説明・展示・商談を同時並行で行う日米安保戦略会議を主催し、国防族議員と軍需産業の接点となってきた。
以上のような環境破壊の実態や平然と環境破壊を行使する政府に対して、行動する人たちがいる。
「自然エネルギー電力 買い取り保障求める」(しんぶん赤旗9月24日付け)は、大阪で行われた「市民共同発電所全国フォーラム」を取材している。
デンマークやドイツでは市民参加で自然エネルギーの利用が進んでいる。日本でも風力発電や太陽光発電を進めるために、国にその電力の買い取り保障制度の実現を求めた。同フォーラムでは、共同作業所や保育園・幼稚園や公立学校に地域住民の出資や寄付で市民共同の太陽光発電所を設置した経験や過疎地に「市民風車」発電所をつくったり、環境教育や資源リサイクルと結んで地域の活性化をめざす多彩な住民運動なども話し合った。
「長野県飯田市 広がる太陽光発電」「市民も出資が地域を変える」(日本経済新聞10月22日付け朝刊)で、市民出資の「南信州おひさまファンド」が費用を受け持ち、NPO法人「おひさま進歩エネルギー」が実行・普及・教育をしていることを記事にしている。
この市民ファンドは幅広く出資(一口10万円)を募り、発電した電気を売った収入をもとに配当する。予定配当利回りは年率2%以上と銀行利回りより高く設定している。ボランティア精神だけに頼らない仕組みは、市民の積極性も導いている。
発電システムの設置場所は昨年度末で38箇所。飯田市も公共施設の屋根を設置場所として無償提供したり、発電した電気を20年間の長期契約で購入するなど、全面的に協力している。
「産地で野菜学ぶ仲卸」(朝日新聞12月20日付け朝刊)は川崎市の生鮮野菜を取り扱う仲卸業者の新たな行動を追っている。
スーパーや小売店のバイヤーはインターネットを使い、新しい野菜の特徴や産地、残留農薬、おいしい食べ方などの知識をどんどん身につけ、市場にやってくる。この消費者主導で進みつつある現状に、目利きのプロとしての仲卸は近隣農家を訪れ、野菜の生産実態から学び直している。
この仲卸の行動はエコを意識したものではないが、地産地消という無駄な輸送負担を避け、尚且つ農薬の危険性知識を生産者と仲卸が共有できるチャンスでもある。
「広がるフェアトレード運動」(日本経済新聞11月18日付け朝刊)についての本(注)が紹介されている。1950年−60年代に欧米先進国において、キリスト教会やチャリティー団体が途上国農村の手工芸品や織物などを販売したことに始まった。80年代にはいり、経済のグローバル化と企業の多国籍化で自由貿易が広がり、コーヒー、ココア、砂糖などの生産過剰・価格暴落を作り出し、途上国農民の生活困窮を招くことになった。
(注)ディヴィッド・ランサム『フェア・トレードとは何か』(青土社2004)
キャロル・オフ『チョコレートの真実』(英治出版2007)
オックスファムNGO『貧富・公正貿易・NGO』(新評論2006)
そこに、途上国支援NGOや消費者団体によって、フェアトレード運動が盛んになり始めた。先物市場の価格ではなく、生産者の生活費をまかなえる価格で買い取る運動を広げていった。
私は15日に
「エコプロダクツ2007」(12月13〜15日東京ビッグサイトで)に出かけた。企業・団体、NGO・NPO、行政・自治体、大学・研究機関そして一般生活者が様々な立場から参加し、環境についての総合展示会であった。大手企業の技術力を覗き、零細企業の頑張りを見てきた。見学者の大多数は小学生であり、様々な実験に加わっていた。
フェアトレード運動という側面から
18日の新聞(朝日と赤旗)で二人の若い女性が紹介されていた。山田絵理子さんと森田奈美さんである。
山田絵理子さん(「マザーハウス」を設立)・・バングラデシュの素材であるジュート(黄麻)で自らデザインしたバッグを現地生産して、百貨店や東京都内の直営店で販売している。ワシントンの開発銀行で働いた時の体験で「豪華な建物のふかふかのじゅうたんの上で、途上国の貧困問題を議論する。最初から違和感がありました」と。
http://www.mother-house.jp/index.html
森田奈美さん(植林プロジェクト「カフティ」主宰)・・フィリピン・ミンダナオ島で、70年代以降の森林伐採で九割の森が消えたことを知り、この植林活動に力を注いでいる。その一環として、ティボリの女性の伝統織物(ティナラク織)で使われるアバカ(糸芭蕉)の繊維の織物を普及させようと。「一反織るのに三ヶ月。その間に繊維や染料として収穫した木は枝や根を伸ばす。自然とともに生きることを象徴する織物」と。
http://ameblo.jp/kafti/
環境破壊は資本の論理と戦争によって、またそれに乗せられた生活スタイルとのマイナスの相乗効果で進んできた。そして、横須賀には移動する原子力発電所を認め、環境破壊の最たるものを準備している。これらの進度とともに貧困化も進み、災害に対応できない人たちを増加させている。
このような中で、自然エネルギーの活用、輸送負担の少ない地産地消、フェアトレード運動が進んでいる。この人たちの行動から私たちも学び、反戦・平和の運動とともに貧困をなくす
関係性の輪を広げたい。
サブプライム問題に発した不景気風は必ず私たち庶民にも波及する。これへの投資と関係ない私たちにも波及する。自民党・公明党が狙う消費税の値上げと企業減税を目の前にして、このままでは貧困化は一層進む2008年と予測できる。戦争にしか生き甲斐を見出せない若者を出さないために、大きな政治の転換が必要で、それを基に持続可能な環境保全ができる。
そんな2008年を迎えたい。
今年のエントリーはこれを最終とします。
多くの人たちに読んで頂き、それを励みに勉強もさせて頂きました。本当に1年間有難う御座います。特に、小まめにTBやコメントをくださった方々の有難さは身に染みています。来年も宜しくお願い致します。貧困のない明るい未来のために。

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