連日の金融不安による株価下落のニュースに頭が痛くなる状況が続いている。昨年までの大企業の史上空前の利益というニュースに全く連動しないままに、相変わらず厳しい状況にあったわが社は、金融不安と株価下落には強く連動し、一層悪い方向に進んでいる。言い換えれば、小泉政権による虚業(金が金を呼ぶ産業構造)の深化によって「格差拡大」が進み、その中で零細企業は生きるか死ぬかのギリギリの状況であった。そこに、昨年夏以降のサブプライム問題が勃発(虚業の矛盾拡大)し、関係なかったはずの庶民の生活水準に打撃を一層与えている。
特に、企業倒産やリストラによる庶民の生活水準は一層下げられ、虚業による災難は下層に大きく影響することになる。
各国の失業率が上昇している。8月ユーロ圏が7.5%へ、8月日本が4.2%へ、9月アメリカが6.1%に急上昇した。この傾向は社会不安の元である。同時に、消費力の中心であったアメリカでの自動車販売台数(前年比)が急減している(
10月2日ロイター・ジャパン)。
前年度比販売台数%
フォード -30.9%
トヨタ -29.5%
GM -12.1%
ホンダ -20.9%
三菱 -36.5%
日産 -34.2%
クライスラー -30.0%
また、日本の9月の全国倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比34.4%増の1408件、負債総額は同11.6倍の5兆3625億2900万円だった。月間の負債総額は戦後2番目。倒産件数は2003年5月以来、5年4カ月ぶりに1400件を上回った。そして、商工リサーチは9月の倒産の増加傾向が一段と強まったと報告している(
東京商工リサーチが10月8日発表)。そして、
「上場企業倒産過去最多」(朝日新聞10月17日付け朝刊)で、帝国データバンクの1964年の調査開始以降ではこの16日までで最多となったことを伝えている。
しかし、アメリカ発の金融不安が続く限り、アメリカ主導の虚業のグローバル化が続く限り、倒産件数はこれからも増加することになる。
そして、「世界恐慌」に至れば、下層に行けば行くほど一打撃は大きくなる。庶民ではないニヤけた麻生首相には影響がない。
虚業を膨大にさせた社会構造のマイナス側面とだけ連動している私たち庶民がここにいる。
「モヤモヤ感」は商売や友人関係や家族という狭い世界から生まれてきていたが、今や社会構造と深く係わるものに進化し新たな確固たる「モヤモヤ感」へと変化してきた。私たちからは遠い社会構造であったはずが、ここにきて身近な社会構造へと認識され、それが頭の中や腹の底まで浸透している。
前回エントリーした「世界同時不況と『半農半X』『モヤモヤ感』」で、いくつかのコメントによって「半農半X」をあらためて考えることができた。頭で考えた「半農半X」と実態としての「半農半X」には違いがあり、実際にこの世界に入ろうとするときにかなりの覚悟が必要であることも学んだ。以下の3つのブログには感謝している。
・「NPOの乗合タクシー」で、お年寄りや子供たちの足を買って出て、社会貢献をしながら社会構造批判を忘れずに訴え(怒り)続けているnakayosiさん。間違いなく、彼も「半農半X」の実践者である。そして、ブログの中で、地に付いた実態を克明に感情を込めて語る姿に零細経営者としての共感を感じる。
ブログ「心の健康・社会の病い」http://white.ap.teacup.com/nakayosi/
・ブログ「愚樵空論」を管理する愚樵さん。彼は和歌山県の熊野地方に在住し、広い分野に論評を繰り広げている。
いろいろな場面でコメントをいただき、その都度考え方を整理させられ、深く考えることを教えられている。今回も、「『半農半X』の思想には、どこかまだ膨張主義を背景に背負っているような気がしてなりません」や「『半農半X』の中にもやはり膨張主義ビジネスと結びつきかねない要素があって、『半農半X』を無条件に信奉するようなことになれば、知らずのうちに膨張主義へ陥ってしまう可能性がある」という主張にはビックリしたが、私もその可能性は大きいことを確認した。
ブログ「愚樵空論」http://gushou.blog51.fc2.com/
・地道に北海道で「半農半X」を実践しながら心を打つ詩と写真をブログに載せているkokemomoさん。この詩によって読者はどれだけ癒されるかしれない。
「私も『半農半X』に入るのかなぁ・・・と思っても,何かしっくりしません。土を耕し、作物を作り、花を育て、羊を飼い、毛を紡ぎ、木を植え、森を育て、木を刈り、家を建て,家具を作り、山の幸を採取し、魚を釣り・・・それは『農』というひとつの言葉には収まりきらないからでしょう」とコメントを頂いた。家庭菜園レベルでしか考えられない私には気が遠くなる作業の数々。これが「農」で生きているということだなと知るが、この事実には論評ができなくなっている私がいる。
そして、「『半農半X』はスローライフという言葉と重なります。この北の原野にも、都会の生活に見切りをつけた人が移り住んできています。けれどもその多くは、今が良ければ良いという,自己に埋没し,スローというスタイルに逃げ込んでいるようにも見えます。環境に対する意識は多少あっても,社会に対する問題意識はほとんど持ち合わせていません」とkokemomoさんは言う。これにはハッとさせられる。
ブログ「おおきな原野のちいさな家」http://ch11440.kitaguni.tv/
「東京政治から逃げておいで」(朝日新聞9月22日付け朝刊「ポリティカにっぽん」より)で、「スローライフ」が鳥取県智頭町(ちずちょう)を基に語られている。
「スロー学会フォーラム」が鳥取県で開かれ、早野 透(朝日新聞コラムニスト)氏はそれに参加した。「新聞記者としてあわただしく過ごしてきた身としては、ジャーナリスト筑紫哲也氏や神野直彦東大教授らの、もうぼつぼつ、ゆっくり暮らす社会をつくろうやという『スローライフ』運動に共鳴したのである」と。
智頭町でのシンポジウムで、町長の寺谷誠一郎(64)氏は「『みどりの風が吹く 疎開の町を目指して』というのが町のスローガンです。町の93%は森、50年杉を伐(き)っても大根1本の値段ですよ。でもね、こんど森を生かして町立病院で『森林セラピー』を始めたい。都会で病んだ人に疎開に来てもらって、野菜を作ったり、森の空気で癒したりしてもらうんですよ」。そして、小泉構造改革のしわよせから民主党は地方の重視を訴え、自民党も地方に必死のエールを送っている中で、「私たちの目の前には、田んぼや畑がありますからねえ、国に何か頼むよりは、自分たちで汗をかかなくちゃと思うんですよ」と。
ここで、早野氏は寺谷町長に「『地方疲弊』はここも例外ではないでしょう?」と質問をぶつけた。
「町立病院に産婦人科医がいない。女性は鳥取市まで生みにいく。病院経営を建て直し、この町を子作りの里にしたいんです」「若者、よそもの、ばか者が町つくりのエネルギー。こんど100人委員会というのをつくって、直接、住民町政参加してもらうんです。20歳から80歳まで、女性も35人。ぜひ、この町に疎開にいらっしゃい。政治から逃げていらっしゃい」と答えている。
そして最後に、早野氏はつぎのようにまとめている。
「政治から逃げろ!無責任な政権投げ出し、勝手にはしゃいでいる総裁選、そんな『東京政治』に見切りをつけて、自分の足で立ってみよう。私には二大政党の政権攻防の虚(むな)しさを告発する言葉のように思えた」と結んでいる。
「集会で聞いた若者の窮状」(朝日新聞10月18日付け朝刊)は「現代版『蟹工船』」という副題をつけて、劣悪な労働環境に身を置く20〜30代の男女が共産党系の集会で窮状を訴えた、ことを伝えている。
「ネットで知って参加したという『無党派層』の若者も多く、4600人と5年前の4倍超の若者が集まった。偽装請負、日雇い派遣、名ばかり店長……。事態は深刻だが、ド派手な建設作業服や、『蟹工船』をもじったカニのかぶり物などで参加した若者たちの姿に、社会を変えていこうという希望が芽ぐんでいるように感じた」と。
10月19日(日)、
東京で三つの大きな集まりがあった。
@ 「反貧困ネットワーク」が東京・明治公園で開かれた。
「人間らしい生活と労働の実現を――。東京都内で19日に開かれた『反貧困 世直しイッキ大集会』(主催・反貧困ネットワーク)では、派遣労働者やシングルマザー、生活保護受給者などの参加者たちが、次々と窮状を訴えた。集会の狙いは、貧困対策を次の総選挙の争点にすることだ。
反貧困ネットワークは1年前、市民団体や法律家、労働組合などが集まり設立。今年7月から3カ月余りかけて「反貧困全国キャラバン」が全国を回り、各地で無料相談会などを開いてきた。19日に東京の会場にゴールした。会場には約2千人が集まった(
asahi.com10月20日付け)。
A 「STOP! 医療・介護崩壊、増やせ社会保障費」が日比谷公会堂で開かれた。

