ローマでのG7が終わり、世界経済の相当な悪化が見えてきた。今年中の景気回復は絶望的なようだ。
そして、閉幕後の中川財務相のろれつ回らぬ映像が世界に配信された。さすがに官僚が動かしている日本の象徴のような出来事である。政府の閣僚がどうであろうと何の問題もなく、全てを官僚が仕組んでいく日本の構造(政・官・財の癒着)が見えてくる。しかし、経済の悪化は止められない。
前回のエントリー記事(「新自由主義」批判)に、もえおじ氏から「地球規模の環境破壊」に加えて次のコメントを頂いた。
「投稿者:
もえおじ 2009/2/15 12:31
なぜ06年、07年に、日本の大企業が空前の営業利益を上げたのか、について一言述べておきます。
統計によれば、01年〜05年の間に企業の営業利益は10.2兆円増加しているのに対し、雇用者報酬は8.5兆円減少しており、その間に資本金10億以上の企業の役員報酬は1.8倍、配当金は3倍になっています。
稼いでいる企業は、急速に労働分配率を下げてきました。 労働者の賃金を下げて、資本家(今や日本の上場企業の1/3が外資)と経営者で山分けしている構図なのです。 日本の雇用を考えないトヨタやキャノンなどと言った名だたる日本企業は、既に日本企業ではなくなり、国際資本と言った方が良いでしょう。
そのように、労働者を搾取している企業に対しては、労働者側は視野を大きく持つことで、企業側の論理に取り込まれないようにしなければなりません。」
まさに、意を得たりといえるコメントである。
そして、もう一つ追加すべきことが、今回のG7で明確になっている。
それが、「円安誘導」である。政府も官僚も財界もこぞってG7に大きな期待をしていた。急激な「円高批判」が各国で持ち上がることを期待していたが、「過度な変動に懸念」と指摘するに留まったからである。「外国為替市場では『これまでの円高・ドル安の流れが続く』」(
日経新聞2月16日付け朝刊)ことを印象付けた。
「日本の大企業が空前の営業利益を上げた」(もえおじ氏)のは、人件費を下げて収益を増大しただけではなく、力ずくの「円安」誘導によって内需を期待しない政策を政府が取ってきたからである。
そして、ここにきて「円高」の進行は大手輸出企業の収益悪化を明確にした。それでも昨年までの利益は有り余っているのだが、収益のみが全ての企業にとっては大問題なのだ。
「円高是正論、高まらず」(朝日新聞2月15日)で、G7の見方は「緊急避難」として円に集中しているとし、「円高」是正への国際的介入の話題はでなかった。日本経団連の御手洗富士夫会長は「日本単独でも介入すべきだ」と訴える。
「GDP年率マイナス12.7%」(朝日新聞2月16日付け夕刊)は衝撃的グラフを示した。

(asahi,com)

(毎日jp)
「内閣府が16日発表した08年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整済み)は前期比3.3%減、年率換算では12.7%減と主要国で最も急激な落ち込みとなった。年率換算で2ケタのマイナスは、第1次石油危機の影響を受けた74年1〜3月期(13.1%減)以来、戦後2度目だ。
実質GDPのマイナス成長は3四半期連続。統計がさかのぼれる55年以降、バブル景気後の不況下だった93年と、ITバブル崩壊後の01年に計2回あった最長記録に並んだ。世界同時不況が深刻化するなか、国内企業の輸出や生産は昨秋以降、かつてないスピードで減少。輸出産業に頼り切っていた景気の落ち込みにブレーキがかからない。
主要国の同時期の実質GDPは、米国がほぼ27年ぶりとなる年率3.8%減、欧州(ユーロ圏)も99年のユーロ導入以来最大となる年率5.7%減だったが、日本の落ち込みは米欧をはるかに上回った。
10〜12月期の実質GDPの内訳では、輸出は13.9%減と2期ぶりに減少に転じた。減少幅は75年1〜3月期(9.7%)を上回り過去最大。輸出から輸入を差し引いた外需は成長率を3.0%分押し下げた。外需がこれほど大きくマイナスにはたらいたのも初めてだ」と。
しんぶん赤旗の記事(2月17日)に各国の成長率比較(内閣府の算出、集計)が載った。
日 本:−12.7%
米 国:−3.8%
ユ ー ロ 圏:−5.7%
ド イ ツ:−8.2%
フ ラ ン ス:−4.6%
イ タ リ ア:−7.1%
英 国:−5.9%
韓 国:−20.8%
シンガポール:−16.9%
この表を通して、「震源地アメリカよりなぜひどい?」を「内需衰退」として説明している。
また、同様なことを
日経新聞は「外需依存の成長 岐路」(2月17日)と書き、米欧上回る打撃と述べている。
以上のニュースから、大企業の収益の源は以下の二点に集約できる。
@ 「円安」誘導による外需依存
A 人件費の削減=非正規雇用の多用
しかし、ここで注意しなければならないことがある。
国内消費低迷を気にしない外需依存のために、官僚と政治家の利用が重要になる。いわゆる、政・官・財の癒着構造によって、国を挙げての税金投入によって「円安」を作り出し、国の政策によって「非正規労働」の安価で使いやすい法律を国会通過させてきた。
もし、財界や自民・公明の言うように、法人税をより一層下げないと大手企業は海外に逃げるとするなら、とっくに逃げている。最も重要な論理は、現在の日本の仕組みにこそその収益の源があるのである。要するに、海外に彼らが移転して、この政・官・財の癒着は利用できないからである。
政・官・財の癒着という日本の仕組みは、国内資産の全てを彼らが自由に利用できる仕組みなのではないだろうか。
ここに来て未だに、日本経団連の御手洗富士夫会長の主張「日本単独でも介入すべきだ」はそれを予感させる。我々の税金でアメリカ債権を買わせて、「円安」を誘導させる仕組みとアメリカの無駄使いという構造をもう一度狙っている。
この政・官・財の癒着構造を失くさせる衆議院選挙に期待する。そして、財界と癒着しない、政策決定を官僚に任せない政党が伸びることができるチャンスである。それに向けた
関係性を強めることが、貧困層を解放することにもつながる。

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