「医師・看護師の増員や後期高齢者医療制度の廃止、社会保障費の増額などを求めました。集会後、銀座パレードをしました。
あいさつした日本医労連の田中千恵子委員長は、崩壊の危機にある医療・介護の現場から運動と世論を広げ、政治を動かしてきたと強調。総選挙での要求実現をめざし、『医療や介護など社会保障を抜本改善していこう』と呼びかけました(
しんぶん赤旗10月20日付け)
B 「土と平和の祭典」が日比谷公園で開催された。

「土の上に生きる幸せを伝えたい 『土と平和の祭典』で農的幸福を」と訴え、「ひとりひとりが種をまくことで社会は変わる」と、出展者と参加者の交流が実現している。安全な農産物の生産者、流通業者そして消費者の一体感がその場の連帯感と開放感をかもし出していた。
現実の社会構造やその変化に押し潰されようとする人たちが増大し、「モヤモヤ感の進化」は場当たり的で癒しだけ求める「スローライフ」に簡単に逃げ込むことを許さない。「スローライフ」への道にも社会構造が重く圧し掛かっているからである。しかし、「スローライフ」への運動は安全な食品への追及やグローバル化による虚業への抵抗への一歩にもなっていることは事実だ。
自らの生活を守るための行動が上記三つの集会に表現されている。
・貧困からの脱出
・誰でも行ける医療の充実
・命をつなぐ農的生活の重視
もう黙ってはいられない行動する人たちと
関係性を強め、それを広めていこう。

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